表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/42

試される者

薄暗く、人の出入りもあまりない、地下の酒場にエルリンとファフナロッタは入っていく。

ファフナロッタの忠告を受けて、エルリンは装備一式を身に着けて来た。


ここへ来る途中。

「そうそう、ファフナロッタ、あなたが戦うところを見たことが無いのだけれど、お強いのかしら?」

エルリンは少しからかうように言った。


「リンほどではありません、ですが人間時代は【疾風のイルナ】で通ってました」


「疾風のイルナ・・・すばしっこいイルナみたいで可愛い!」

エルリンは優しい笑顔で言った。


「昔の話です、とにかく、有事の際は私があなたを守ります」


「頼もしいわ、そんな事言われたのは子供の時以来かな・・・あなたが一緒で本当に良かった・・・」

嬉しさと淋しさが混ざったその表情に、ファフナロッタはかける言葉を失った。



店の奥から顔色の悪い男がやって来た。

「こちらへどうぞ・・・」


店の更に地下へ案内されたエルリンとファフナロッタは、テーブルと椅子以外何もない広間に辿り着く。


そこにはベングッドの他に数名の人間がいた。武装した屈強そうな用心棒と思われる男が3名。テーブルの上座に座っている男は少し雰囲気が違う。ベングッドが緊張しているように見える。


その男は綺麗な身なりをしているが、隙のない雰囲気と鋭い目付きをしている。


張り詰めた雰囲気の中で、エルリンが最初に口を開いた。

「依頼された件、ちゃんとこなしたわよ」


「君が噂のエルフかな?」

上座の男が品定めするようにエルリンを見た。


「どんな噂かしら?」

エルリンは少し目を細めた。


「この情報屋のベングッドを気迫だけで殺しかけたとか?」


「少し威圧しただけよ、あなたはそんな話をする為に来たの?」

用心棒がエルリンを睨見つけた。


「いやいや、悪かった、私はダネル・ストークスと言うもの、まあベングッドの上司と言ったところだ、ベングッドは知っているね、この情報屋の名前だ、今日私がここに来たのは、凄いエルフの女性がいると聞いてね、まあ、とりあえず座ってくれ」

エルリンとファフナロッタはテーブルの椅子に腰掛けた。


「私はゼルギア帝国の内情が知りたくて来たのよ、だから情報が欲しい、そちらが必要なら仕事も請け負う、お互いギブアンドテイクの関係を築きたいの」

エルリンは物怖じせずにキッパリと言い放った。


ダネルは目を閉じて少し考えると、酒場のスタッフらしき女性に手を挙げた。

やがて飲み物が運ばれてきて、ダネルはそれに口をつけると話を続けた。


「なるほど、それはこちらにとっても願ってもない話だ、しかし、そちらは我々について多少なりと理解しているようだが、こちらは君らが何者かよく分かっていない、それではフェアな取引とは言えない」

ダネルは飲み物を飲み干すと、エルリンに鋭い視線を向けて言った。

「そちらの赤髪の女性はヴァンパイアだね?」

周囲がざわつく。


「リン、皆殺しにしましょう!」

ファフナロッタは立ち上がって銀の短剣を両手に構えた。

「駄目よファフナロッタ!」

エルリンはファフナロッタを制し、言葉を続ける。


「何か問題でも?」

エルリンがダネルを睨みつける。


「・・・なるほど、確かに大した問題ではない」

ダネルはフフと笑った。


「余談だが、少し前、ゼルギア軍が犯罪者をシュトラーダに逃亡させて混乱を狙う作戦を行った、その犯罪者の1人が手足を切断されて送り返されるという事があった、男の話では、それをやったのはウォーハンマーを持ったエルフだと・・・」

ダネルがエルリンを睨み返して続ける。

「興味深い話だろ?」


「もう一度聞く、君らは何者だ?目的は何だ?」

張り詰めた空気の中、エルリンとダネルは微笑みながら睨み合っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ