↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポートランド・ルーキーズ  作者: 帆影眠(ぽやしみ仙人)
3・4月編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/34

18試合目 終わらないデイゲーム




 打神のグランドスラムから一夜明け、本日はデイゲームである。

 昼過ぎにゲームは始まり先発投手ロブスターがテンポ良く投げて8回1失点で試合を作った。

 打線も彼の奮闘に応えて8回までに2安打1得点。

 ロブスターことロブちゃんは降板後、ベンチでグローブを床に叩き付けるなど大変荒ぶっていた。

 俺はそんな彼のフォローをすべく、右肩をトントンと軽く叩いて隣に腰掛ける。


「ああ、誰かと思えばショーか……」


 ようやく君の気持ちが理解出来た――口にこそ出さないけれど、同情するような目線はそう言っているような気がした。

 ロブちゃんは無援護の神には愛されておらず、かといってラッキーのようにどんなに失点しても何故か勝ちがつくような強運の持ち主ではない。

 あの人、10失点以上してもそれ以上に味方が援護して勝ち投手になったこともあるらしいから不思議だ。

 そんな例外はともかく。

 力投すれば報われ失点を重ねれば負ける――メジャーデビューを果たした昨年のロブちゃんはそんな感じだったらしい。

 勝敗的にはチームの状態がお察しなので負け越してこそいるがルーキーにしては悪くない成績で。

 今年、先発ローテに定着したのは当然の帰結だろう。

 それ故に力投しても報われない――それを経験したのは今日が初めてのようだった。


「……8回まで投げたのは今日が初めてだったんだ」


「素晴らしいピッチングだったぞ」


 奪三振ショーのような派手さは無い。

 ゴロを量産する安定したピッチング。

 内野は打球処理が多くて大変かもしれないが、奪三振ばかりで暇そうにしているよりずっと良いだろう。

 まあ、今日唯一の失点は内野のエラー絡みだったけれど……。


「まあ、こんな日もある。切り替えて行こうぜ」


「あ、ああ……」


 項垂れるロブちゃんの重い空気が蔓延でもしたのか、試合は動くことなく同点のまま延長に突入した。

 10回、11回、12回、13回、14回――。

 両チームとも得点が入る気配がない。

 昼過ぎに試合が始まったのに、気が付くと周囲はすっかりと日が落ちていた。

 月曜日のデイゲームということで、ただでさえ少なかった観客は一人また一人と帰っていく。

 腹が減ったのでベンチ裏に向かうと、売れ残ったであろうホットドッグが山積みになっていた。

 明日から一週間はロードでの試合だからな。

 差し入れという名の在庫処分だろう。

 ロブちゃんと一緒に愚痴りつつ、両手にホットドッグを持ち頬張る。

 美味い、美味すぎる!

 無心でホットドッグを食べていると、ガヤガヤと話し声が聞こえてきて選手達がベンチ裏へと引き上げてきた。

 ようやく試合が終了したらしい――というかベンチにいないとまずかったのでは?

 慌ててチームメイト達を労おうと立ち上がるが、どうも様子がおかしい。

 サヨナラ勝ちした時のようにずぶ濡れだが、一人だけではなく皆等しくユニフォームが湿っている。

 それよりも勝ったという雰囲気ではなく。

 かといって負けた風にも見えない。

 意味が分からずベンチに向かうと、土砂降りの雨がグラウンドを水浸しにしているところだった。

 延長戦で雨による試合中断か……。

 今日は試合終了後に飛行機で移動、敵地のホテルで夜を明かす予定なのだが何時になることやら。

 明日が東海岸での試合ではなくて本当に良かったと思う。

 移動の飛行機が夜行便になりかねない。

 デイゲームだったのにホテル着が朝、しかも夜からは普通に試合があるとかさすがに勘弁してほしいからな。

 ともあれ雨が止まねば試合再開は出来ない。

 さて、何時になることやら……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。