3 トン子の恋~自分なんか嫌い
学校の帰り道、トン子は一人で階段を下りて昇降口に
リュックが空いたままだった
中から何かが落ちた。
モテ男
(落ちたものを拾う。それはハムレットの本)
モテ男
ん?何?ハムレット?
(追いかけて声をかける)
落としたぞ、はいこれ
なんかすごいの読んでるんだな
笑笑
トン子は本を受け取り、
顔を真っ赤にして走り去る
トン子
もう、おしまいだわ。世界の終わりよ。
こんなみっともない私なんか
ああ!
トン子は次の日にちより、ますますモテ男をさけるようになる
*****
放課後
同好会の部室にて
トン子と瑠菜が本を読みながら話をしてい
トン子
ハムレットの独白おそろしいわ。
瑠菜
to be or not to be …のとこ?
トン子
そのフレーズそのものでなくて、
そのあとの部分よ
in the sleep of death what dreams may come
……
死の眠りのなかで、どんな夢をみるのか…
これって、皆が普段考えないようにしてることよね。
それをまざまざと目の前に突きつけられたのよ。
死後の世界って、天国とか地獄とかって語られることが多いけど、
結局誰も知らない、不気味に真っ白な
未知の世界っていうか。
ぞっとするわ。
だって、誰もそこから帰ってきてないのよね
瑠菜
そう。それな。そこやっぱり一番怖いとこよ。
はじめのto be or …のフレーズは、
ちょっと注目させるためのフックみたいなもん。
生きるべきか死ぬべきか…って訳されてるけど、
もはや、この世にもあの世にも救いとかないのよ。
この世はひどい。あの世は未知。
トン子
もうどうにもにらない。
瑠菜
だからなんというか、
生きることの矛盾っていうかな。
もう、存在しちゃってるしね。
どうするの?って感じ。
トン子
ヤバいね、ハムレット
そもそもさ、to be or …のフレーズ要らなくない?
生きるべきか死ぬべきか?、とか
そんな悠長な話じゃないのよ!!
瑠菜
確かにね。
トン子
to love or not to love …
瑠菜
?
トン子
やっぱり恋愛にも救いってなくない?
本当に両思いになるなんてことある?
そして、幸せになるとか?
瑠菜
ロミオとジュリエットとか?
トン子
でも死んじゃったじゃない?
瑠菜
ハムレットとオフィーリアも
破局したしね。
トン子
狂気までまとってね。
瑠菜
あー、そうね。
愛ってそもそも信じられないし、
愛しても辛い
愛さないのもつまらない
愛されるとうっとうしい
愛されないと死ぬほど辛い
なんてね。
トン子
そうそう、あー、もう八方塞がりよね 笑笑
*****
翌日
トン子
私は一生結婚しないことにきめてるのよ
瑠菜
そうなの?なんで?
トン子
だってなんか、結婚とかって嫌なんだよな。
恋愛も無理だし
瑠菜
ふーん?
トン子が席をはずす
モテ男(小声で)
トン子って、好きな人いるのかな?
瑠菜
さあね。?
何、あんたトン子のこと好きなんだ 笑笑
モテ男
あんま人に言うなよ
瑠菜
うーん。トン子は男子と話すのが、
ちょっと苦手なんだよな。
*****
人の少ない放課後の教室で
演鶴子
私と付き合ってよ!!
モテ男
いや、だから何度も言ってるけど、
俺は トン子…
演鶴子
本当は私のこと好きなくせに
モテ男
うーん、好きっていうか 美人だけどな
演鶴子
ほーらやっぱり私のこと 好きなんじゃないの
瑠菜
to love or not to love…
モテ男
何だ?
瑠菜
愛しても、愛さなくても、救いはない
モテ男 ???
瑠菜
愛しても、振り向いて貰えなくて、
愛されるとうっとうしいし、
愛さなくてもつまらないし、
愛されないと惨めだしね
モテ男
なんで、そんな暗いんだ?
瑠菜
あなたの欠点は、モテすぎるってことね、
人の闇が見えない。
笑笑笑笑
モテ男
誉められてるの?
演鶴子
だから私と付き合いなさいっていってるのよ ね、瑠菜ちゃん
*****
翌日から、教室では
演鶴子が、モテ男を涙を浮かべて見つめる。
周りも見て見ぬふり。
モテ男は、トン子を見るが、トン子は目をそらす。
そらしたさきで、演鶴子がトン子を睨み付ける
この物語はフィクションです。登場人物は全て架空の人物です
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