第32話 ざまぁ見やがれクソ兄貴~池の底にも幾万年~
「へ、へへっ、こえぇな。初めてだぜ、お前がそんなに怒るとこを見るのは。」
ストーンはヘラヘラと笑っている。
「て、てめぇ」
ロックはストーンの額に向かって右拳をハンマーのように振り下ろした。
『部分石化』
ストーンは額を石化させ、勢いよく振り下ろしたロックの右拳を粉砕した。
「グッ」
ロックは再び彼の顔を掴むと、立ち入り禁止の病院の屋上まで誰にもすれ違わないようにストーンを引きずった。
「なんだ?屋上?」
ロックがストーンを放り投げる。ストーンは体が動かせないながら、必死で首を回し、周囲を見渡した。
降る雪が彼らを包んでいた。
「おい、お前、俺をどうする気だ?俺をここにほっぽり出したままにしても、直ぐ病院の人間に俺が見つけ出されて、お前が悪いって事になっちまうぜ。そうなりゃ、お前の楽しい旅も、もう終わりだな。それによ、俺のバックにはあの東の国最大の密輸組織、オルビスがついてんだからな。この意味、いくら馬鹿なお前でもわかるよな。」
ロックは気だるそうにストーンを見下ろす。
「おい、聞いてんのか、・・・うっ!」
ロックはストーンの首を掴むと、そのまま屋上からストーンを投げた。
(クッ、ロックの野郎、感情に任せて俺を地面に叩き落して殺す気だな。そうはさせねぇ。)
『部分石化』
ストーンは全身を石化させる。
しかし、ストーンの予想とは裏腹に、彼の体は水の張ったひょうたん型池の底に落とされた。
(なっ、なんだと、まさか奴は全身を石化した状態で体を動かせないことを利用して、俺を封印したのか!くっ、だめだ、もう手遅れだ。助けが来るのを待つしかねぇ。クソ、クソ、チクショウ。)
ストーンは深く暗い水の底へ沈んでいく、もしかすると自分の仲間たちが助けに来てくれるかもしれない。そう淡い期待を抱きながら。
屋上から降りたロックは院内の廊下で、二人で世間話をする看護師とすれ違う。
「ねぇ、聞いて、うちの病院にある池、もうすぐ埋め立てられるらしいよ。」
「へぇ、まぁ、確かに前に患者さんが落ちて死んじゃったし、仕方ないわよね。」
ロックはその二人の看護師の会話を聞き、誰にも見られぬように口角を上げた。
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