第61話 岸に戻れない~人魚の海流れ~
早朝、ロックは昨日のことが忘れられないまま、雑念消えず、海岸に足を運んでいた。
「やぁ、アリエラ。」
ロックの首にかけている真珠のネックレスが陽の光に反射し、眩く光る。
(あっ、ロック・・・、後ろの人達どうしたの?)
ロックは背後を振り返るも、岩以外何もなかった。
「誰もいねぇよ。」
(いいえ、いる。さっきから、岩の後ろから強烈な殺気が…。)
ロックが岩を睨みつけると、岩陰から二十人ほどの男が飛び出し、そのうちの一人が鍬をロックに向かって振り下ろした。
「ビックリしたぁ。」
ロックは攻撃を避け、後ろに下がり、アリエラを庇うように立ちふさがる。
「何なんだよ、てめぇら。」
ロックのその質問に答えるものは、誰もいなかった。
「どう考えても、“こいつ”狙いだな。」
ロックはアリエラを指さすと、彼らの何人かがピクリと反応を示した。
「図星か…だったら、返り討ちにするまでだな。」
ロックは勢いよく男たちに突っ込む。
『部分石化』
ロックは左手を部分石化させ、さっき振り下ろされた男の持った鍬を右手で固定し、石化させた左手で思いっきり鍬の鍬平を破壊した。
「ひっ」
男の一人が情けない声を上げ、鍬を離す。
バキッ
鍬を持っていた男はロックに鍬の柄の部分で思いっきりぶっ叩かれた。
「よくも俺の仲間をぉ」
ロックの背後から男が手斧を振り下ろす。
ガッ
ロックは鍬平のない鍬を背後の男の顔に投げ、ひるんだところをドロップキックで吹き飛ばす。
「今だ!」
鎌を持った男が空中で体を翻し、鍬平のない鍬を掴んだロックに向かって、鎌を振り下ろす。
ヒュッ
鎌はロックの額を掠め、鍬を両断したが、ロックは刹那にその二つに切れた鍬の柄をそのまま男の口に無理やり入れ、そのまま柄を掴み、岩に投げつけた。
「おい、これでもまだかかってくるのか?」
ロックは怒気の含んだ声を上げると、男たちはそそくさとけが人を抱え去っていった。
「アリエラ、今日はもう帰んな。明日、俺はまた来るから。」
アリエラは頷くと海中へ潜っていった。
「なんだか、いやな予感がするな。」
強い海風に吹かれながら、ロックは海辺を後にした。その不安が現実になることも知らずに…。
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