桃花覚醒
桃花は、何度目かの気絶から蘇る。
「うぅ、もうお嫁にいけない。」えぐえぐ泣きながら、桃花が言う。
「行けるから!」涼音が鋭く突っ込む。
「あたし、汚れちゃったよぉ~。」
「汚してないし、汚れてない!」
「本当に?」
「大丈夫!・・・多分?」
「やっぱり、お嫁にいけない~。」
「桃花、やめよう。不毛だよ。」
「しくしくしく。」
『ズビシ!』涼音のチョップが桃花のでこに突き刺さる。
「いった~い。」
「マジで止めないと、本気で行くよ!」
「わ、判ったよ。」何かがリセットされたように桃花が言う。
「でも、マジで辛かったよぉ。」
「キャラさんの鑑定、マジで拷問・・。」
「でも、そのおかげでレベルが超上がったんだから、喜べ。」
「なんか釈然としないけど、判った。わ~い!」
『ぽかっ!』涼音が桃花のおでこに拳骨を落とす。
「本当に痛いから。」
「ごめん、なんかイラっとした!」
「あたし、虐げられてる・・・」
「いや、あたし桃花が大好きだから。」
「その割に、そういう扱いじゃないよね。」
「現実と理想は違う。」
「あぁ、心が痛い。」
そう言って腰を折る涼音に、桃花が渾身のチョップを落とす。
涼音はそれをわざと受ける。
「あたー。」
「うん、それで許す。」
涼音と桃花のじゃれあいが終了した。
「こちらの世界にようこそ。」涼音がニコニコして言う。
その時、桃花は涼音の保護が無くても、森の重圧を感じなくなっていることを知る。
「桃花、巫女の適性開花したね。」涼音が嬉しそうに言う。
「桃花様、巫女レベル10到達お祝いします。」キャラウェイが言う。
「は?」桃花は自分のレベルが見えることに気付いた。
巫女レベル10
水魔法 レベル6
風魔法 レベル6
聖魔法 レベル3
使用可能スキル 鎮魂、浄化、神威
「何これ?」
「裏クエストの恩恵かな。」
「裏クエスト?」
「森で、守の王に出会って、生き延びる。」
「しかも、看破されて。って事で、経験値倍増!」ブイサインをしながら涼音が言う。
「え~っと。突っ込んで良いとこ?」
「守の王のキャラが、協力してくれてこそのレベル上げだよ。」
「いや~、私は別に何も。」
「やっぱ、キャラの守の王凄いよね、あたしでもビビったよ。」
「軽く防御しておいて、よく言いますね。」
「あはは。この二人、次元が違うよね。」と思いながら、桃花が自分のステータスを改めて確認する。
桃花は、この森の、最初の森に入る権利を得た事を改めて実感した。
「えっと、、これでキャラさんの森に行けるの?」
「え?」キャラウェイが固まる。
「あ~、桃花。」
「なに?」
「この森で、一丁前に動けるのは、どの職業でもレベル50からなんだよね。」
「はえ?レベル50?」
「うん、レベル50」
「なに、その無理ゲー。」
「あー、でも、巫女なら神威で何とかなるかも。」
「神威?」
「その名の通り、古代神をその身に宿す巫女の最大の技。」
「適性があれば、とんでもないクラスの古代神が降臨できるよ。」
桃花は自分のステータスを見る。
「神威。これかぁ?」そう思いながら、そのステータスを起動する。
「神威。」
その時、選択肢が桃花の頭に浮かぶ。
「天照」
「スサノオ」
「天の鈿女」
桃花が言う言葉に涼音が驚愕する。
「ちょ、最高神二人?」
「桃花、発動止めて。」
「え?え?駄目みたい。」
「まじかぁ。せめて、天の鈿女で。」涼音が何かの呪文を唱えながら言う。
桃花は、それを聞いて心から願う。
「天の鈿女!」
桃花の身体が何かに支配される。
「おほほほほほ。」
それは、舞を踊りながら、桃花の制服を脱ぎだした。
そして、ブラウスのボタンを外し、上半身がむき出しになる。
(それはだめ~。)桃花が思うがそれに反して、ブラジャーを取り放り投げる。
更に、スカートのホックを外し、足元に落下させる。
(ちょ、やめて!)桃花が思うがそれは止まらない。
最後にパンティを足から外すと、生まれたままの姿で神に奉納する舞を踊り始める。
それは、数分間続いた。
「うぅ、もうお嫁にいけない。」桃花がしゃがんで泣きながら言う。
(うん、流石にこれはないよね。)涼音が、桃花にブラウスをかけながら思うが言葉にはできなかった。
「女の子同士だから、別に大丈夫だよ。」
「お綺麗でしたよ。」
「うぅ~。」
桃花の心のHPは既に尽きている。
しかし、あえて普通を装って涼音が言う。
「あたしの体力、魔力全回復したよ。」
「すごい。巫女の力ってチートだよね。」涼音がニコニコして言う。
「あたしは精神的ダメージ凄いけど。」桃花が服を着ながら言う。
「すみません、私も結構ダメージ来ました。」
キャラがボロボロになって言う。キャラには攻撃が放たれたようだ。
「え、キャラさん大丈夫ですか?」桃花は心配そうにキャラを見る。
「あー、さっきの看破で、敵判定されちゃったんだ。」そう言うと、涼音はキャラウェイに「安息」を唱える。
キャラの傷が、一瞬で回復する。
「とりあえず、「天の鈿女」は封印する。」桃花がそう決意して言う。
「え~、便利なのにぃ。」
「私の人格が崩壊するよ!」
「目の保養も今回だけかぁ。」
「涼音、友達止めるよ。」
「・・・ごめんなさい。」
「さぁ、ひとまず帰りましょう。」キャラウェイがこの場をまとめて言う。
「うん、分かった。あ、桃花!」涼音が桃花を呼び止める。
「なに?」
「これ、巫女レベル解放のお祝いね。」そう言いながら、涼音がハイベルトから回収した回避の腕輪を、桃花の腕にはめる。
「お風呂の時以外は、身に付けておいて。」
「うん、わかった、ありがとう。」
桃花は、そのアイテムが凄く高価な物だと悟った。
しかし、涼音の好意に甘えて、それを受諾した。
「あ、あ、あ、私、絶対もうやらないからね!」
「え~、それは残念。」
「絶対に、やだから!」
「あ~、解ったよ。でも天照とかスサノオがそれ系じゃないと良いねぇ。」
「もう使わないもん。」
「その状態で、キャラウェイの森に行けると良いねぇ。」
「ふぐぅ。」
桃花さんの受難は何時まで?
涼音さん、マジ腹黒説。。
「何だそりゃ?」
いやいや、涼姉さん最近色々と駄目。。。かな?




