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シャイナの村で

店に戻ると、セルフィーが頭を下げながら、詩織に言う。

「私達の至宝も、御前に呈示する用意が整いました。」

「あっそう。今からでもよい?」詩織はあっけらかんと言う。

「はい、問題ありません。」

「では、行きましょうか。」

「どうぞこちらへ。」

「涼音、私も行くの?」

「へ?桃花は行かないつもり?」

「私が行っても良いの?」

「しー姉が直接選んだんだから、良いんだと思うよ。」

「そうなの?」

「諦めて行こう。」

「判った。」

 そう言うと、涼音と桃花はオレンジ色に光る陣に足を踏み入れた。

 ついた先は、背の高い干し草で作られた空間だった。

 気が付くと、床にも干し草が敷き詰められていた。

「うわぁ、本当に自然と共存した生活してるんだ。」桃花が自分の知識と照らし合わせながら思う。

「こちらです。」

 セルフィーがとある扉の前に歩を進める。

 獣魔の森と違い、誰も異議を唱える者はいない。

「どうぞ、こちらへ。」セルフィーが扉を開けながら言う。

「おぉ。」

「これは。」

「凄いです。」

 詩織や涼音、桃花が声をあげる。

「これは触れても?」詩織がセルフィーに問う。

「え?えぇ、どうぞ。」

 詩織はそれに触れると、心からの声をあげる。

「エルフが、数年に一度生えるという霊毛を編み込んだという羽衣。」

「涼音、それって鬼〇郎の霊毛チャンチャンコみたいなやつ?」

「な、桃花、それは言わない約束だよ。」


「はぇ?そ、そうなんだ。」

「へぇ。」桃花がその羽衣に近づくと、羽衣が反応する。

「な?」セルフィーが驚愕する。

「羽衣が里の者以外に反応するのは300年ぶりです。」

「はぇ?」桃花がフリーズする。

 エルフの羽衣は自力で舞い上がると、桃花の肩に舞い降りる。

 そして、まるで風を受けているように桃花の肩で舞った。


「な、あ、私、なんかしちゃった?」

「いえ、桃花様、羽衣は仕える主を自ら選ぶのです。」セルフィーが言う。

「え?仕える主?」

「えぇ、この度の羽衣は、桃花様を主と決めたようです。」

「え?え?あ、私を?」

「えぇ。」セルフィーは膝まづいて言う。

「桃花殿、羽衣の意志に従い、この羽衣をお纏い下さい。」

「え?えっ?」

「凄いね桃花、もう最強レベルの防御が手に入ったね。」

「桃花さん、凄く羨ましい。」

「え~、し~姉は、そのままで最強じゃない。」

「いや、私でも寝ている時は無防備。」

「うそだぁ。あの結界を破れる人はそうそういないよね。」

「て言うか、あの結界を簡単に破れるなら、しー姉の婿さん候補だよね。」

「確かに、私より強い能力をもった男なら、添い遂げても良い。」

「この店のオーナーみたいな?」

「な、なにを、この店のオーナーは理沙だから。」

「え~理沙姉は店主で、オーナーは違うよね。」

「涼音、世の中には知らないほうが良い事もある。」

「え?え~。判った。」

「其れで良い。」

 セルフィーは羽衣を手に取ると、あらためて桃花に羽織らせる。

「え?」

 

 羽衣は神々しく輝き、桃花の身を纏う。

「おぉ~。」

「「すごいねぇ~。」」詩織と涼音が同時に声をあげる。


「この里でも、適合者が出るのは数十年ぶりです。」セルフィーが感慨深げに言う。

「あの、セルフィーさん。」桃花が言う。

「なんでしょう?」

「あ、私、こんな物の対価を払えないですけど。」

「あぁ、それなら大丈夫ですよ。」

「?」

「羽衣が選んだお方には、私達がそれに見合った加護を与えるので。」

「はぇ?エルフの国宝クラスなのですよね。」

「えぇ、だからこそ、その国宝を守っていただくために、対価(加護)を与えるのです。」


「え、え?そんな。」

「桃花、責任重大だねぇ。」にやにやしながら涼音が言う。

「涼音、お願い、助けて。」その桃花の言葉を聞いた瞬間、涼音の心にある火が灯る。

「ダイジョウブ、アタシハ、モモカヲマモルヨ。」

「え?涼音何言ってるの、なんか怖いよ。」

「うあ、今、一瞬、桃花に心を支配されたよ。」

「え?」

「こ、これがエルフの羽衣の能力?」

「周りの存在を自らの身を守るために使役する能力?」涼音がぼそりと言う。


「桃花、短い付き合いだったね。」そう言いながら涼音が去ろうとする。

「ちょ、待って、責任取って。」そう言いながら桃花が涼音の袖を握る。


「だぁ、触るな!」

「涼音酷いよ!」

「その能力ちからは拘束系の禁呪に近いよ!」

「そうだね。」そう言いながら詩織は涼音を羽交い絞めにする。

「ちょ、しー姉放して。」

「ごめん涼音、駄目だ。」

「桃花ぁ。後でデコピン5回決定!」

「え?なにそれ?酷い!」

「桃花、あたしもデコピン5回で許す!」

「え~。詩織さん、酷い!」

「この拘束を解くには、此処にいる全員を滅するしかない!」

「あたしも同意見だよ!」

「え?え~、や、やめて!」

「桃花が自分で発動を制御出来ればそうしなくて済む!」

「え?え~?」

「無理っぽそうだから、デコピン覚悟して!」

「それで済むなら安いね!」

「でも、あたし、最大限に肉体強化してデコピンするよ。」

「涼音、気が合う。私も指先と身体強化maxでデコピンを見舞う!」

「ちょ、二人とも冷静になって!」

「「あたしは冷静だ!」」


「あの、お二方、冷静になってくださいまし。」セルフィーが言う。

「せ、セルフィーさん、この羽衣凄くやばいやつです。」涼音が言う。

「この羽衣を守るために、回りの者に強制力を発動する!」詩織も言う。


「本来なら封印されるべきもの。」

「羽衣に選ばれたものが、羽衣を制御できなければ人類にとっての厄災。」詩織が言う。


「桃花。あんたがその力を制御できないなら、あたしが引導を渡してあげるから。」涼音が忍者刀を抜きながら言う。


「おぉ、桃花、マジで覚醒したね。」

「す、涼音、あたしたち友達だよね。」

「え?え~、あ~うん、そう。かな?」

「何?その歯切れの悪くて間延びした返事!」

「いや、羽衣の影響力マジでやばいから!」

「え?そうなの?」

「桃花が制御できなければ、エルフと全面戦争必死だから。」

「なにそれ?」

「そんだけやばい物なんだよ!」

「どうしてそんなものの所に私を連れて行ったの?」

「しー姉の判断だから。あたし知らない。」

「ちょ、涼音、見捨てないでよ。」

「出来る限りのことはするよぉ。」

「う、う。凄く不安。。。」



新しいストーリー始めました。

痛快な話になればいいなと思います。

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