第60話 どっちにするの?~サルの水練、人魚の木登り~
「只今、帰りましたっと」
深夜、ロックは真珠の首飾りをかけたまま、宿に戻る。
「お帰り、今日も帰りが遅かっ・・・・。」
イリスはロックの首飾りを見て愕然とする。
「なによ、そのネックレス?」
イリスは怒りに満ちた声色でロックに問いかけた。
「えっ、これはあれだ、あの~」
「(ロックの)女でしょ。」
イリスの声が殺気で溢れかえっている。
「(生物学的に)女です。」
ロックはあまりの恐ろしさに反射的に答えてしまった。
パチン
イリスが思いっきりロックの頬をビンタした。
「いったぁぁぁ」
ロックは頬を押さえる。
「あぁ、今回ばかりはロックの朴念仁っぷりを擁護できないな。」
「だね、ここまでくるともはや才能だよ。」
ルートとビートは遠目で二人を見る。
「もういい。」
イリスは外へ駆け出して行った。
「おい、ロック、何してんだよ。」
ルートはロックの胸倉をグイっとつかむ。
「えっ!」
「見損なったよ、ロック。」
「えっ、えっ!」
「えっ、じゃねぇよ。イリスを連れ戻して来いって。今ならまだ間に合う。」
「って、言ったって俺には何のことだか。」
「いいから行け。」
ロックは二人に宿を追い出されてしまう。
一方、イリスはアリエラとロックの遊び場である海辺でたたずんでいた
「もう、いいや。」
イリスは水平線に向かってゆっくりと歩いていく。
「私も、私だって・・・」
イリスの腰まで海水が浸かる。
「おーい、イリス!待ってくれぇー。」
ロックは後ろからイリスを抱きしめる。
「ごめん、俺、お前の事何にもわかってなかった。」
ロックが抱き着いた衝撃で水面に波紋が立つ。
「あれから、考えたんだ。俺、お前の気持ちを全然考えずに行動してた。」
イリスは黙ってうなずく。
「嫌だったよな。だって多分さお前、俺の事・・・」
ロックが言い切る前に、イリスは振り向きロックの口に接吻を交わす。
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