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015「大好きよ」



爆砕掌覇ばくさいしょうはっ!」



 魔法武術士であるリリカの爆炎魔法を利用した掌底技がさく裂。


 対戦相手は二年生で上位ランカーの生徒と強敵だったが難なく退けた。


「へっへっへー、どんなもんよ、ダイっ!」


 リリカが舞台から俺を指さしながらドヤ顔で煽る。


「うっせー! よくも騙しやがってっ!」

「まあまあ、ダイ君……」

「まあまあ、ダイ……」


 クレアとシャロンが苦笑しながら俺をなだめた。


「……ちくしょう。まんまと…………してやられたっ!」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



――10分前



「俺は…………ミーシャ・アイゼンハワーの弟子だ」


 俺はリリカの目をまっすぐに見つめ、ゆっくりと覚悟を決めて告白した。


「ほ、本当に? 本当にダイがミーシャ・アイゼンハワーの……弟子?」

「うん、そうだよ、リリカ。それと、みんな……」


 ダイはそう言って、クレアとシャロンに体を向けて頭を下げる。


「これまでずっと隠していてごめん。これは、ミーシャ師匠や家族との約束だったんだ。だから言い出せなくて……でも、もう、俺には、友達を、仲間を騙すなんてできないっ! これまで騙していてごめんっ!」

「そ、そんなダイ君! 騙すだなんて……」

「いや、俺はクレアたちを……」

「そんなことはないよ、ダイ! むしろ、私たちを仲間と想って秘密を打ち明けてくれてありがとうっ!」

「そうだよ、ダイ君! 告白してくれてありがとうっ!」

「シャロン……クレア……」


 シャロンとクレアは、俺がこれまで騙していたことを責めることはなかった。責めるどころか、俺が告白してくれたことに『ありがとう』と言ってくれた。


 本当に、本当に、良い友達、大切な仲間ができてよかっ……、


「ハッハッハ……引っかかったな、ダイオウガ・エスティオットーーっ!」

「?? リリカ?」


 見ると、リリカがニカッと満面の笑顔を俺に向ける。


「どうだったかね、ダイオウガ君? あたしの迫真の演技は……?」

「?? 演技?」


 一瞬、リリカが何を言っているのかわからなかった……が、リリカの『してやったり顔』を見ていると、


「はっ!? お、お前、まさか……」

「フッフッフ~、やっと気づいたようだね、ダイオウガ君…………」

「おい、ウソだろ、おい、やめろ、やめ……」

「ドッキリでしたーーーーーーんっ!!!」


 がーーーーーん!!!!!


「で、でも、お前、涙を……」

「はい、コレ、なーんだっ?! 正解は目薬効果のある『内殻魔道具メディシン』でしたっ!」

「よ、用意周到な……」

「だって、ダイ……ここまでしないと教えてくれなかったでしょ? 確かにドッキリだったけど、自分の言葉に……ウソはないから」


 リリカはそう言うとニコッと優しい笑顔を浮かべる。


「!?……リ、リリカ」


 俺はリリカのふいの言葉と一瞬だけ見せた優しい笑顔に…………グッときた。


「リリ、カ……?」


 そして、クレアはリリカの最後の言葉に一つの可能性を察した。


「まっ! ダイもあたしたちに隠し事していたんだから、これくらい許してよね! 両成敗、両成敗」

「ど、どこがだよっ! 俺の純情を……踏みにじりやがってぇ~~~!!!」

「ずっと騙してたあんたが悪いんですぅ~~~」

「な、何だと~~~っ!!!」


 そうして、俺とリリカのいつもの『ドッタンバッタン大騒ぎ』が始まった。


「ふ……なんだかんだ言ってるけど、リリカはダイが秘密を隠していることに気づいて、そして、今の試合内容を見た上でダイに変に気を遣ってこの場をしのがせて悩ませるよりも、『ドッキリ』という『建て前』を使ってダイがラクになることを第一に考えたってことか……。しかも、今の『ドッキリ』だって一歩間違ったらダイに嫌われるかもしれないというのに。そんなリスクを負ってまでリリカは……。もしかしてリリカの奴、ダイのこと……」

「シャロン君もやっぱりそう思う?」

「!? ク、クレア……っ!」


 まずい、聞かれた! と一瞬、狼狽えるシャロンだったが、


「大丈夫よ、シャロン君。私もリリカのさっきの言葉で……」


 クレアが笑顔で安心させるようにシャロンに返事を返す。


「そっか。まあ、でも、何とも言えないけどね。あれだけじゃ……でも……」

「うん、わかってる。私もまだ確証ってほどじゃないし……」


 そう言ってクレアとシャロンが俺とリリカのいつものやり取りを見つめている。


「クレア…………一つ、聞いてもいいかい?」

「うん」

「クレアはダイのことが…………好きなのかい?」


 クレアは屈託のない笑顔でシャロンの問いに答える。


「大好きよ」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「さーて! ついに、ここまで来たわねっ!」



 リリカはそう言うとバシッと右拳で左の手のひらを叩いた、と同時に、元気なあの子の場内アナウンスが流れた。


「さーーーて! いよいよランカーズトーナメントも中盤! ベスト16進出の選手がすべて出揃いましたーーーっ! ここからはボク、あ……ほ、放送部部長のウララ・ウィンスターが試合の実況をさせていただきますーーーっ!!!」

「「「「「ウララっちゅわ~~~~~~~んんん!!!!」」」」」


 わぁぁぁ~~~~~!!


 学院のマスコットアイドル、ウララ・ウィンスターとブレない親衛隊により、観客のボルテージが更に上がった。



GW最終日。そう、最終日……ですね(シクシク)。

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