シャイナの村で続
今回ちょっと短めです。
「ちょ、待ちなさい!」詩織が涼音の手を止める。
「涼音、エルフと戦争するつもり?」
「え?そんなつもりないよ。」
「そう?」
「そんな事したら、あたし達が蹂躙して終わるの、しー姉も解ってるよね。」
「いや、聞いてみただけ。」
「さて、桃花、あたしの声が聞こえたら、神威をする!」
(はえ?神威?)
荒れ狂う思考の渦の中で詩織が桃花に言う。
「神威を纏い天の鈿女を舞いなさい。」
「はい~~。」
「神威。」
「天の鈿女」
「おほほほ。」
「流石、しー姉作の巫女服だ。脱がないね。」残念な顔をしながら涼音が言う。
巫女装束のまま、桃花は神に奉納する踊りを踊る。
エルフの羽衣も、その踊りに鼓舞するように桃花の周りを舞う。
「綺麗なもんだねぇ。」詩織がその舞を見て言う。
「全裸だと、破壊力凄かったよ!」
「なにそれ、あたしも見たい!」
「え~、しー姉が巫女服あげちゃったから、無理じゃね?」
「くっそ、没収するか。」
「いや、やめてあげて。マジで精神を侵食してたから。」
「もう少し仲良くなったら、お風呂に誘って、そこで舞ってもらうか。」
「え?しー姉、その時はあたしも呼んで!」
「解った!」
「決定事項なんだ。」
「勿論!」
「桃花、ファイト!」
「これは、見事な物です!」セルフィーや周りのエルフがうっとりと見つめている。
そして、桃花が舞を終える。
「素晴らしい!」
「見事です!」
「こ、これは、一生の宝です!」エルフ達が賞賛する。
「桃花、どう?」詩織が聞く。
「はい、制御出来ました!」
「よかった。」
「エルフの里を滅ぼさなくて済んだね、しー姉。」
「そうだね。」
「ちょ、二人とも怖い事言わないで!」
「桃花がそれを制御できなかったら、躊躇なくそうしたよ。」
「私、エルフの村を守ったって事?」
「発端もエルフ達だから、どうなんだろうね?」
「でも、実物を見れたからあたしは満足。」
「しー姉がそう言うなら、あたしも異議は唱えないよ。」
「セルフィー様、桃花の加護はどうするんですか?」
「涼音様、先程の舞で私達の加護を取り込まれております。」
「今、桃花様を害することは、物理、魔法、その他すべてが害した者に帰るでしょう!」
「何それ、怖い。」
「くっ、桃花にデコピンが入れられない!」
「しー姉、諦めよう。」
「む~、仕方ない。一個貸し。」詩織がポケットから小さいノートを取り出して、何かをメモする。
「桃花、あんた、しー姉に一個借り作ったよ。」
「え?なにそれ?」
「ちゃんと返さないと、酷い事になるよ。」
「え?ど、どんな?」
「しー姉の装備が外れなくなり、更に装備した者にじわじわとダメージを与える。」
「え?地味に嫌!」
「それだけじゃないよ、生命力0にして死亡判定にした後、全回復してもう一度同じダメージをじわじわと。」
「それ、永久に続きそうなんだけど。」
「永久に続くよ。」
「なにそれ。悪魔?」
「あー、しー姉にはそれ誉め言葉かな。」
「詩織さんて、何者?」
「最上級の5人の一人。」
「いや、それは知ってるけど。」
「面白い事があったら、それをとことん追求する人だよ。」
「あたしは、好き。かな。」
「何となくわかるよ。」
「んじゃ、帰ろうか?」詩織が言う。
「あの、セルフィー様。」
「何でしょう、桃花様。」
「この羽衣って、常時纏っていないと駄目なんですか?」
「いえいえ、そんなことは無いですよ。」
「不要な時は、その身の、たとえばポケットに納めてください。」
「そんなんで良いんですか?」
「貴方に危険が迫れば、自動で貴女に纏い、貴方をお守りするでしょう。」
「解りました。ありがとうございます。」
「いえ、此方こそ、私達の秘宝、よろしくお願いいたします。」セルフィーが深々と頭を下げる。
「では、失礼いたします。」詩織が礼をして、オレンジ色に光る陣に足を踏み入れる。
「では、これで。」
「あの、ありがとうございました。」涼音と桃花も同じように陣に入った。
「セルフィー様、私にはいまだに信じられません。」
「私もですよ。」
「彼のお方たちは本当に計り知れないのですね。」
「ふふふ、シャイナが彼方に入り浸るのも解るような気がします。」
「それに、あの甘味!」
「え?かんみとは?」
「な、何でもありません。」セルフィーは平静を装うと、奥の部屋に消えて行った。
残ったエルフは、セルフィーに礼をとった。
「いよいよ桃花の無双が確定したね。」
「え?何それ?」
「今、桃花に一撃入れられるのは、あたしとしー姉と理沙姉と真紀姉だけだよ。」
「ちょ、あんたらに攻撃受けたら、私死んじゃうよね!」
「もちろん。」
「ちょ、良い顔で笑わないで!」
「痛みは感じないから、多分!」
「涼音、目が怖いよ!」
「大丈夫、しー姉の借りを返すまでは、何もしないから。」
「何それ!」
「真っ裸で神威。天の鈿女!」
「絶対にやだ!」
「ちゃんと高画質で保存するから。」
「やだ!」
「え~、でも、もうしー姉の装備の巫女服、脱げなくない?」
「え、げ、まじで?」
「諦めちゃえ。」
「涼音、あたし達、友達だよね。」
「うん、そうだよ。」
「ちょ、良い顔で返さないで!」
「さて、SDカードを買いに行こうかな。」
「涼音ー!」
この後桃花さんは屈辱の舞を踊ったとかなんとか。。
それ、凄く見たいの俺だけ?




