もう一度エルフの護符
「ドワーフ王国と繋がってた。」
「は?」詩織と理沙は固まった。
「あんた、説明が雑!」理沙姉が言う。
「理沙様、境森が次元断層で、ドワーフの王国と繋がっています。」シャイナが補足説明をする。
「ドワーフ王国?」
「はい、理沙様。」
「はぁ、それはいるか。」理沙がため息をつく。
「ははは、エルフのシャイナが此処にいるんだものねぇ。」詩織もカウンターにうっぷす。
「で、明日、もう一度会いに来いと言われた。」涼音は、シュワの前にトロールやオークの封魔石を転がしながら言う。
「え~っと、何でかな?」理沙が言う。
「食べて良いのですか?」
「良いよ。」
「では、いただきます!」ポリポリと良い音をさせながら、シュワは封魔石を食べる。
「今、シュワが食べている魔物を狩ったから?」
「何で疑問形なのよ?」理沙が怒りながら言う。
「剣をくれると言ったけど、しー姉から貰った刀を見せたら、明日来いと言われたの。」涼音が答える。
「ドワーフかぁ。」
「何か問題が?」
「・・・無いよ、多分。」詩織が言う。
「無いね。」理沙も言う。
「で、あたしはこのまま会いに行けば良いのかな?」
「良いんじゃないかな。」詩織が言う。
「うん、良いと思う。」理沙も同意する。
「うにゃ!」シュワが変な声をあげた。
「うにゃー、なにこれ?」シュワはレオ種に進化していた。
「お~、進化した。」しー姉がカウンターにうっぷしたまま言う。
「涼音は、敵にゃ!」
「おぉ、元に戻った?」涼音が思うが
「んにゃぁ!」
「あれ、変な風に変わった?」涼音が驚愕する。
「ふぎゃぁぁぁぁぁ。」シュワが涼音に飛び掛かる。
「お座り!」涼音が言う。
ずさぁぁぁ。
シュワがその場で土下座する。
「うん、一応帰って来たね。」涼音がにっこり微笑む。
「ぐぬぬ、涼音に頭を下げているのは屈辱です。」
「シュワ、それがデフォだよ。」
「ぐぬぬ。」
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開けて、次の日の森の入り口には、涼音のクラスの全員が待機していた。
「皆さま、お早うございます。」シャイナがスカートを摘まみ挨拶する。
「「「「「お早うございます!」」」」」
「なんだろうこのデジャブ。」
「今日も、森に入る為のアイテムを作るために、森に入ると言う、矛盾した行為を執り行います。」
「ははは、今更だよな。」
そして、涼音のクラスの生徒たちは100個近いエルフの護符を作った。
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涼音たちの部屋の前には凄い行列が出来ている。
「今日は、20分位もつかな。」涼音が言う。
「持つと良いね。」桃花が嫌そうに言う。
「エルフの護符、パ無い!」
「お一人様一つ、しかし、森に入るのは自己責任です。 それを理解してお求めください、この護符で如何なる不具合があっても、私達は一切関知いたしません。」委員長が並んだ人たちに口上を述べる。
「がはは、分かった、一つだけは売ってくれるんだな。」
「はい。」
「と、言いう事だ、お前ら全員買え。」
「了。」
その男に続いた4人が護符を買う。
「あ~、そのまま森に行くのは、進めないよ。」涼音が言う。
「ほぉ、何故だ?」
「貴方たちは、森に入れるレベルじゃないから。」
「成程。」
「申し訳ないけど、貴方たちでは始森までだよ。」
「何故だ?」
「レベルが低いから。」
「ほぅ。」
「お前には、私のレベルが見えるのか?」
「うん、兵士レベル10。」
「な!」
「後ろの人達は、兵士レベル5から7、始森ならどこでも行ける。」
「おぉ。」
「でも、それ以上潜ったら戻ってこれない。」
「成程。」
「解ったなら、良いよ。」
「たかが学生の女に、そこまで言われるとわなぁ!」その男が涼音に向けて突進する。
「隊長!」
「お気を確かに!」
「このガキ!」
「あんた、隊長の資格無いねぇ。」涼音はそう言うと、回避の腕輪の力でその突撃をすり抜ける。
「なぁ。」その男は、そのまま壁に激突した。
そして、そのまま気絶した。
「貴方たち、こんなのが上司でたいへんだね。」涼音が部下の男たちに言う。
「いえ、自分達は大丈夫です。」
「森さんが、自衛官を辞めたのが良く判るよ。」
「森元陸佐をご存じですか?」
「うん、知ってる。」
「失礼いたしました!」其処にいた全員が涼音に敬礼する。
「もしかして、またその季節なの?」
「はい、そうであります。」
「・・・そう、頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
「あぁ、それ持って帰ってね。」涼音は壁の所で伸びている者を指さす。
「はい、仰せのままに。」
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エルフの護符は今回も1時間で完売した。
「んじゃ、シャイナはこのまま道楽亭へ。」
「解りました。」
「そう言えば、今日は白魔族が答えを持ってくる日だね。」
「あぁ、そうでしたね。」
「はぁ、憂鬱。」
「何故ですか?」
「違う種族との交渉は、理沙姉たちがやったくれるけど。」
「?」
「その後の実行は、私に丸投げされるから。」
「あぁ、それはそれは。」
「シャイナも他人事なんだ。」
「私は、この森の守護者じゃありませんので。」
「あぁ、其れもそうか。」涼音は遠い目をしてそれを受け止めた。




