ご機嫌よう、エルリン
ヴァンパイア領、人間牧場管理棟。
「モリス、今までありがとう、後をよろしくね」
エルリンは、プロトヴァンパイアになったモリスに言った。
「ええ、ラファエラ殿、ご武運を」
モリスが敬礼をする。
「ありがとう」
エルリンは笑顔で礼を言った。
「モートンとヤネットも頼んだわよ」
「こちらの事はご心配無く、どうぞよい旅を」
モートンが応える。
「いつでも、戻ってきて下さいね」
ヤネットが笑顔で言った。
「何とか、後任が決まりましたね」
ファフナロッタが微笑みながら話す。
「この数年で、ヴァンパイアが増えたしな、昼に動けるプロトヴァンパイアもいるし、安心だなリン」
アンスがエルリンを見ながら言う。
「キャハハ!いよいよだね〜!」
アストリッドが嬉しそうな笑顔をする。
「みんなありがとう、手間をかけたわね」
エルリンが目を潤ませながら、皆に言った。
「後は、旅支度をするだけですね」
ファフナロッタが腕まくりをする。
「いよいよね・・・」
エルリンが少し遠い目をする。
ーーーシャロン、あなたにとっておきの舞台を用意するわ、そこで会いましょう・・・
出発の前日、ヴァンパイア城内。
「荷物はこれでよし・・・」
エルリンはシュナイゼルに挨拶を済ませた後、自室で、旅支度の最終確認をしていた。
コンコン!
「どうぞ〜」
「入りますわよ」
レミーが部屋に入ってきた。
「あ、レミー、どうしたの?」
「私は湿っぽいのが嫌いですわ、だから、一度だけ言わせていただきますわ」
「え、ええ」
「あなたと過ごした時間、楽しかったですわ、気が変わったら、帰ってらっしゃいな」
「ハハ、うん、ありがとう!レミー!」
「ご機嫌よう、エルリン」
そう言うと、レミーは部屋を出ていった。
「エ、エルリン?」




