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守の王と

「何言ってるんだか、何も解らないじゃない。」

「レベルやスキルの到達具合なんかわかっても何にもならないじゃん。」

「スキルそのものの特性が解らないってどんだけよ。」涼音が憤慨して言う。


「いやぁ~、一応「守の王」なんて肩書が付いちゃうとしゃあーないかなって。」


「まぁそんなもんだよね。」涼音がふぅとため息を漏らしながら思う。

「色々と質問しても良いかなぁ?」


「答えられることなら何でも。」守の王が言う。


「あたし結衣涼音って言うんだ、涼音って呼び捨てで良いよ。」

「隣にいるのはエルフのシャイナ。あとあっちの森に隠れてるのはシュワって言う猫娘ね。」

「で。」「貴方の事は何て呼べば良いの?」


守の王と呼ばれたものは「あぁ。」と何かを感じ取って言う。

「本来の姿に戻りますねぇ。」


眩い光が4m程の身長の、守の王を包む。

その光が収まるとそこには涼音たちの背丈と同じような、守の王の毛と同じ銀色の髪の少女が、どういう仕組みか、ふんわりとした服を纏ってい存在していた。

気が付くと傍にいた兎妖魔と猫妖魔も人の姿になっていた。


「私はキャラウェイと申します。キャラとお呼びください。」守の王が言う。

「私はアメリ。良しなに。」猫妖魔が言う。

「あたしはラビィ、よろしくね。」兎妖魔も続く。


「え、と。守の王ってワーウルフ(狼男)の進化系じゃないの?」


「いえいえ、「ライカンスロープ」(人狼)なんで性別は関係ないんですよ。」

「更に言えば獣人でレベルがそれなりになって、森が認めれば誰でも「守の王」になれるんですよ。」


「初めて知ったよ。」

これは理沙姉たちも知らないだろうな、涼音が思う。


「うちらの森での言葉遣いと違うのは何故?」


「それは、余所行きの言葉使いですよ。」

「守の王なんて称号が付いちゃいますと、よそ様の処に行ったら、それなりの威厳を出さないと長老様に叱られますので。」キャラが言う。

兎妖魔と猫妖魔もうんうんと頷いている。


ふっと気付くとシャイナもうんうんと頷いていた。長老って万国共通かよ。

(あたし達の中では理沙姉が長老って事かな?)

(いやいや、理沙姉にそんな事言ったら笑顔のまま殺されそうだ。)


「で、さっき戦っていたのは何?」涼音が核心を問う。


「貴女の方が詳しいのでは?」キャラが言う。

「不死者達ってことは解ってる。」

「でも今まで森に存在していなかった者達だよね。」

「いったいどうして。」涼音が疑問をぶつける。


「時空震。」ぼそりとキャラが言う。

「!」涼音が動揺する。

その向こうに行ってしまった「姉」を思い、動機が高鳴るのを感じた。


「あれから暫らくして、森があっちこっちと繋がっていったんだ。」キャラがふぅとため息をつきながら話す。

「今までは涼音達の町としか繋がっていなかったのに、突然色々な空間と繋がり始めたんだ。」

「森の律文が根底から変わって行き、私達にはどうにも出来なかった。」

「そこのエルフ達の町と繋がったのもここ数週間の事だ。」


「うん」シャイナが頷く。


「この森は、もはや我々が、お互いを狩る場所では無くなってしまったんだよ。」キャラが言う。

「あろう事か、死者の国とも繋がってしまったようだ。」


「うん、駄目だこれ。」涼音が言う。

「もう、あたし達で解決できるレベルじゃないよ。」


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