なぜ知ってる?
バレンタインは、忙しい。
そして…オレの脳内も忙しい。
そりゃそうだよ。
一週間で、オレは美華との結婚を決めて…
美華のお腹には、秀の子どもがいて…
その一ヶ月後には、オレは…父親になる。
ただ、かわらないのは、オレが美華を好きっていう気持ちだ。
でも…美華は、どうなのだろう?
ほんとにオレのこと好きなのか?
…
でも、美華のおとうさんが
好きすぎてできちゃった…って言ったもんな。
あれ?
これって…
もしかして、やっぱりほんとに好きなのって…
秀なんじゃ…
美華は、秀のこと大好きだけど、オレのこと好きなフリして…る?
おとうさんには、ユウタユウタ言いながら…心で秀をよんでいる?
…
「ユウタ」
「あ、美華…」
「ユウタ、わたしもうじゅうぶん休ませてもらったから、大丈夫だよ?」
「でも…」
「どうしたの?ユウタこそ、青白い顔してる。休んだ方がいいのは、ユウタだよ。帰って休んだ方がいいよ」
「ああ、そうだね。ユウタくん、今日はありがとうね。そうだ、今日はバレンタインで、もうチョコケーキもらったかも知れないけど、このチョコスティックも美味しいから、ゆっくり家で食べなさい。ユウタくん、もしできたら相談においで。おじさんがいいアドバイスしてあげるから。」
…
「あ、あり…がとうございます。じゃあ、今日は、このへんで失礼します。じゃあな、美華。あんまりムリすんなよ」
「うん!」
…
美華の笑顔をみると、一瞬和らぐ。
でも、それは一瞬で…
あっという間に、黒い心が蘇ってくる…。
帰り際に言われた、もしできたら相談においでって…なに?
…
人生相談か?
秀と美華のあいだにできた子どもと、もしできたオレの子どもの子育てについて?なの?
…
家に帰り、母ちゃんに一目散にきいた。
「ねぇ、オレってできにくいの⁉︎」
って。
すると母ちゃんは、なんにも言わずにチョコスティックに手を伸ばした。
そして、それをパクッと口に入れ
「優しくすれば大丈夫よ。あ、コレ美味しいわね。あっ‼︎もしかしてこれ…美華ちゃんのところのだ?なに?バレンタインにもらったの?あ…一番に食べてごめんなさいね?怒った?」
と、母ちゃんがオレをからかいだした?
…
「違う。これはおじさんからもらったの。」
「あら、じゃあ美華ちゃんからは………」
「もらったよ」
「わぁ、いいなぁ♡お母さんも食べたい♡」
「ヤダよ。オレ、部屋にいるから夕飯つくりのとき呼んで、手伝うよ。今日鍋だよね?」
「うん、そうよ。デザートもあるけど、それは明日の方が良さそうね」
手元のチョコスティックをみて、ニンマリする母ちゃん。
「だから、これは…」
「はいはい♡」
完全に美華からのバレンタインだと思い込む母ちゃん。
てか、オレって…できにくいのか?
優しくすればいいって…
どういう意味だ⁇
…
それより‼︎
サラッと軽く流された感…
わたあめくらい軽かったなぁ。
オレって、幼い頃に検査でもしたのかな?
…
それを美華も…もしかしたら秀も知ってる?
一人で悩んでても仕方ない。
オレはこれから美華と夫婦として、やっていくんだ。
だから、ここはハッキリと聞くべきだよな。
話し合いって大事だもんな。
小学生の頃、学んだもんな。
学級会で。
で、なんてきりだそうかな…。
美華は、オレのこと秀の次に好き?とか?…聞いてどうする…。
じゃあ…
オレに子どもができないって知ってたから、秀と子どもつくったの?って…?
…
いつから秀とそういう関係?とか聞いちゃう?
…
ずっと何年も前からって言われたら…辛いな。
やっぱりそれは聞けない。
てか、それも聞けない。
オレは、秀の身代わり?それとも、何?ってストレートに聞いてしまう?
うーん…
でも、このまま聞かないで結婚とかできないよな。
どう…するかな。
秀もいたほうがよき?
なら、知佳子ちゃんも呼ぶべき?
まずは、三人で話し合う⁇
…
え、どうするのが正解なんだ?
オレと秀と二人で話したほうがいい?
…
ゆっくり考えよう。
いや、そんな時間ない‼︎
えー…
秀って、この前迷ってるって言ったのって…
えー…
もしかして、オレが勝手に美華と結婚の約束したけど、いまさら秀が美華を選んだら…どうしよう。
ユウタには、知佳子ちゃんがお似合いとか言い出さないよね⁉︎
てか、そもそも…オレが好きなのは、美華一択だからな…。
それは、ありえないけど…
でも、そうなったら…知佳子ちゃんは、どうなるんだ?
…
続く。




