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知逆転移  作者: Curry&Rice
第二章 北の国編

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第31話 種明かし~病院の中にも半年~

融解:固体が液体に状態変化すること。(wikipedia参照)

重心:重力が作用する合力の作用点。(wikipedia参照)

ストーンは病室のベッドで目を覚ます。


「こ、ここは・・・、病院か!」


ストーンの目に病室の窓に映る凍ったひょうたん型の特徴的な形の池とその池の周りで老人を乗せた車いすを押して歩く看護師らしき人物の服装から、ストーンは北の国(正式名称ノリス)のノリス中央病院であることを瞬時に理解した。


「やっと、目が覚めたか。」


ストーンの隣のベッドで寝転がるロックは満足げに彼を見ていた。


「ロック、貴様ぁ・・・ッ」


ストーンは体を起こそうとすると、強い痛みに襲われた。


「なぁ、無理すんなよ。一応、お前は後半年間はここで安静にしなきゃいけない病人なんだからさ。まぁ、俺は今すぐにでも、退院できるけどな。」

「なっ、どういうことだ?」

「説明してやるよ・・・。それは・・・。」



それは、三日前。雪まつりでストーンがロックに逆関節をきめ、ロックが石化で防御するしかなく、一方的に蹂躙されていた時、実は、アリスとニルはその様子を巨大な雪玉の後ろから傍観していたのだ。


「ニル君、加勢するよ。」

「ムリダ。アイツ、ツヨイ。ボクタチ、フイウチデモ、カチメナイ。」

「ウーン、どうしようか・・・。そうだ!」


アリスは腕の太さほどある木の棒を遠くから持ってくると、雪玉の下の地面に差し込み、てこのように使い、雪玉を押し出そうとする。


「ウゴカナイヨ、ソンナコトシテモ、ユキダマハ。ダッテ、アリスジシンガ、ヒャクニンガオシテモ、ウゴカセナイッテ、イッテタ。」

「もちろん、これだけでこの雪玉を転がせるなんて思ってないわ。ニル君、私の身長より、少し高い位置の雪玉の雪を、私から見て手前側の方だけ溶かしてくれない?」

「ワ、ワカッタ、『ファイロ』」


雪玉のアリス側の部分がニルの放った火球で風穴が空く。

すると、

ゴゴゴゴゴ・・・

雪玉がロックとストーンが戦っている方に転がり始めた。


「な、何だとー」


ドシーン

ロックとストーンを押しつぶし、雪玉は止まった。


「よし、成功。」

「アリス、イッタイ、ドウイウコトダ?」

「ニル君が雪玉から見て、私たちの居る側を溶かしたことで、重心がロック達の居る方に傾いたのだから、重心位置が下に来る、つまり安定するように雪玉が動くことで、雪玉が転がり、敵を押しつぶして、尚且つ、少し転がせば、風穴の空いた雪玉の重心が下に来ることで安定するから、他の雪像に当たらないように止めることができたって訳。」


アリスは得意げに語った。


「ナンカ、スゲー」


ニルは目をキラキラ光らせ、アリスを羨望の眼差しで見つめた。


「ニル君、ロックと戦っていた人を先に救出するよ。」

「ロックガ、サキジャナイノカ?」

「ロックは全身を石化させた状態で、雪玉の下敷きになった。前も、ロックが石化した状態で危険な目にあった時があったけど、基本的に全身を石化している間は無敵みたいだね。だから、ほぼ生身の状態で、雪玉の下敷きになった敵さんの方を探さないといけない。」


アリスは手で掘り起こし、ニルは体から出した刀身を炎魔法で雪を溶かし、ロックとストーンの二人をそれぞれ見つけ出した。

そして、ストーンは雪玉に全身を強く打ち付け、意識を失い。三日間この病室で寝てしまっていた。



「―という訳だ。」

ロックは一部始終を語り終えた。


「クッソ、殺してやる。退院したら、お前らをぶっ殺してやる。」


ストーンは全身に力が入らない状態で、眼輪筋だけを痙攣させていた。


「まずは、あのアリスって女だ。アイツさえ居なければ。クッソ、殺してやる。奴の腸をえぐりだして、喉を、ウグッ。」


ロックはストーンの顔面の下半分を思いっきりつかんだ。


「もう一回、言ってみろ。」


ロックは般若のような形相でストーンを睨んだ。


ぜひ、ブックマークを登録して、お読みいただけたら幸いです。

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