見直しましたわ
「シュナイゼル様はお優しいので、面白いから好きにさせろと仰ってましたが、私はそう簡単に騙されませんわよ!」
この街で一番のワインを出すレストランを、ダネルに聞いておいてよかったと、エルリンは心から思っていた。
「ファフナロッタはあなたに言いくるめられたみたいなので、私が監視役として名乗り出ましたのよ!」
レミーは次々と高級ワインを空けていく。
「レミーさんが来てくれたら百人力です!さぁさぁ、どんどん飲んでくださいな、ご馳走させていただきます!」
エルリンはレミーのグラスにどんどんワインを注いでいく。
「まあ、このワインに免じて耳を切るのは許して差し上げますわ」
レミーがボトルを空けていくのを、ファフナロッタは驚きながらもエルリンの援護射撃を忘れていない。
「レミー様、こちらの白ワインもなかなかですよ、昔は白が大好きでしたよね?」
エルリンはその様子を見て吹き出しそうになったが、何とか堪えた。
レミーはグラスを空にすると、満足そうに小さく息をついた。
エルリンは「これなら何とかなりそう」と胸をなで下ろしかける。
しかし次の瞬間。
「で、計画は進んでますの?」
ワインに夢中かと思ったレミーが、急に本題をねじ込んできた。
エルリンは「話すしかなさそうね」と心の中でつぶやきながら、諦めてダネルとのやり取りを全て話した。
「リン!人族同士の戦争に首を突っ込むのですか?」
ファフナロッタはさすがに庇えないと踏んで、エルリンに声を荒げて言った。
エルリンはあえてファフナロッタの言葉に反論しなかった。問題は目を瞑って考えているレミーだ。
「・・・・今回は、少しばかりあなたを見直しましたわ」
エルリンはレミーのまさかの発言に驚いた。
「思ってたより仕事してますわね、私も少し手を貸してもよろしくてよ」
「レミー様!ありがたき幸せ!」
ファフナロッタは何より、レミーがエルリンを見直したことが嬉しかった。
「そんな風に言ってもらえるなんて、感激です!」
エルリンもレミーを見る目が少し変わった。
「ただ、きちんと作戦を立てないと、この勝負、負けますわよ」
レミーはエルリンを睨みつけた。
「ええ、何としても、人間牧場を実現して見せます、いただいたラファエラの名にかけて・・・」
後日、ダネルとレミーの顔合わせを兼ねた打ち合わせが行われた。しかし、レミーは終始無言だった。人族と話すつもりはない――それが彼女の姿勢だった。
その一方で、ダネルは戦力が増えたことに、とても喜んでいた。
計画が構築されていき、後は実行に移すのみとなっていった。




