第21話 最弱パーティ、最強を出し抜く~ロジックマジマッチ~
「オラー」
パンの材料の棚に隠れていたニルが棚を倒し、イグニスが放った火球に棚をぶつける。
メラメラと棚は勢いよく燃え、棚に置かれていた塩や砂糖の入った袋が灰になり、白く濁った水にそれらが溶け出した。
「貴様ぁ!サシで挑むといったのは嘘か!」
『ファイロ』
ニルはイグニスに小さな火の玉を放った。
しかし、
『ファイロ』
イグニスの放つ火球の前に、それは意味をなさなかった。
イグニスの火球がニルの火の玉を取り込み、ニルの目の前で爆ぜる。
「フッ」
イグニスは嘲笑を浮かべた。
「ドコ、ミテル?」
イグニスの真上に跳んだニルはそのままイグニスの頭上から自分の掌から出した刀身を振り下ろす。だが、イグニスはそれを寸で避けた。
『エレキレ』
ニルは振り下ろした刀身を溜まった雨水に浸けながら、雷属性の呪文を唱えた。
ひざ下まで溜まった水の上を気泡が弾け、バチッと強烈な火花が散り、イグニスは感電する。
「う、うがぁー」
(くっ、塩を溜まった雨水に溶かすことで、電気を流れやすくしたのか!だが・・・)
イグニスは感電しながら、ニルの首元を掴み、そのまま壁に向かって投げつけた。
「このクソガキがぁ!」
ニルは壁にめり込む。しかし、彼の手から伸ばした刀身は、溜まった雨水に電流を流し続けていた。
「煩わしい、終わりにしてやる。」
『全体石化』
イグニスがニルに夢中になっている隙に、体の小さなアリスを包み込むように抱きながら、ロックは全身を石化した。
「い、いつの間に!」
「コレデ、トドメダ。」
ニルは掌をイグニスに向け詠唱の準備を始めた。イグニスは横目でニルを見る。
「今更、貴様の攻撃なぞ、効かんわ。」
(奴の魔術のレベルは私の前ではお話にならない。しかし、今の奴の態度、何かがおかしい。まさか・・・、そうか、そういうことか!)
イグニスの表情から、余裕が消えた。
「ま、待て、やめろ」
『ファイロ』
その瞬間、ニルの掌から出た火の玉は空中で大きく膨張し、重々しい響きとともに材料庫だけでなく、店全体が崩壊するほどの爆発を引き起こした
爆発で生じた黒い煙が空を漂う、ミリナはその煙をただ遠くの窓のガラス越しから見ることしかできなかった。
「アリス、本当に帰ってくるよね。」
西の空には暗雲が立ち込め、黒煙を覆い隠そうとしていた。
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