旅立ち
エルリンが目が覚めると、遠くに立ち尽くすアンデッド達がいる。全て倒したいところだが、今の彼女にその体力は残っていない。
放置は危険だが、今は一度村に戻って避難が完了したかの確認がしたいと思い、ソヤンに戻る決意する。
左足を引きずりながらふらふらと村に戻ると、静まり帰っていた。
誰かいないかと叫んでみても返事がない。全員避難出来たのだろう。
エルリンは井戸水をガブ飲みし、村人が残していった食料を口いっぱい頬張る。
エルリン「ふぅ~」
ようやく少し体が落ち着く。
少し回復した精神力で、妖精魔法を使って傷を癒やす。
そしてベッドに横たわり、ぐっすり睡眠をとった。
起きると完全に日が落ちていて、辺りは真っ暗だった。
これもまたエルフ特有だが、夜目が利くので暗闇でも少し見える。
エルリンは暗闇の中、ベッドに座りながら考えた。
このままソヤン村に留まり、皆の帰りを待つか、皆が避難した先の町に行くか、それ以外か。
まずここに留まっても帰ってくるかわからない。
そして、避難先に行ったとしても、首輪が取れていないので町に入れるかもわからない。
それ以外なら、他の村に行くという案である。大きな町は無理でも、小さい村なら受け入れられる可能性がある。首輪は領主の所有物として扱われるので、番兵に見つかると厄介な事になる。
「少し旅をして、首輪を外せる解除魔法を使える人を探す・・・か」
翌日、旅支度を整えてソヤン村を後にした。
自警団詰所に置いてあった地図を頼りに、近場にある別の村から順番に目指して旅をする。
念のため首輪を隠すためにフード付きのマントを羽織っていた。
村から村へ、出会いと情報収集を求めて日々旅をする。
旅を始めて1年が過ぎた日、ある村で貴重な情報を得た。
少し大きいラーデルという村があり、そこに太陽神のハイプリーストが来るらしい。エルリンはラーデルを目指すことにした。
「首輪を外せるかも知れない」
ラーデルに到着したエルリンは不穏な空気を感じていた。
普段は農業を生業にしたのどかな村のはずだが、空気がおかしい。
エルリンは警戒しながら隠密行動で村に入る。
畑仕事をしている年配の男を見つけたが、よく見ると生気がない。
あぜ道を歩いてくる初老の女も同じくボーッとしていて生気を感じられない。
「何が起こってるの?」
エルリンは調査に乗り出した。




