そして、淡々と
「こんなに浅いダンジョンに、黒龍が出るのか。」理沙が言う。
「森がおかしくなってるよね。」詩織が答える。
「もう私達の管理を離れてきてない?」真紀が何かを感じながら言う。
「最上級の5人、もう要らないかもね。」理沙が言う。
「もう、森を管理できないか。」詩織が微笑みながら言う。
「まぁ、これが終わったら、話し合おう。」真紀が言う。
「姉さんたちが、やば目なこと言ってますにゃ。」
「聞こえない、私、何も聞いてない。」
「桃花さんは、時代の節目に立ち会ってるんですにゃ。」
「なんでシュワさんは冷静なの?」
「え? 私は森の一部ですからにゃ。」
「え?」
「森の意思に従うだけですにゃ。」
「え? シュワさんはシュワさんだよね?」
「は? いや、そうですにゃ」
「ちょ、やめて、フラグいっぱい立てるの。」
「え? 何のことにゃ?」
「嫌だから!」
「え? 何がにゃ?」
「誰も居なくならないで欲しい。」
「桃花さんがそう願うなら、そうなりますにゃ。」
「本当に?」
暫くして、一行は涼音が決死の封印を行った場所に着いた。
「あぁ、涼音、こんな拙い物でよく頑張ったね。」真紀がそう言いながら爆砕堅牢牢を涼音から引き継ぐ。
「シー姉、装備はよろしく。」真紀は詩織に向かって言う。
「ん~、おけ!」そう言うと詩織は、その場所に拾った枝で魔法陣を書き始める。
「ここに有った物だから、簡易で良いかな~。」そう言いながら複雑な魔法陣をそこに書き始める。
「一応、黒龍封じの陣を展開しようか。」理沙がそう言いながら、周りに大きな魔法陣を描き始める。」
「私、お邪魔虫?」
「桃花さんは、こっちの隅っこで一部始終を記憶して下さい。」シュワが桃花をその部屋の隅に連れていく。
「ふぇ? 私、何をすれば?」
「何もしなくて良いですにゃ。」
「え?」
「此処に、桃花さんが出来ることはないです。」
「え?」
「因みに、私もですにゃ。」シュワが肩を落として言う。
「完全回復(別名なかった事に)!」
「装備回復陣!」真紀と詩織が同時に唱える。
その陣の中には、いつもの装備をした涼音が横たわっていた。
「あ、ぐ。」涼音が声を上げる
「涼音、起きろ。」理沙が言う。
「あ、え?理沙姉?」
「お帰りー、涼音、よく頑張ったね。」真紀が涼音の頭を撫でる。
「ま、真紀姉?」
「うん、あたしだよ。」
「まったく、こんな物を一人で抑え込むとか、止めてよね。」
「理沙姉。」
「あんたでは無理!」
「あぁ、しー姉、御免。」
「問題ない!」
「他の皆は?」
「涼音、私達は無事だよ。」
「桃花、良かった。」涼音が桃花の声に気付き、桃花を見て言う。
「あぁ、良かった~。」そしてそのまま其処にへたり込む。
「涼音!」桃花が涼音に駆け寄る。
「桃花、涼音を引きずって行って。」理沙が言う。
「はい。」
「いや、はいじゃなくて。」涼音が突っ込む。
「シュワさん、手伝って!」
「はいにゃ。」シュワが駆け寄ってきて、涼音の足を持つ。
「行くよ。」桃花は涼音の上半身を抱えて言う。
「今なら涼音を狩れるにゃ!」
「そういうの良いから、早く!」
「にゃー、桃花が怖い!」そう言いながらも、シュワは桃花に続く。
涼音達が、安全な場所に退避したのを見て、理沙が言う。
「さて、黒龍様と対話するかぁ。」
「自分の立場を解ってくれると良いねぇ。」
「クスクス、尻尾の先からむしってやれば理解する。」
「詩織、怖いこと言わないで。出来るけど。」
「あはは、真紀も怖いこと言ってる。」
「理沙姉、漫才は良いから。」
「ほーい、んじゃ、少しだけ拘束を解くよ。」
「ん。」
「ぐはぁ、我を害する者は誰だ。」
「おぉ、意識を取りもどした?」理沙が言う。
「先ほどの者とは違うな?」
「違うけど、貴方を封じたのは貴方が知っているもの。」
「我を封じたか。」
「えぇ、事実。」
「ふふふ、素晴らしい!」
「おぉ、判ってくれるかな?」
「ふふふ、我を封じられる能力、我が僕にふさわしい!」
「はぁ?」
「なんだ、我が僕になれるのだぞ、誇ってよいではないか。」
「あんた、自分が封じられてる自覚ある?」
「あ、このような封印など。」黒龍が動こうとするが、指一つ動かせない事に気付く。
「なぁ。」
「理解できた?」
「な、我を拘束しただと?」
「えぇ、そうだけど。」
「がぁ、動けん。」
「だから、封じたって言ってるよね。」
「な!」
「あんたの生殺与奪はあたしの手の中って事を理解しようか?」理沙がにっこりと微笑んで言う。
「な、我は黒龍だ!」
「だから、なに?」
「我は、我は・・・」
「だから、何?」
「ごめんなさい。」
「おぉ、理解が早くて助かるよ。」理沙がにっこりと微笑んで言う。
「理沙の地獄の微笑み発動したよ。」
「あはは、シー姉、ビビりすぎ。」
「真紀も震えてるじゃん。」
「あはは、仕方ないですよ。」
「では、黒龍さん、色々聞かせて貰おうかな?」理沙が言う。
「は、はは、はい、仰せのままに。」
「おぉ、結構!」理沙が破顔しながら言う。
そこにいた全員が凍り付いた。
「理沙さん達怖い。」
「そりゃぁ、最上級の5人なんて冠が就てますからね。」
「涼音も大概だけど、それ以上だよね!」
「否定できないですにゃ~。」
「シュワさんて、いつも通常運転だよね。」
「それが取り柄ですにゃ!」




