受け継ぐ者
人間牧場を立ち上げて3年の月日が経った。
ヴァンパイア城に呼ばれたエルリンは、シュナイゼルとワインを飲みながら話をしていた。
「ラファエラ、アストリッドはどうだ?」
「はい、とても強くなりました、純粋な戦闘能力だけなら・・・今ではファフナロッタより上かもしれません」
「おお!そうか、ティンテッドは底が知れない力があると言うしな」
シュナイゼルはアストリッドに興味津々のようだった。
後日、エルリンはシュナイゼルにアストリッドを連れてくるように言われ、会わせることにした。
シュナイゼルは2人を倉庫に連れてきた。
「うわぁ~!すごいねリン!」
アストリッドは見たことのない物ばかりで興奮している。
「ここは・・・」
エルリンは懐かしさを感じて、言葉を失った。
「アストリッドよ、好きな装備を選ぶといい」
シュナイゼルはアストリッドの肩に手を置いて言った。
「わーい!シュナイゼル様、ありがとうございます!」
アストリッドは倉庫内を満面の笑みで走り回る。
しばらくして、アストリッドは好きな装備を選び終えた。
「うん!アストリッドにピッタリだね」
エルリンは微笑みながらアストリッドを見つめる。
「なかなか良いセンスをしている、師匠がよかったのかな?」
シュナイゼルはほくそ笑んで、アストリッドを見ながら続けた。
「その黒い金属鎧はアダマンタイト製だ。魔力を纏っており、多少の攻撃なら無効化できる。そして、そのグレートメイスは『スローターメイス』と呼ばれる魔導具だ。」
「キャハハ!スローター・・・リンの邪魔する奴は、皆殺しよ!キャハハハハハ!」
アストリッドはスローターメイスを掲げて、不敵に笑った。
「この装備があれば、負ける気がしません、ありがとうございます!シュナイゼル様ぁ!キャハハ!」
「気に入ってもらえて良かったよ、アストリッド」
シュナイゼルはアストリッドの頭を撫でながら言った。
「リン!あたし、無敵になったよ!」
「コラ!調子に乗らないの」
エルリンはアストリッドの頭をポンッと叩いた。
「シュナイゼル様、ご報告が・・・」
ラグが気配も無く、倉庫にやって来た。
「何だ?言ってみろ」
シュナイゼルがラグのただならぬ雰囲気に、表情がこわばる。
「我が領内に、人族の斥候らしき部隊が侵入しました」
ラグが頭を上げてシュナイゼルに報告する。
シュナイゼルは少し考えて、エルリンを見た。
「エルリン、アストリッド、その連中を始末してこい」
「スローターメイスの肩慣らしにちょうどいいね、リン、キャハハ!」
「油断しちゃ駄目よ、アストリッド」
エルリンはそう言って、ギフトヴィントミューレを静かに担いだ。




