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長谷川 千歳(札束で頬を叩くしか取り柄がないらしい人)の休日。

Side 長谷川 千歳


=現実時間、夜中・アーティファクトのジオラマ内(内部は現在朝)=


アホ毛が立ってる長い緑髪をお下げにして眼鏡を掛けた線の細い少年、自称「札束で頬を叩くしか出来ない男」、長谷川 千歳。


長谷川 千歳は谷村 亮太郎から貸し出されたアーティファクト、テンプレートリゾート施設内にいた。

普段はUSBメモリでスイッチを押すと透明な球体に収まったジオラマが出現する凝ったギミック付き。

そのジオラマ内に重要書類を持ち込んで整理している。


現実時間と比べて時間の流れが違うため、専用の時計を彼方此方に設置している。

他にも魔法技術を応用しまくって現代と変わらない生活が送れる。

ジオラマ内は南国のリゾート、バカンス施設みたいな場所で気候も調整されている。


ジオラマ内の移動は昔購入した外国製の車を使っている。

真っ赤なスーパーカー。

 フェラーリ社製の最新モデル。アメコミのスーパーヒーローやカーアクション映画の主役が使ってそうな車でフロントドアの開け方からしてカッコいい。殆どでデザインを見て決めた。

 それを闇乃 影司と谷村 亮太郎の力でカスタムしたモデル。

性能は昔のスパイ映画に出てくるスーパーカーを凌駕していて、操縦性は快適その物。


それを見た相方の佐伯 美津子にも車やバイクをプレゼント。

なんだかんだでスーパーカーやバイクに憧れていたらしく、強請られたので二人にお願いした。


その流れでガーディアンズの北川 舞、メイド喫茶ストレンジの毒島 リンカも依頼。

亮太郎、影司の二人とも今は色々と忙しいので順番待ちと言う形になった。

将来二人はセレブ向けにスーパーカーやバイク作って一財産築けるだろう。

将来の選択肢が多いのは良い事だ。



 =ジオラマ内、朝・ビーチにて=


気候はすこしだけ熱めだが過ごしやすい快適な温度だ。

この辺りにも職人技が感じられる。


ジオラマ内の屋敷で仕事を終え、駐車場に愛車の真っ赤なフェラーリ社製の車を停めてUSBメモリに変換。わざわざ駐車場内のラインに停めてから変換するのは日本人ゆえの性だろうか。

車を仕舞った千歳は軽く白い上着を羽織った水着姿でビーチに足を進める。

太腿が覆われたトランクス、ボクサータイプの水着だ。

線が細く、女性っぽい華奢な体つきであり、本人はわりかし気にしている。


(美津子のやつ、すっかり寛いでるな)


ビーチに建てられたコテージの屋根の下ではセクシーかつ露出度多めな水着を着た佐伯 美津子が白いビーチチェアで横になっている。

元陸上自衛官で背もあり、体付きもアスリート系で腹筋割れている赤毛の美女、後頭部にシニヨン(お団子状に括った髪の毛)を作ってるのが特徴だ。

赤いV字の布面積が狭いブラジル水着がよく似合っている。

此方をジロジロと見つめながらやらしい笑みを浮かべている。


ここには美津子と千歳と後一人しかいない。

他は全員魔導式のゴーレム。

もう1人の黒髪褐色肌の筋肉娘の女の子は浜辺で無邪気にはしゃいでいる。(こっちは黒の露出度多めの水着姿だ)


「仕事は終わったの? ダーリン?」


「まあな。衣装は過激なのは誘ってると見ていいんだな?」


「今から3Pでもするの?」


 さっそく美津子がぶっ込んで来る。

 お互いそう言う仲だ。

 こう言う会話もする。


「気持ちいいんだろうけど、ティナがどう思うか」


女を買ってそう言う事をした事はある。

気持ち良かったが頻繁にやるもんでもない。

それに浜辺で遊んでるあの子、ティナがどう思うかが問題だ。


「でもティナとも性〇隷〇約してんでしょ? 私にやったみたいにさ」


「まあな」


借金とか家族とか色々人質にとって実質、性〇隷〇約を結ばせた。美津子も同じような感じで契約した。

現代の日本の法律では奴〇契約は禁止だが、あれこれ工夫して相手を選べばそれに近い状態には出来る。

今ではその事に千歳は負い目を感じている。


「ティナが言うには、タイの貧困は日本の貧困に比べれば酷いもんらしい。もっともそれを上に行く国は幾つもあるらしいが」


 軽く調べたがタイの貧困は日本の貧困の上を行く。

 それでも世界全体から見ればまだマシなレベルであるが。

 酷いレベルになると、人間として死ねるだけマシだとかそう言う次元になってくる。千歳は調べて後悔した。


「だからって君のした事は許されるもんじゃないから。好きなだけお金稼いで、女は作ってもいいけど、責任は必ず取りなさい」


と、キツく言うが世の中は善悪の二元論で割り切れない事は美津子も分かっている。


「ああ」(ハーレムって大変だな)


ハーレムに憧れる男子は多いが、当然の事だがその人数分だけ女子と相手しなければならない。

金だけの問題ではなく、精神的にも体力的にも保たなくなる。

手っ取り早く谷村 亮太郎に頼んで、異世界でトレーニングつけて貰うのもいいかもしれない。

昨今のWEB小説の流行りみたいにダンジョンでも作って貰ったほうが早いかもとも考える。


「やっと仕事終わったんだね、チトセ」


と、ここで黒髪の褐色肌、大きな瞳の可愛らしい女の子、ティナが寄ってくる。

体付きはアスリート系、胸は大きめ。

四肢は筋肉でややボリュームがあり、首も太め、腹筋も割れている。

小さい頃から格闘具やっていて今も格闘技選手やっているのでこう言う体付きになった。

黒のビキニを身に着けているが光り加減とか肌の色の都合で色々とエロく見えた。狙ってやってるのだろうか。


「前回の事件大変だったからな。その前の事件の処理とかもまだ落ち着いてない」


「自分の事、悪徳貴族だって言ってる割にはチトセってば、働いてばっかり」


「自分でも未だに驚いてる。金を稼ぐだけだったなら楽だったんだがな」


 実際、長谷川 千歳だけが何不自由なく生きる事だけを考えれば今みたいに寝る間を惜しんで苦労などしない。タワマンの一室で自堕落に生活していただろう。

 だが火災に遭ったり、刺されたり、襲撃食らったり、色々な事を経験した。

 そうして学んだ事は自分さえ良ければいい、金さえあれば何でも出来るは度が過ぎれば己自身を殺してしまうと言う教訓だった。

 それにアンゴルモアや侵略者達の事もある。貨幣経済が崩壊した世界で経済をする苦労はしたくなかった。


「仕事終わったんなら海で遊ぼ? 色々と持ってきてるからさ」


「あ、ああ」


 と、ティナに腕を引っ張られて浜辺の方に引き寄せられる。

 美津子は「いってらっしゃーい。私は遠くで見学してるから」と微笑ましそうに見学するつもりのようだ。

 録画するつもりなのかスマホを向けていた。

 特に咎めるつもりはなく(まあ、これぐらいならいいか)と苦笑する。



 ティナはまだ十代半ばながら格闘技団体の選手だ。

 幼い頃から色々無茶して体にガタが来ていたが、谷村 亮太郎や闇乃 影司に頼んで体のメンテナンスをしたら、体が全快した上にとんでもないパワーアップを遂げた。

 谷村 亮太郎や影司曰く、これでも加減した。人間の範疇に留まる様にセーフした。などと言っていた。

 元から体力お化けだったが、より進化して超人の域に達している。

 付き合う千歳も一苦労だ。


「俺も体のメンテしてもらった方がいいかな……」


 ゼェゼェと汗だくになりながらビーチ―ボールを海面に落とす。

 海面と表記しているが実際は魔法で疑似的に再現された海だ。

 浄化魔法とかも常時掛かっているので本物の海より清潔であるらしい。

 

「本当に体弱いねチトセ、もっと体鍛えた方がいいよ?」


「真剣に考えとく」

 

 大枚積んで谷村 亮太郎に異世界ユグドでパワーレベリングしてもらうのがいいかもしれない。

 同じ異世界と言ってもリブラリアはそう言うシステムではないのだろう。

 そうであればとっくの昔に千歳達は日本政府に殺されている筈だからだ。

 谷村 亮太郎や藤崎 シノブが突然変異の化け物だったと言う可能性もあるが、彼達の異世界の仲間達も同じぐらいの実力者らしいのでその線は低い。

 

「休憩したらその……Hするの?」


 顔を赤らめて緊張感を含ませながら訪ねるティナ。


「いいのか?」


 同じように千歳はドキドキしながら返す。


「うん。そのつもりで来たから。こんな素敵な夢みたい場所を紹介してくれて、ここで抱かれるならいいかなって思って」


「ああ」(何か断り辛いムードだな。恨むぜ、昔の自分)


 千歳は頭を抱える。

 美津子と三人でする流れになるだろうが。

 まるで頭の悪いエロ漫画だか、エロ同人みたいな話だ。


「ここって一日の時間の流れ、遅いんでしょ? だからその」


「分かった分かった。契約の内容に基づいて抱かせてくれ、抱きたい。一日中だ。泣いても逃さないからな? しかも3Pだ? いいな?」


「う、うん」


 目尻に涙を浮かべて嬉しそうだ。

 千歳は罪悪感たっぷりにため息をつく。


「普通ここって頬を思いっきりぶっ叩く場面だろうに……」 

 

「そ、その分ベッドの上でヒィヒィ言わせるから」


「女の子が言っていい台詞じゃねえぞ……人生の選択間違えたな。二週目あれば真面目に生きよ」


 何処か外国の、一夫多妻制がある国に移住でも考えようかとも考える。

 法律云々で犯罪者扱いされてもエグイ話だが、金を出せば解決する話だ。

 世間の風評は最悪になるだろうが。

 

「腹を括ろうか……」


 千歳はオフィスの寝室に向かう。

 その前に美津子を呼んで置くことを忘れない。

 三日ぐらい疲れでぶっ潰れるかもしれないが、三日ぶっ潰れる時間もある。

 今が夢のような時間なのだ。


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