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呪い姫を抱きしめたら月詠の導師に覚醒したので、王子を〆て姫を救う旅に出ます  作者: 輪三


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見つかる希望

オレは信じられなくて思わず声がでた。


「作るですか?『神代の雫(エリクサー)』を・・・・。そんなことは

可能なのですか?本当に?」


「まぁそう思うのは無理は無い。これは私の解呪薬を作る時に

偶然発見した製造方法と、かの『深奥迷宮ディープダンジョン』で設計図を手に

入れたから可能になった話なんだ」


「じゃあ本当に・・・・」


オレはフェリ様を見た。冷静な目をしていた。

マリアは喜色を浮かべている。

他の者も喜色を表していた。


「ああ理論上は可能だ。だが当然だが、簡単ではない」


「・・・・・そうですよね・・・・」


オレ達は一喜一憂しているが、フェリ様はやはり冷静だった。

オレも冷静にならねば。

ソレスタリア様が口を開く。


「制作にあたって必要なのは材料。その上で設備、製作者、そして何よりお金だ」


「材料、設備、製作者、お金」


「順番にいこう。まず材料だが、既知の物で手に入りやすい物から、

不可能ではないが非常に貴重で入手が困難な物まである。これは今度

お前達がこちらに来る時までにリストアップしておこう」


オレ達を見回し、さらに続ける。


「そして設備と製作者はあてはある。まず設備はある研究所で作らせ

るが、これはそこの場所という意味になる。完全な密閉された部屋と

喚起設備が整っている場所があるということでしかない。


製造する機器は一から作成せねばならず、材料はミスリルと一部オリハル

コンを使用せねばならない。

この意味が分かるか?」


「お金がかかるということですね」


「そうだ・・・。ちなみに作成者にもお金で依頼しなければならないし、

優先的に作らせるには、またお金がかかる」


「具体的にはいくらかかるのですか?」


誰かが唾を飲むののが聞こえた。


「白金貨3枚はかかるであろうな」


皆が一斉に溜息をついた。マリアが「そんなお金用意できない」とか言って

嘆いている。

だが


「持ち合わせています」


「「「エっ!」」」


とみんながオレを見た。

そうオレは持っているのだ。

もう一度言った。


「持っています。白金貨10枚までなら出せます」


皆絶句している。


「私の御主人様はお金持ち・・・・玉残し!」


アヤメは例によって放っておく。


「リョーマ様!実は理想の王子様かも・・・・・」


リシェルナ様まで変なことを言っている。目が怖いのだが・・・。


「スゴイな、聖月山はそんなに貯えがあるのか?」


目を丸くしてソレスタリア様が言った。


「いえ、これは北条殿から授けられたお金です」


「何!宗時ということは・・・・・お前、まさか・・・」


その後は声を出さずに『櫻倭国の』と唇の動きだけで伝えてきた。


「それについてはまだ・・・・・」


とだけ答えた。

皆はいぶかしんでいる。


「まぁそれは今はイイか。・・・・・だが!それだけの金があれば、

展望は明るいぞ!」


「リョーマ待って下さい。そのような大金、私の解呪のために使う

など、やめてください!」


フェリ様が真剣な声で叫んだ。

きっとそう言うと思った。だから笑顔ではっきりと告げることにする。


「フェリ様、やめません」


「そんな・・・・・だって・・・・・・!」


オレはフェリ様を抱きしめた。


「アっ!・・・・・・」


オレは抱きしめながら、その瞳をジッと見つめる。

恥ずかしいとか言わない。思わないことにした。

ちゃんと伝える。


「このお金は偶然、巡り合わせで手に入れました。オレもはじめは戸惑い

ました。でも父様に言われたのです。

『お金で解決できることもある。きる金にすればイイ』と。


今がその時です。フェリ様、変な遠慮はやめましょう。ここにいる皆は

あなたの呪いを解くことを最優先にしているのですから」


フェリ様は涙を流し、小さく「はい」とだけ言って下を向いた。

オレはハンカチで目元に優しくあてた。

マリアも抱きついてきた。


「姉様良かったね」


マリアも泣いていた。

アヤメも抱きついてくる、オレに後ろからだ。

コレットも少し遠慮しながら手を伸ばしてきた。


オレは場所を開け、コレットをフェリ様の正面に譲った。

驚いて遠慮しようとしたが、フェリ様が気付いてコレットを

抱きしめた。コレットが「姫様」と言って嗚咽おえつを漏らしていた。


オレも後ろから抱きつくアヤメの手に自分の手を重ねた。


「お前達イイ関係だな」


ソレスタリア様の声に、なぜかリシェルナ様がボロボロ泣き

ながら


「本当に素敵な関係ですね。うらやましいです」


と言った。

アルヴィス様は真剣な目をしてこちらを見ていた。


「私も決めなければ・・・・・」


と小声で言っていたのは何だろうか?


「さておおよそ見えてきたな。具体的な話は明後日にしよう。こちらも

改めて調べねばならぬことが多いからな。リョーマ覚悟しておけよ、

忙しくなるぞ!お前には飛び回ってもらうことになる」


「はい!」


「それとリョーマ、明日聖雷山に行くのに私も同道する。座主であるジジイ

がきっとお前にからむだろうからな」


からまれるのですか?」


はて面識も無いのに?


「うむ。そこでだ、それを逆手に取って『神代の雫(エリクサー)』の

重要な材料を分捕ぶんどるぞ!」


分捕ぶんどるですか?」


不穏な響きだけど・・・・。


「そうだ、お前は戦う覚悟をしておけ!」


ソレスタリア様はニヤリと悪い笑顔を浮かべた。

オレは不安になってきた。


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