その森へ
お~。
なんか順調に更新できてるぞ。
涼音と桃花は森に向かった。
「ねぇ、この格好で街中歩くの、すっごく恥ずかしいんだけど。」
桃花が顔を真っ赤にして言う。
「堂々としてれば、誰も気にしないよ。」と言う涼音は、何時ものように学校指定のジャージ姿だ。
「ジャージ姿の女の子と、巫女姿の女の子って不自然だよね。」
「メイド服のナーガがいるからコスプレって思われてるよ、きっと。」
「童は主の思うままの衣装を着るのじゃ。」ナーガは、スカートの裾をつまみ、くるりと回転する。
「そういえば、桃花、ナーガ平気になったの?」
「うん、今は全然怖くないよ。」
「童を怖がっていたのかえ?」
「ごめんね、最初は凄く不気味な感じだった。」
「酷いのじゃ。」
「ごめんなさい。最初は存在自体があり得ない風に感じて。」
「流石、巫女適性があっただけはあるね。」
「ナーガの人化は、普通の人なら何も感じない位高度なのに。」
「えっへんなのじゃ。」
「でも、今は何も感じないよ。」
「そりゃ、巫女レベル10だもん。」
「え?」
「一般職の4倍だからね。」
「なにそれ?」
「桃花、あたしのレベル見える?」
「忍者レベル16?」
「おぉ、見えてるね、他には?」
「保護?見えないよ。」
「んじゃ、保護を解くよ。」
「ふぇ?司祭レベル48?僧侶レベル480って事だよね。」
「うん、そう。巫女も僧侶レベルに相当するから、桃花は僧侶レベル40って事かな。」
「ナーガは龍族レベル56だから、レベル差がそんなにないもんね。」
「だから、怖くなくなったんだ。」
「巫女が開花してないときに、それを感じるんだから、やっぱり桃花、適性凄くあったんだね。」
「えへへ、なんかこしょばい。」
「いやぁ、才能でしょ、凄いと思うよ。」
「涼音に言われると、嫌みに聞こえるけど。」
「え?なんで?」
「涼音、自分のチート解ってないの?」
「え?あたし?姉さんたちに比べたらあたしなんか、駄目駄目だよ。」
「いや、最上級の5人の一人でしょ、自覚しようよ。」
「あたしなんか、姉さんたちの足元にも及ばないよ。」
「町を一瞬で破壊できる力を持った怪物が、謙遜すると嫌み以外なんでもないよ。」
「だって、姉さん達なら、痛みも感じないまま半径100km位を廃墟に出来るけど、あたしはせいぜい50kmぐらいだから。」
「涼音、あんた、感覚変だよ。」
「え?なんで?」
「二回目だね。それ。」
「まず、町を廃墟に出来るのが駄目ってわかる?」
「うん、そだね、廃墟にしちゃだめだよね。」
「違うから。」
「ん?」
「廃墟に出来るのが、異常。」
「え?そなの?」
「普通の人は、できません。」
「え?今の桃花なら出来るよね。」
「え?そうなの?」
「って、そうじゃない。廃墟云々じゃなくて、それだけ能力があるって事でしょ。」
「自覚しないと駄目でしょ。」
「あー、そう言う事か。」
「桃花。」
「何?」
「何年最上級の5人って呼ばれてると思う?」
「え?わかんない。」
「自覚してるから、任せろ。」
「え。あ?ごめん。偉そうに。」
「いいよ、ありがと、桃花。」
そんな事を話していると、森の入り口に着いた、
「桃花、保護できる?」
「やってみる。」
「保護。」
「出来たみたい。」
「上出来、それを維持してね。」
「判った。」
涼音はあえて、保護を消した。
森の獣魔たちは、涼音の存在を恐れて姿を見せなくなる。
そして、3人は境森まで、獣魔の干渉なくたどり着いた。
(涼音と一緒なら、キャラさんの森にも普通にたどり着けたんじゃ?)桃花が心で思うが、涼音の言葉で我に返る。
「此処を超えれば、きっとその場所に繋がる。」
「繋がる?」
「森は見たままじゃないから。」
「此処から一歩踏み出せば、本来ならキャラの森に行くはずだけど。」
「今は違う?」
「うん。」
「楽しみなのじゃ」
「じゃ、行くよ。」
「ちょ、心の準備がまだ。」と言ってる傍から違う空間に出た事を感じた。
ある方向から、凄く嫌な波動を感じる。
「あっちか。」涼音はそう言いながらその方向に足を進める。
「楽しみなのじゃ。」ナーガがその後に続く。
「ちょ、ま、待って。」桃花も涼音の後を追った。
少し歩くと、その場所に着いた。
少し先には、誰かが倒れている。
きっとエルフの人だろう。
更に20m程離れた処に、何かの存在を感じる。
「涼音?」桃花が言葉を発したとき、涼音の存在が消えた。
その存在は、桃花に気付き言う。
「我の身体に触れたなら、会話を許そう。」
「はえ?」
「刻限は、今から1分だ。」
「え?1分?」
「それを過ぎたら、そなたの命もらい受ける。」
「んじゃ、これでおk?」その存在の横で涼音がその存在を触って言う。
「な。いつの間に。」
「とりあえず、話は出来るってことで良いかな?」
「ふざけるな。」
「え~。ずるくね?」
「我が、貴様らのような下等な者の言葉を聞くと思ったか?」
「下等じゃと?」
「な、龍族がいるのか。」
「童はそのお方の下僕なのじゃ。」
ナーガが本性を現して言う。
「白龍なんだ。」桃花が驚愕する。
ナーガはその存在に無属性のブレスを吐く。
「うぉ。」その魔族は、防御態勢をとるが、ブレスがその身を襲う。
かなりのダメージを受けた魔族は、自分に回復の魔法を唱えた。
「くふふ、やるなぁ、龍族よ。」
「おぬし、勘違いをしているようじゃが、そこにおわす御方が、ダメージを軽減しているのに気付かなんだか?」
「なんだと?」
涼音がにっこりと微笑む。
「意外と丈夫だね。」
「な、ありえぬ。」そう言って魔族は涼音から距離をとると、桃花に狙いを定める。
「まずお主からじゃ。」
魔族は桃花に突っ込んだ。
「きゃぁ。」桃花がその攻撃に反応して悲鳴をあげる。
しかし、回避の腕輪と桃花が身に付けた巫女衣装の恩恵で、桃花には攻撃が一切通用しない。
「な、何故だ。」
「それ以上は許さぬのじゃ。」
人の姿に戻ったナーガが、桃花の前に出て、言う。
「実力差を感じてくれるとありがたいんだけどなぁ。」涼音がやれやれと言った顔で言う。
「貴様たち、何者だ?」
「人族二人と、龍族一人?」涼音が答える。
「くくく。では死ぬが良い。」
魔族が涼音に魔法を発動する。
「業火!」涼音の周りが炎に包まれる。
「涼音!」桃花が叫ぶが、
「ご主人様なら、平気じゃろぉ。」
「ニワサンスイ!」涼音の周りに水の壁が出来上がり、それが回転しながら周りの炎を一瞬で消す。
「つかえるなぁ、初級魔法。」涼音がニコニコしながら言う。
「いや、もう初級魔法の威力じゃないよね。」桃花があきれて突っ込む。
「くくく、我にこれを抜かせることを誉めてやろう。」
そう言うと、その魔族は腰に有る剣を抜く。
「これを抜いたからには、全員此処で散るのだ。」
「はぁ。」涼音がため息を吐きながらグラビ(重力)の魔法を唱える。
「ぐはぁ。」魔族は地面に縛り付けられる。
涼音は地面に縫い付けられた魔族に近づいて、おでこに人差し指をあてて言う。
「はい、一回死んだ。」
「もう良いなかな?」
魔族が驚愕する。
「お、お前は何だ?」
「え?ただの人族だけど。」
「そ、そのような力がある者が、ただの人族であるはずないだろ!」
「え~、やだなぁ。た・だ・の・人族だよ。」
「わ、判った。話に応じる。」
「それは良かった。」
涼音が重力魔法を解く。
「くはは、かかったな。」魔族が立ち上がりながら涼音に攻撃を放つが、ナーガが魔族にパンチを放つ。
「おぬし、見え見えじゃぞ。」
魔族は十数メートル飛んで、動かなくなっていた。
「ナーガ、手加減して。」
「な、これでも手加減したつもりじゃ。」
「本気で殴ったら、ミンチになっているのじゃ。」
「そっか、じゃぁ良いや。」
「良いんだ。」桃花は突っ込む。
涼音達は魔族の下に向かった。
「とりあえず、重力は消さないでおくか。」
そう言いながら、涼音が魔族に回復呪文を唱える。
「う。」魔族が意識を取り戻す。
「お~、気が付いた?」
「な、動けん。」
「あたしが重力をコントロールして、縛らせてもらってる。」
「くそ、殺せ。屈辱だ。」
「悪いねぇ、殺す気はないから、せいぜい屈辱を味わって。」
「くっ。」
「さて、色々と聞かせてもらうね。」
「話すことなどない。」
「え~、それ系の魔法ってあんまり使いたくないんだけど。」
「苦痛系と喪失系とどっちが好み?」
「まて、何だその選択肢。」
「苦痛系は、すべての指に針を刺す感覚を永遠に味合わせる、喪失系は各指の関節を一個づつ庭バサミで切り落とす感覚を、やっぱり永遠に味合わせる。」
「はぅ。」桃花がそれを聞いて気を失う。
ナーガがそんな桃花を優しく支える。
「待て、その選択はおかしいだろう。」
「じゃぁ、特別サービスで、あんたの心臓を握りつぶして、蘇生を繰り返すも追加するよ。」
「そろそろ、実力差を感じてくれると嬉しいんだけど。」
「・・・。」
「判った、もう抵抗しない。」
「違えたら、即死ぬのじゃ。」
「いくら何でも、此処まで実力差を見せられたら従わざるを得ないだろう。」
「んじゃ、あんたの名前は?」涼音が重力魔法を解いて言う。
魔族はその場所で胡坐をかき言う。
「我は、「アモナ」。一応魔族の上位種だ。」
「んじゃ、アモナ。こっちに何しに来たの?」
「久しぶりに別の場所に繋がったと言うから、そこにいる種族を蹂躙しに来た。」
「あんたひとりで?」
「あぁ、その場所は結構辺鄙な場所だからだから、うちらの魔族以外には気付かれていない。
「そっか、じゃあそこ塞ぐわ。」
「なに?」
「そんな場所、繋いでおきたくないよ。」
「あんたが向こうに帰るのなら止めないよ。」
「貴女はそこまで力があるのか。」
「そうみたい。」
「おぬし、判らないようじゃが、我にも、此処にいる桃花殿にもその力はあるのじゃぞ。」
「な。」
「アモナは今、本当の実力差を痛感する。」
アモナは自然に土下座して、三人に詫びる.
「すみませんでしたぁ.」
「何を、今更なのじゃ。」
「ここまでの実力差を感じられないのは、我の未熟です。」
「判ってもらえて良かったよ。」
「んじゃ、此処塞ぐから、帰るんなら向こうに行って。」
「出来るなら、貴女の下で此処にいて精進したい。」
「え~、あんた、こっちの世界を蹂躙しに来たんでしょ。」
「いや、ここまで力の差を見せつけられて、そんな野望はもうない。」
「面倒だから、帰って。」
「いや、貴女方に忠誠を誓う。」
「複数形?」
「此処にいる方々に服従を誓う。」
「あんた、後で後悔するよ。」
「な、後悔などしない。」
「ふ~ん、判った。じゃあ着いてきて。」涼音が言う。
「判った。」
アモナが言う。
そして、一行は道楽亭に着く。
そして、アモナが驚愕する。
その店の中の存在に。
アモナはカウンターにいる詩織の元で跪き、その靴に口付をして誓う。
「あたしは、貴女に生涯の忠誠を捧げる。」
しかし、詩織は左手をひらひらと振ってこたえる。
そして、店の奥から出てきた理沙にも同じ反応をする。
「涼音、又変なの拾って来たの?」
「な、我を変なの扱いか。」
「精進したいんだって。」
「ならお寺に行けば、此処はそういう場所じゃないから。」
「いえ、我は、貴女方の元で仕えたい。」
「ん~、今は間に合ってるかな。」
「もう二人もいるし、この店そんなに忙しくないし。」
「な、何でもするので居させてください。」
「アモナ、やっぱり向こうに帰れば?」
「な、涼音殿、我を見捨てないで下さい。」
「え~、最初から拾ってないよ。」
「少し可哀そうになってきた。」
「桃花、同情すると碌なことにならないよ。」
「桃花殿~。」
「え、そんな目で見られても、家のマンション動物飼えないし。」
「あ、愛玩動物扱いですか。」
「あ~理沙姉。あたしのご飯減らして良いですから、飼ってあげて下さい。」
「え?食欲魔人のシュワが、そんな事言う?」
「な、涼姉酷いです。」
「はぁ、じゃぁ、ちゃんとシュワが面倒見るんだよ。」
「はいですぅ。」
「おぉ、ではお主は、童の下じゃぞ。」
「う、む、色々思う処はあるが、従う。」
「涼音の愉快な仲間が、もう一人。」
「だから、しー姉、愉快な仲間じゃないから。」
「あー。桃花もいるから二人か。」
「え?私も仲間になっちゃったの?」
「いや、桃花は親友。仲間じゃないから。」
「えへへ。仲間、えへへ、嬉しいかも。」桃花が自分の世界に入って言う。
「はぁ~。」涼音はこの日一番大きいため息をついた。
「ねぇ、愉快な仲間は何人いるの?」
「桃花、愉快な仲間じゃないから。」
「あ~、解った。キャラさんと、シャイナさんでしょ。」
「いや、愉快なじゃ」
「あと、シュワさんと、ナーガさん?」
「いや、あの」
「私は違うのか?」
「どなた?」
「あ~、最近出番ないけど、愛華って言う侍だよ。」
「ほえ~、侍さん?」
「愛華だ、よろしく。」
「宜しくお願いします。桃花です。」
「後、アモナさんと私が愉快な仲間?」
「はぁ、もう良いよ、愉快な仲間で。」
「嬉しいよ。」
「桃花、あんた。」
「なに?」
「何でもない。」
「ところで、私、要らなかったよね。」
「いや、そんな事無いよ。」
「え?何で?」
「レベルアップ乙。」
「へ?」桃花のレベルが12になっていた。




