第52話 生きたい不死身~電化の宝刀~
「ハッ!」
ニルは倒れこんでいた。
(カラダ、ウゴク。)
彼は手で腹をさする。
(ツルギ、ヌケタ。カンガエテルヒマ、ナイ。)
ニルは立ち上がる。
「おっと、まだ動くのか!お前の腹にまだ風穴が空いてるというのに!」
ニルはもう一度腹をさする。
(オナカ、カラッポダ)
ニルは自分の空いた穴に手を突っ込み、そのまま引きちぎる。
「コレデ、イイ。」
引きちぎった腕は生えることで再生し、腹の傷は彼の手でふさがり出血が止まった。
「バケモンかよ。」
ミルテは顔を青ざめた。
「イイヤ、ボクハ、エルフダ。」
そういうと、ニルは顔に巻かれていた包帯を取る。
「その長い耳、真っすぐ通った鼻筋、お前まさか本当に・・・!」
ニルの銀髪が月明かりに反射し、キラキラと光る。
「まぁ、エルフだろうが何だろうが俺はお前を殺すことに変わりはない。」
ニルはミルテに構わず、目を瞑る。
(パパ、ママ、ボクニチカラヲカシテクレ。ボクハ、ヤッパリ・・・。)
ニルはアリスたちの顔を思い浮かべる。
(コンナトコロデ・・・)
ミルテは剣を振りかぶる。
「隙だらけだなぁ、おい。」
ニルはバックステップで彼の攻撃を避けた。
(コンナトコロデ、シニタクナイ。)
ニルは思いっきり息を吸い、叫ぶ。
『ハリセンボン』
ニルの体から無数の刃が飛び出し、ミルテの視界を塞ぐ。
『エレキレ』
飛び出した無数の刃に電流が流れる。
「なるほど、これじゃ俺も迂闊にお前に近づけないな。」
ミルテは皮肉交じりに笑う。
「だが、ニル、お前は一つ大きな勘違いをしている。お前は刃によって俺の視界を塞ぐことで俺が攻撃できないと考えているんだろ。」
ミルテは不死殺しの剣をやり投げの構えで持つ。
「しかし、刃はお前の体から生えているということは、お前の位置はすべての刃を直線としたときに交わる位置。つまり、そこだぁ!」
ミルテは思いっきり不死殺しの剣を投げた。
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