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ポートランド・ルーキーズ  作者: 帆影眠(ぽやしみ仙人)
3・4月編

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20/34

19試合目 泥沼の延長戦




 雨による試合中断から約三時間後。

 ナイターの他球場が続々と試合終了を告げる中、唯一デイゲームが行われている我らがルーキーズの試合が再開された。

 既に試合開始から七時間が経過している。

 ……マジでデイゲームとは?

 延長16回表、ルーキーズは野手がマウンドに上がって三者凡退。

 攻守交代でブルージーンズも投手を温存するため野手登板を選択した。

 選手も入れ替えて控え選手が中心だ。

 主力選手を休ませる――まあ、当然の選択だろう。

 野手の緩いボールを皆打ち上げてフライアウトでチェンジ。

 守備のためにフィールドに出ていくチームメイト達の足取りは重い。

 そのせいもあってエラーも増え、2アウト満塁のピンチを迎えたがゴロを打たせて無失点。

 ブルージーンズの選手達は絶望したような表情でベンチに戻る。

 遠目で見るとゾンビにしか見えない。

 17回裏の攻撃では打神が登場した。

 ヨシ、試合を決めてくれと皆で念を送るが空振り三振。

 あの野手登板の50マイルくらいしか出てないボールを三振、しかも空振り三振とか何をしているんだよ……。

 三振した本人は納得がいかないのか頻りに首を傾げている。

 なにこれ、身体を張った新しいギャグかよ……。

 期待外れの三振にはいくらホームと言えど、球場中が落胆なり失笑なりブーイングが起こると思っていたが、いつもより薄暗いスタンドは静寂に満ちていた。

 どうやら試合が中断している間にファン達は愛想を尽かして帰っていったらしい。

 というか、売店や警備スタッフの人件費をケチるために、居座ろうとする観客を追い出した説。

 まあ、真偽は不明だが無観客なら多少気楽にプレーが出来るだろう。

 そんな事を考えているうちに17回は両チーム無得点で終了。

 何でもいいからそろそろ終わらせてくれ――それが両チームの共通認識だろう。

 でもそういう時に限って点がなかなか入らない。

 そんな状況でも選手達は疲労からのエラーはあっても、露骨な怠慢プレーは無いのでなかなか決着がつかない。

 18回、19回とランナーは出ても得点には繋がらず。

 延長20回表、何故か監督に呼ばれた。

 まさか今から投げろとか言われないよな?

 野手登板もまさかの5イニング目に突入。

 緩い山なりのボールしか投げないとはいえ、疲れてきたのかストライクにあまり入らなくなってきた。

 このまま四球を連続で出すようだと最悪押し出し、それが決勝点になりかねない。

 そうなる前に投手交代、そこで次の登板まで日が空く俺を投入――考えられなくはない。

 ただ昨日先発しているし、シーズン序盤で無理をするような段階ではないのだ。

 これがシーズン最終盤で、今日勝った方が地区優勝――そんな緊迫した状況なら分かるが、この場面でわざわざ監督に呼ばれる理由が分からなかった。


「なんか用ですか、監督」


「……おお、待っていたよショー」


 フィールドではなく地面を見つめていた監督に声を掛けると、ワンテンポ遅れて俺の方を見てきた。

 試合中なのに絶対寝てただろ、この人……。


「この回、代打を頼みたいんだが身体の調子はどうだ、ショー」


「オッケー、オッケー」


 なんだそういうことか。

 それならそうと早く言ってくれれば良いものを。

 ついに俺のバッティングが認められたということだろう。

 この調子で目指しちゃうか、ホームラン王。

 そう思ってベンチ裏で素振りをするが、いまいち感覚を掴みきれないまま打席が回ってきた。


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