第39話 アリスのファンボ~鉄桶水を漏らさず~
ペロペロペロペロ
アリスは雌狼の獣人にアイスキャンディーのように舐めまわされていた。
(なにこれ)
「会いたかったー。会いたかったよー。アリスー」
獣人はアリスを知っているような口振りだった。
「えーっと、誰ですかあなた?」
アリスは自分の顔を舐める獣人に恐る恐る声をかける。
「あぁ、そっか、アリスはあたいの事知らないもんね。あたいの名前はフェンリル。狼の獣人で、今は北の国のギルドの受付嬢してるね。」
フェンリルを名乗る獣人はアリスに微笑みかける。
「それでフェンリルさんは、なんで、私のことをご存じで?」
アリスはまだ少し身構えている。
「これよ、これ」
フェンリルは自身の体毛にしまっていた新聞を取り出すと、開いてアリスに見せつけた。
「これって・・・、私達のパーティについて書かれた記事?」
アリスはフェンリルの唾液でべとべとになった顔を持っていたタオルで拭く。
「そう!」
フェンリルは嬉しそうに答えた。
「“ギルド最速ランクアップの期待のルーキー、ついに北の国へ!”って、こんな新聞記事誰が書いたの
よ!せめて、取材許可ぐらいとりなさいよ。」
アリスは手渡された新聞をくしゃりと握りしめた。
「あわわわわわ」
エレノアは膝をガクガクと揺らし、身動きが取れずにいた。
「ん、この子は?」
フェンリルはエレノアを指さす。
「新しいパーティのメンバーです。」
「へぇ、仮面被ってるけど?」
「あぁ、この子恥ずかしがりやなんです。」
「そうなのね、ごめんね。驚かせちゃって。」
フェンリルはエレノアに手を差し伸べる。
「あぅ、う、うん」
エレノアは涙目になりながら、フェンリルの手を取った。
その時、
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ、その人を離せぇ。」
ロックとニルはそれぞれフェンリルの顔面と胴体目掛けて飛び蹴りを繰り出した。
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