第25話 入国、即襲撃~馬車も歩けば、氷弾にあたる~
(トンネルを抜けるとそこは雪国だった。なーんて、言ってみたりして。)
アリスは馬車から身を乗り出して、外の様子をうかがっていた。
北の国の家は木でできており、窓が小さく、外に家の中の熱が逃げにくい構造になっていた。
(今は降ってないけど、北の国って、日常的に雪が降るのかなぁ。)
雪の積もった家の屋根を見ながらアリスはぼんやりと考えていた。
「アリス、ちょっとこっちに来てくれ。」
ロックがアリスを手招きする。
「何?」
アリスは馬車の中で膝をついて座っているロックに近寄る。
「ナァ、コレナンダ?」
一方、ニルは御者にバケツを突きつけていた。
「あぁ、これはエチケットバケツです。馬車酔いしたお客様が車内を汚さないために用意しております。」
「ヘェ、ソウナノカ。」
「おい、ニル坊もこっちに来てくれ。」
ロックはニルに呼びかける。
「ナンダ?」
「外から、殺気を感じる。今すぐ、この馬車を降りるぞ。」
「降りたら、余計危なくない?」
「タシカニ。」
ニルは相槌を打つ。
「いや、こんな狭い馬車の中で、襲撃されたらそれこそ危ない。外の方が、周りに人がいる分、やりづらいだろ・・・多分。」
「ギョシャモ、アブナイ。ボク、ギョシャ、マモル。フタリヒトクミデ、ココヲデヨウ。」
「ニル君、ちょっと考えがあるんだけど・・・。」
アリスはニルに耳打ちした。
「ワカッタ、ソノダンドリ、オボエタ。」
「よし、じゃぁ、俺とアリスは後ろから。ニル坊と御者さんは前から出るぞ。」
「3」
ロックはカウントダウンを始めた。
「2」
ニルが御者を抱えた。
「ひぃ!ちょっと、お客さん、何してるんですか!」
ロックはアリスを負ぶった。
「1」
アリスはロックを離さないために、思いっきり腕で自分の体を固定する。
「今だ!」
アリスとロック、ニルと御者はそれぞれ一斉に馬車から飛び降りた。
次の瞬間、
ズドドドドド
馬車に氷弾が撃ち込まれ、氷弾が馬車の客を乗せるためのキャビンの木板を紙のように貫く。
ぜひ、ブックマークを登録して、お読みいただけたら幸いです。




