第22話 逆転と新たなる目的~続いていく彼らの旅~
水素爆発:気体の水素によって起こるガス爆発。
電気分解:電解質の溶液に電極を差し込み、電気エネルギーで分解反応を起こすこと。
「プハッ」
ニルは自分を下敷きにしていた瓦礫を押しのけ、立ち上がった。
「ロック、アリス、ドコダ?」
「ここだ、ニル坊」
ニルの背後にロックとアリスが立っていた。
「ヨカッタ、ミンナ、ブジ」
「しかし、まさか本当に水の電気分解から生じた水素を使った爆発作戦が、ここまでうまくいくとは私も思ってなかったよ。」
「だな、ついでに俺がアリスを庇うのがちょっとでも遅れていたら、二人ともお陀仏だったから本当にギリギリだったって感じだな。」
「ダナ、ダナ。」
ニルは首を大きく縦に振った。
「あ、うぅ、あぁ」
ガシッ
アリスの脚を下半身が瓦礫で動かせないイグニスが弱々しくつかんだ。
「し、師匠、生きていたんですか!」
ロックとニルは戦闘態勢に入る。
「待って、二人ともこの人には聞かなきゃいけないことがある。」
アリスは勢いよく、彼らを制止する。
「アリス、なぜ、なぜ私がお前に勝てなかったと思う?」
イグニスは今にもこと切れそうな声で、アリスに話しかけた。
「簡単なことです。私が勝てたのは、仲間とあなたを『信じていた』からですよ。」
アリスの顔が綻んだ。
「私もか?・・・仲間、だけでなく。」
「はい、師匠が、もし今日ここに来てくれなければ、本当に、私達には勝ち目はなかったですから。」
「そ、そうか、・・・フッ、フハハハハハ、負けた、完全敗北だ。」
イグニスは満足げな表情を浮かべた。
「アリス、色々聞きたいだろうが、もう・・・、私は限界だ。帝国に行け、お前の知りたい全ては、・・・そこに、あ・・る。」
イグニスはそう言い残すと、静かにこと切れた。
「アリス!」
ミリナが倒壊したデリシャズキッチンの残骸を押しのけ、アリスに抱き着く。
「アリス、アリス、アリス」
ミリナはアリスにほおずりをした。
「ちょっと、ミリナ、髪の毛くすぐったいよ。」
アリスは困惑しつつも、彼女の背中をそっと撫でた。
「ただいま」
アリスはミリナの耳元で囁いた。
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