おかしくなりそう
秀は…
秀は、まだなんにも知らないから、だから…そんなテンションでいられるのだろう。
「あー、一か月後が楽しみだなぁ」
「え、なんでだよ?」
「だってさ、オレにもついにできるんだぜ?うまれるんだもんなぁ」
⁉︎
「えっ⁉︎それって…」
「うん、それ」
…
「えっ⁉︎来月なん⁉︎早くね⁉︎てか、どっち⁉︎どっちが⁉︎」
「いや、どっちもだろ。結局どっちも選び難くて二択だけどな」
…
「なんだよそれ…てか、もうオレは決めたから大丈夫だ。だから秀は、自動的に一択になるよ」
「えっ?くったの⁉︎いつのまに⁉︎」
「そのさ、くったって言い方やめろよ」
「あー、じゃあお召し上がりになったんだ?いついつ?いつ召し上がったん?」
…
お召し上がりって…
「いつでもいいだろ。秀、オレは後悔しない。絶対に」
「おう、どっち選んだか知らんけど、ユウタがそんな熱いおとこだとは、知らなかったぜ。ありがとうな」
…
「おまえにありがとうなんて言われたくないな。」
「なんでだよ?ツンデレかよ。」
…
「じゃあな、秀」
「おう」
…
秀は、知っていた。
二人の妊娠を。
てか、来月⁉︎
まてよ‼︎
どっちも来月とか…早すぎん⁉︎
あ…でも、だからか。
美華も一週間後に返事欲しいって言ってたもんな。
だから急いでたのか…
えっ⁉︎
もう、うまれるよ⁉︎
美華…バレンタインで店が忙しいからって、そんなに働いていいん⁉︎
やっぱり行こう‼︎
美華の元へ走った。
「いらっしゃいませー…ってユウタ⁉︎どう…したの?ケーキまずかった?」
「ううん、違う。ケーキめっちゃうますぎて、美華のこと抱きしめたいくらいになったよ‼︎だから、オレ…やっぱり美華が大切なんだ。美華さ、少し裏で休んでなよ。オレが店手伝う。おじさん、いいですか?オレ、美華のかわりに店手伝いますので」
突然のことに、美華のおとうさんは少し驚いた様子だったけど、いいよと了承してくれた。
「えっ、わたし…疲れてないよ?そりゃ…少し寝不足だけど…でも…」
「いいから、からだ大切にしなよ。ほら、裏で休んでなって」
「あぁ、ありがとう…」
美華は、エプロンをはずして裏に行った。
店は、バレンタインなだけあって大忙しだ。
でも、少ししたらお客さんが一度途切れたので、少し美華のおとうさんと話ができた。
「ユウタくん、ありがとうね。美華…ユウタくんを好きなあまりに、頑張りすぎてできちゃったでしょ。かなり気にしててさ。でも、ユウタくんがそれを受け入れてくれたって、美華喜んでいたよ」
⁉︎
え、おじさん…知って…
あ、でもそうだよな。
もう、うまれるんだもんな…
てか、オレを好きなあまりに頑張るって…なに?
オレと結婚するために、逆に秀は…利用された?
「思春期だから、なおさらできやすいんだろうねぇ」
「えっ⁉︎思春期だからって…そんなくくりでいいんっすか⁉︎」
「そりゃあ、仕方ないよねぇ。」
「おじさん…って、寛大な心の持ち主なんですね。」
「ハハハ、そんなことないよ?でも、ユウタくんは、あんまりできないから大丈夫なんだね。うんうん」
…
え…?
オレって…
オレのからだって…
え…
オレって、もしかして…
子どもできにくいからだなの⁉︎
てかさ、なんでオレ以外の人がオレのこと…知ってるんだよ⁉︎
え…
もう、え…しか出てこないよ?
オレに子どもができにくい?
だから…秀の子どもを授かったの?
でも…
なんで?
え…?
美華は…そんなにオレと結婚したかったわけ?
じゃあ、なんで…最初のキスを拒んだ?
それに、あっちも好きみたいなこと…言ってたような…
秀も迷ってたし…
え、これって…ぐちゃぐちゃじゃね⁉︎
知佳子ちゃんは、できてよかったって喜んでたけど…
知佳子ちゃんは、知佳子ちゃんで秀をとられまいと必死だった?
…
まぁ、知佳子ちゃんのことは…なんとなくわからなくもない…けど。
秀と美華って…
そもそもどんな関係性⁇
はじめは、秀がどうしようもない人間なんじゃないかって…正直疑っていたんだけど…
なんか、よくわからなくなってきてしまった。
ニコニコと、ケーキ屋さんでこんなことをしている場合なのか⁉︎
これは…ミステリーとか言っている場合も時間も正直…ない‼︎
というか…
すべてを知らないのって…
オレだけなんじゃね⁉︎
なんでオレに子どもできにくいって…そもそもみんな知っているのだろう?
母ちゃんか?
あのおしゃべり好きな母ちゃんが、オレのことを言いふらした…とか?
でもさ…だからって、オレたちまだ学生なのに…
なのにどうして、美華は赤ちゃんがそんなに授かりたかったのだろう?
秀への当てつけ?
彼女なんかつくった秀が許せなくて?
いや、でも…
いまさらだよねーって美華が言っていたってことは、これは計画的じゃない?
いや、でも…美華父が…
…
えー…
頭がおかしくなりそう…
続く。




