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星の導き

酒場、星の導き亭が開店して、2年が過ぎた。

ヴィルナが正式に厨房に入り、ステージにはフィリーナという少女が歌を歌い、店を盛り上げている。

ホールのスタッフも、ラナ、カタリナ、そして元気で明るい最年少の少女、アルジェンヌが入った。


シャロンは今の店をケンウッドに見せたくて、手紙を書いた。

返事が来ないのを不安に思っていたが、連日盛況で、あまり考える余裕すらなかった。


そんなある日の夕方、表に豪華な馬車が停まる。


「あれは?」

カタリナが不思議そうに外を見る。


「ん〜〜〜?」

ラナがマジマジと馬車を見た瞬間。

「え!?ウソ!皆!ひざまづいて!王族よ!」


「え!?」

シャロンが腰を抜かしそうになる。 


状況を理解していないカタリナが入り口から入ってくる人物をマジマジと見つめている。


「おらぁ!スズメバチ!頭下げろぉ!」

ラナがカタリナの頭を無理矢理抑え込む。


「何すんのよ、ラナ!」


「バカなのアンタは!マジャルダのイディアナ女王様よ!」


「ええ〜!」

皆が慌てて膝をついて頭を下げる。


イディアナ女王は、数人のお付と一緒に店に入っくる。


「思ったりずっと綺麗な店ね」

イディアナが店内を見回す。


お付の一人が頭を下げているシャロンを指差す。


「シャロン・ミリー、頭を上げろ!」

お付が命令口調で言う。


「は、はぁ!」

シャロンが顔を上げる。


「お前がシャロン・ミリーだな」

イディアナが尋ねる。


「はい、私がシャロン・ミリーでございます」


「あのランディルの希望か・・・お前、宮廷魔導師になる気はないか?報酬は弾むぞ」

イディアナが鋭くシャロンを見つめる。


「あ、ありがたき御言葉ではありますが、私、その・・・」

シャロンはしどろもどろになる。


「貴様!イディアナ女王陛下の仰せであるぞ!」

お付がシャロンを怒鳴りつけて、腰のサーベルに手を置く。


「フッ!まあ、よい・・・シャロンよ、わが国は戦力的には近隣の国より劣っておる、そこへランディル最強の魔導師が移住してきた、これはもう神のお導きと言える」

すると、イディアナ女王が膝をついてシャロンに頭を下げた。


「いっ!」

全員が絶句した。


「シャロン・ミリー、宮廷魔導師の件は諦める、しかし、この国の有事の際は、是非とも力を貸して欲しい」「それと、ギルドを作ってたくれないだろうか?シャロン・ミリーの能力を、この国の冒険者の為に使って欲しい、頼む」


「そんな!お顔を上げて下さい!承知致しました、私、シャロン・ミリー、全力でそのお役目を拝命いたします」


シャロンは両手をついて、イディアナ女王に頭を下げた。


「そうか、それはありがたい、今後とも、よろしく頼むぞ、これはささやかだが、ギルド設立の足しにしてくれ」

イディアナはお付の者に、金貨袋を用意させ、テーブルの上に置いた。


「騒がせてすまなかったな」


そう言うと、イディアナは店を後にした。


「プハァ〜!」

皆、地面に倒れ込んだ。


「シャロンさん、来るって知ってたの?」

ラナが地べたに頬を付けたまま、シャロンに尋ねる。


「し、知るわけないでしょう!てか、普通向こうから来ないでしょ」

シャロンは水を汲みに行く。


「ギルド、やるんですか?」

カタリナが普通に立ち上がって、シャロンに尋ねる。


「やらないと、私の首が飛ぶでしょう、宮廷魔導師を断った時点で危なかったのに・・・どのみち、やろうと思ってたの、ギルド」


「え!?」

カタリナとラナは驚愕する。


「やるつもりだったの!?」

ラナがさらに詰め寄る。


「ラナとカタリナが居てくれるなら、やらない手はないでしょう?ひょっとして、嫌だった?」


「あ〜、仕事増えるなぁ〜って」

ラナが頭の後ろに手を回して言う。


「私は・・・シャロンさんが必要としてくれるなら、頑張ります」

カタリナは心を決めた表情をした。


1年後、星の導き亭は酒場兼、宿屋兼、冒険者ギルドとなった。

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