境森の向こうで
「とりあえず、境森まで行って、そこから繋がるはず。」涼音が言う。
「まだ、圏内だね。」そう言いながら理沙が携帯を操作する。
「しかし、涼音、まだ学校指定のジャージなんだ?」真紀が言う。
「う~ん、しっくりくる忍者装束が無くて。」
「でも、今回はそれじゃまずいね。」
「そうだよね。」
「とりあえず、これを装備しとけ。」真紀が涼音に胸当てを渡す。
「これは?」
「あたしが普段付けてる奴だ。」
「ねぇ、真紀姉、フラグ?」
「え?」
「これをあたしが付けたら、真紀姉が死んじゃうって?」
「ははは、ないない。」そう言いながら真紀が装備を変える。
「真紀姉?」
「大丈夫だ、見て。」真紀がウインクしながら涼音に言う。
真紀の胸部には、頑強な胸鎧があった。
「黒龍様に刺さった程度の針なら、これで楽勝。」
「おぉ。」
「その胸当ても、あの程度の攻撃なら、問題なく弾く!」
「判った、ありがとう真紀姉。」そう言いながら、涼音はジャージを脱いで、胸当てをつけ、その上からジャージを着た。
「ちょっと、あんたら何で着いてくるの?」理沙姉が後ろを振り返って言う。
「え?いや、帰れって言われなかかったので。」シュワが答える。
「桃花、今回はやばいって。」涼音が桃花に言う。
「ん~。神威は通用しない。」詩織がぼそりという。
「と、言うか、今回は邪魔?」真紀が言う。
「桃花、シュワ、今回はここで帰ろう。」涼音が言う。
「次が有るって事で良いんだよね。」桃花が叫ぶ。
「ははは、桃花、あたしらが死ぬ前提?」涼音が言う。
「いや、だって。」桃花が涙を浮かべながら言う。
「しー姉、あたしら死亡認定されてるっぽいんだけど。」涼音が詩織に言う。
「ん~、桃花、帰ったら教育してあげる。」詩織が言う。
「ははは、桃花、私も帰れたら色々叩きこんであげるよ。」理沙も併せて言う。
「なんで、皆して死亡フラグっぽい事言うんですか!」桃花が叫ぶ。
「桃花、お約束?」涼音がにっこりとほほ笑んで、サムズアップする。
「涼音。」
「ん?」
「私、どんな顔をすればいいのか解らないよ。」
「笑えばいいと思うよ。」
「涼音。」
「なに?」
「それ、パクリ。」
「ここで言うかぁ!」
「ほら、涼音、行くよ。」理沙が言う。
「はい、理沙姉。」
「と、言う事だから、あんたらは道楽亭で待ってて。」涼音が言う。
「でも。」桃花が言う。
「もっと力を付けたら、隣にいてほしい。」涼音が言う。
「つぅ。」
「でも、今は。」
「・・」
「足手まとい。」
「うぅ!」桃花がその場で崩れ落ちる。
「ごめんね桃花。」そう言った涼音の気配が消える。
「あぁ、本当に今の私じゃダメなんだ。」桃花は森を見つめて言う。
「桃花さん?」シュワが桃花を呼ぶ。
「うん、帰ろう、そして高みを目指そう!」
「え?桃花さん?」シュワが言う。
「うん、何でもない、帰ろう。」
「え? はい判りました。」シュワが答えるが桃花はそれを冷静に受け止めた。
「さて、ここを超えたら魔族の世界と繋がる?」理沙が言う。
「まぁ、行くしかないよね。詩織が答える。
「ちゃい、ちゃいって、片付けようよ。」真紀が言う。
「あたしは、ここから消えるから。」涼音が言う。
そして、涼音の存在が消える。
「理沙殿。」ハイベルトが声をかける。
「理沙様。」セルフィーも同じように声をかける。
「あぁ、お見送り感謝します。」理沙が言う。
「魔族のことは、あたしらに任せて。」詩織が言う。
「力になれなくてすまない!」
「私達にもっと力があれば。」
「あたし達が、抑制力が有ったってだけだよ。」理沙が言う。
「まぁ、今回はくじ運が悪かった?」詩織が言う。
「その時、一番力がある種族が対処するっって事だから。」真紀が言う。
「んじゃ、行こうか!」理沙が言う。
「おぉ、理沙姉かっこ良い。」詩織が言う。
そして、そこに潜る。
「あそこが元凶?」詩織が言う。
「任せて。」真紀がそこに跳ぶ。
「くははは、我を無視してそこを潰すか?」魔族が真紀を阻もうとする。
「させない!」詩織が魔族に攻撃する。
「こっちを見ろ!」理沙が最大級の魔法を飛ばす。
「おぉ、我の攻撃をいなすか!」魔族が楽しそうに言う。
理沙姉たちの攻撃は魔族に相殺される。
「フハハハハハ、死ね、下等な人族よ。」
「させないよ!」涼音の声が聞こえた。
魔族の足の腱が断裂する、
「クハぁ。」
「今出来る事をやる!」涼音の声が聞こえる。
そこにいた魔族の四股が四散する。
涼音は足の腱だけでなく、魔族の全ての腱を断裂していた。
「何が起きた?」洞窟の天井を見ながら魔族が思う。
「悪いけど、あんたの手足を使えなくした。」
「なんと?」
「で、これで王手。」そう言いながら涼音が魔族の額に忍者刀を落とす。
「くは。」その魔族の命が終わる。
「あっけない。」詩織が言う。
「こっちも終わった。」魔族の国と繋がった場所を封印して真紀が笑いながら言う。
しかし、魔族の身体は消滅しない。
「まだ終らないみたいだね。」理沙が言う。
「え?」涼音がそう答えたとき、魔族の身体が爆ぜた。
「なぁ。」
「何これ?」涼音が言う
「やってられない!」詩織が言う。
そこに現れた、魔族の影。
「これが本体か!」
「くははは、実態を消滅させられたのは数百年ぶりだ。」魔族の影が言う。
「あ~、魔族の影に会うのは久しぶりだねぇ。」理沙が言う。
「な、お前たちは影の魔族を知っているのか?」
「昔、何体も屠った。」詩織があくびをしながら言う。
「大丈夫ですよぉ、私達は、それの滅し方もちゃんと覚えていますから。」真紀がにっこりとほほ笑んで言う。
「な。」
「ちゃんと、消滅させてあげますから、心配しないで良いですよ。」真紀が笑顔で答える。
「なあ、お前たちは何者だ?」魔族が問う。
「ふふふ、あなたが敵対した。」理沙が答える。
「ただの人間。」詩織が良い顔で言う。
「もっと、脅威になると思ったけど、あてが外れた。」真紀が香ばしいポーズで言う。
「姉さんたちが壊れた?」涼音がその場にしゃがんで言う。
「ふふふ、とりあえず排除が先。」理沙が何かの陣を描く。
「そして、そこへの誘引!」詩織が陣を上書きする。
「くわぁぁぁ、魂がひかれる!」
「大丈夫、ちゃんと滅してあげる。」真紀が本当にいい顔で言う。




