第53話 決着~千刃を斬る~
キーン
不死殺しの剣が弾かれ宙を舞う。
「馬鹿な!」
ミルテは剣が飛ぶ空を見上げながら、拳を強く握りしめる。
「ショウブ、アッタナ。」
ニルがミルテの後ろで腕から生やした刀身を振り下ろす。
「ハァァァ」
バキバキ
ミルテは両腕でニルの刃を受け止めるが、そのまま骨が折られ吹き飛ばされる。
「コレデ、ツルギ、モテナイ。」
ニルは冷静にミルテを見下ろす。
「な、何故だ・・・。」
ミルテはニルが先ほどハリセンボンを発動した位置を観察する。
「ハッ!無数の刃が固まった雪に刺さって固定されている。」
ニルはため息をつく。
「まさか、お前、出した自分の刃をあえてすべて切り落とし、地面に降り積もった雪を固めた塊にその刃をぶっ刺すことで位置を誤認させたのか!」
「ダイセイカイ」
ニルは大口を開けて笑う。
「クッソ」
(大丈夫だ。俺まだチャンスはある。腕は折れたが、靴に仕込んだ不死殺しの刃の欠片、これで奴の喉元を掻っ切れば勝機はある。)
ミルテは尻餅をつく。
「うぅ、こ、殺さないでくれ。」
ミルテは涙目でニルを見上げる。
「なぁ、頼むよ。お前の後ろの奴も頷いていることだしさ。」
ニルは後ろを振り向くがそこには誰もいない。
(かかったな、馬鹿が。)
ミルテはよそ見をしたニルに向かって不死殺しの剣の欠片を仕込んだ靴で蹴りを入れようとする。
しかし、
ガシッ
何者かがミルテの脚を掴む。
「誰だ!」
ミルテは睨みをきかせる。
「フェンリル!」
ニルは喜びの声を上げた。
「ん、誰?」
ニルは急いで顔に包帯を巻きつける。
「えぇ、ニル君!?」
ニルは笑顔で首を縦に振る。
「俺の脚を離せ。このケダモノ。」
ミルテは威勢よくフェンリルに食い下がる。
フェンリルは状況を瞬時に理解し、ミルテを空へ投げ飛ばす。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ニルが間髪入れずにミルテを空中で持っていた縄を使って捕縛した。
「ぐわっ」
ミルテはそのまま地面に叩きつけられ、衝撃でそのまま気絶した。
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