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剥製師コルネリア

マジャルダ王国、星の導き亭。

ギルドを立ち上げて、2年半程経った。


カウンター奥にある、打ち合わせ室にシャロン達が集まっていた。


「冒険者の登録者も、そこそこ増えてきたわね」

シャロンが登録名簿を見ながら言った。


「今のところ死者はいないわよ〜」

ラナがスキットル片手に報告する。


「仕事のない時に、報酬を出して訓練に参加させるというアイデア、大正解だと思います、シャロンさん」

カタリナが2人にお茶を出す。


「2人は教官として、今のメンバーについて感想はある?」

シャロンが2人に意見を求める。


「まず、登録者の内訳ですが、前衛のアタッカーが7名、魔法使いが3名、プリーストが4名、バランスは悪くありません」

カタリナが纏めた資料をシャロンに見せる。


「その内、斥候が4名、学者4名〜」

ラナが付け加えると、話を続ける。

「言っとくけど、斥候の能力は鍛えるったって、限界がある、現場で経験積ませるしかない」


「それは剣術も魔法も同じよ、剣術は技術面ではマイロが飛び抜けてる気がしますね、ショーンは技術こそ未熟ですが、それを補えるパワーを持ってます」

「あと、格闘家のジュリエッタは、スピードと手数の多さでは群を抜いています」

カタリナが訓練の感想を述べる。


「私からは・・・そうね、そもそも魔法使いが3人しかいないから、教えやすくていいんだけど、皆優秀よ、特にシンディーは詠唱が正確で速いし、イメージ形成も上手いわ」

シャロンから見た魔法使い達の意見を述べた。


「特に問題無いようだし、このまま訓練を続けましょう、ただし、いつ依頼が入るか分からないから、次の日に残るような訓練は控えましょう、冒険者達が生きて帰って来れるよう、皆でフォローしましょう」

シャロンが2人の手を強く握りながら、目を見開いて言った。


コン!コン!


夕方からシフトに入っている、ホール担当のアルジェンヌが、扉を開けて顔を出す。

「すみませんシャロンさん、仕事のご依頼です!」


「すぐ行くわ、カタリナ、行きましょう」

シャロンが席を立つ。

「はい」

カタリナも立ち上がって、シャロンの後に続く。


シャロンとカタリナが店に戻ると、アルジェンヌがエルフの女性と話をしている。


「あ、シャロンさん!こちらが先程お話した方です!」

アルジェンヌがシャロンに依頼者を紹介する。


「あなたが、かの有名な大魔導師、シャロン・ミリーか?はじめまして、私はコルネリア・アルベローネと言う者で、剥製師をしている」

「こちらに仕事を依頼したい」

コルネリアは自己紹介をした。


「まあ、これはご丁寧に、シャロン・ミリーです、この度は、星の導き亭にご来店いただき、誠にありがとうございます!」

「ご依頼の件につきましては、こちらのカタリナが承ります、どうぞ、こちらへ」

シャロンはコルネリアを丁重にもてなした。


ーーー剥製師だからかしら、すごく斬新なファッションね。


カタリナが受付で、コルネリアの依頼内容について話を聞く。


「承知致しました、ご依頼内容は、森に住む魔物狩りとコルネリア様が同行されるので、護衛も兼ねると言うことでよろしいですね?」

カタリナが仕事モードで淡々と纏める。


「ああ、それで結構だ」

コルネリアが無表情に応える。


「少々お待ち下さい」

そう言うと、カタリナは受付を出て、ホールを見渡す。

「マイロは・・・シンディーとデートかしら?」


「よし!・・・ショーン!ジュリエッタ!アレクセイ!イラーリア!イル!ちょっと来てくれる?」

カタリナがホールに居るめぼしい冒険者を呼びつける。


冒険者達に依頼内容を話すと、続けて指示を出す。

「今回は依頼主の護衛も含まれている、ショーンとイルは依頼主に張り付いて護衛して、ジュリエッタは斥候とメインアタッカー、アレクセイはサブで斥候とアタッカーよ」

カタリナが、指示を出すと4人が頷く。

「ただし、剥製師の為の狩りだから、トドメは極力アレクセイが行うこと、いいわね?」


「イラーリアは野外活動の専門家だから、足跡追跡メインで、プリーストとして前衛の回復役も兼任して」

カタリナがイラーリアを見て指示を伝える。


「は、はい!がんばりま〜す!」

イラーリアは拳を握りしめる。


「あ、あのぉ~」

イルが手を上げる。


「どうしたの?イル」

カタリナがイルを見つめる。


「シ、ショーンさんは分かるんですけど、私に護衛なんて・・・専門は回復と鑑定なんですけど・・・」

イルが怯えながらカタリナに訴える。


「わかってるわ、あくまでショーンが依頼主を守る、でも、傷を負った時、後ろに回復役がいるとショーンも安心出来るでしょ?」

カタリナがイルの肩に手を置いて微笑む。


「あ、はい!そうですね!」


「イル、あなたは立派な冒険者よ、自信を持ちなさい」

カタリナがポンポンとイルの肩を叩く。


「が、がんばります!」

イルの表情が明るくなった。


「出発は明日の朝よ、今日は皆早く休んで、明日に備えなさい」

カタリナがメンバー全員に言いつける。


ーーーみんな、生きて帰ってくるのよ!

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