狩人たち
人間牧場に、人族を本格的に入居させる計画が動き出した。
主にゼルギアの貧民や犯罪者を、仕分けして入居させている。
犯罪者や素行の悪い者は、直ちにブラッドサッカーに変貌させ、素行が良く見た目の良い人族は、集落の中で優遇した立場を与えて、ヴァンパイアの食料とする。
そして、生活は基本的に自給自足ではあるが、生活に余裕を持たせ、貧民街にいた時より良い生活をさせる必要がある為、食料や寝床には困らないようにしている。
食料確保の為、エルリンはファフナロッタとアストリッドを引き連れて、森の中で狩りをしていた。
「ファフ!そっちに追い込んだわ!」
エルリンがボーアの群を、ファフナロッタの罠に追い詰める。
「こちらは準備出来てますよ!」
ファフナロッタが準備完了の合図をエルリンに送ると。
ボーアの群が、ファフナロッタの掘った穴に次々と落ちていく。
ブヒー!
ボーア達が断末魔の鳴き声を上げる。
「アストリッド!トドメをお願い!」
エルリンが大声でアストリッドに指示をする。
「わかった!」
アストリッドは長い槍を持って、穴を覗き込む。
「猪肉!いただきます!」
そう言うと、穴に落ちてもがいているボーアの急所を、長槍で刺していく。
殺したボーアを一匹づつ引き上げて、捌いていく。
その肉を、集落へと運び、その日のご馳走として料理する。
ある日、大物を狩ることになる。
グガァァァ!
巨大な熊が前足を上げて襲いかかってくる。
ファフナロッタがひらりとかわし、左の後ろ足をダガーで切り裂く。
ジャイアントベア咆哮を上げながらバランスを崩して倒れ込む。
「アストリッド!」
ファフナロッタが叫ぶ。
「たぁ〜!」
アストリッドが飛び出して、ジャイアントベアの急所に目掛けてスピアを突き刺す。
グォォォ!
アストリッドのスピアが浅く、ジャイアントベアは腕を振り回す。
次の瞬間、すごいスピードでエルリンがアストリッドを抱えて地面に転がる。
立ち上がろうとするジャイアントベアの頭をを、今度はエルリンがギフトヴィントミューレを振り回して粉砕する。
ジャイアントベアは咆哮を上げることなく倒れる。
「アストリッド、大丈夫!?」
エルリンがアストリッドを抱きしめる。
「・・・うん!」
「リン、あなたは更に強くなりましたね」
ファフナロッタがエルリンに笑顔で言う。
「そうなのかな・・・?」
「ええ、私など足元にも及びません」
「う、うう!」
アストリッドがエルリンに抱きしめられながら、涙を流している。
「アストリッド、どうしたの?どこかに痛いの?」
エルリンが心配そうにアストリッドを見つめる。
「違う!あたし、弱い!もっと強くなりたい!」
エルリンはアストリッドの頭を撫でる。
「大丈夫、アストリッドはもっと強くなるよ」




