お金の活かし方?
「師・・・匠・・・ーーーーー」
リシェルナと呼ばれた女性が低い声を出した。
「ついにこんな年端のいかない子までーーーー」
「ま、待てリシェル落ち着け!いや・・・その何だ、ついだな
・・・オっそうだ、宗親の手紙に・・・・・」
「ムネチカ?・・・アレっ何か聞いたことありますよ?
確か・・・・私の兄弟子になる非常に優秀だったとか・・・」
「そうだ、あいつは優秀な闇魔術師だ!そうじゃなくて、君は
・・・書いてあったリョーマ・マークスだったな?」
「はい、私は・・・・・」
いきなりまた抱きしめられた。
「師匠!また・・・・」
「今代の月詠の導師よ・・・・よく会いにきてくれた!」
「え・・・?今代の月詠・・・・・聖導師様何ですか!」
抱擁から解放し、またマジマジと見つめられた。
また瞳が潤んでいる。
「はい、ソレスタリア様・・・・・」
これだけ色々あると何を話して良いかわからない。
2人で見つめ合っているとリシェルナと呼ばれた女性が
「あのリョウマ導師、師匠が失礼いたしました。私は弟子の
リシェルナ・フェルスと申します」
貴人に対するように右手を折り曲げるように肩に当て、頭を下げた。
「頭をお上げ下さい、申し遅れましたリョーマ・マークスです」
そう言うとニッコリと笑顔を向けられた。
薄緑色の髪は右側で結わられ、サイドテールだ。賢者様程では無いが、
小さな顔は整っていて、好奇心を隠さない瞳は輝いて見えた。
エルフかと見えたが耳は少し小さく尖っていて、ハーフエルフかと思われた。
ふと周りを見渡すと
「ここじゃあ目立ちますね、場所を変えましょうか?」
「そうですね、では私の泊まっている『雷鳥の憩い亭』ではどうでしょうか?」
「流石、イイとこ泊まってますね。師匠どうですか?」
「ア・・・いや・・・うーん・・そうだな・・・・・」
何か悩んでいるようだ。違うところの方が良いのかな?
「師匠?」
「いや・・・すまない・・・。リョーマ、日を改めても良いか?」
「はい、もちろん構いません」
「すまない・・・。その少し落ち着きたくてな・・・明日の予定はどうだ?」
「はい明日なら特に予定はございません」
「決まりだな、13時位に迎えをやる。リシェル頼まれたくれるか?」
「はい、構いませんが師匠、二度寝ないでくださいね?」
「ば、馬鹿なことを言うな!・・・リョーマの前でまったく・・・」
賢者様がブツブツ言っている。
「では、明日迎えをお待ちしています。賢者様、私以外にも会って欲しい方が
いるのですが。同道してもよろしいでしょうか?」
「アっそうか・・・手紙に書いてあった・・・・」
声を落として
「呪い姫だな?」
「はい」
「無論だ。同道されよ。歩けるのか?」
「街の郊外程度の距離ならば」
「ならば明日、拙宅で待つとしよう」
話がまとまり店を出ようとすると、店主らしい太った丸耳の
狸の獣人だろうか?に声をかけられた。
「おい、賢者様。そろそろツケが溜まっているよ。払って
もらわねえと・・・」
「・・・亭主・・・・その・・・」
リシェルナ様の方を見て冷や汗を流している。
「ハぁ」と溜息をつくとリシェルナ様が
「もう師匠はまったく・・・。ごめんなさいご亭主いくらですか?」
「金貨1枚と銀貨47枚だ」
「金貨!ど、どんだけ溜めているんですか師匠!」
「おい亭主、流石にそれは間違いじゃないか?」
「いんや、間違いじゃねえ。あんたこの前来た時に、冒険者のグループ
と飲み比べをして負けただろう?そん時に「私が全部払う!」って言い切って
いたじゃねか。それと1か月前に雷酒も一本、意気投合した旅の男と空けて
、その男をお持ち帰りしてたじゃねえか。それと・・・・・」
「もうイイ亭主分かった!払うよ、払うから・・・・もう勘弁してくれ」
賢者様が泣いていた。
「師匠!何をやっているのですか!金貨なんて持っていませんし、家にもありません」
「いや、そんなことないだろう?この前の古書の解読のお金が・・・・」
「アレは師匠が買った錬金道具の払いで消えました!」
「じゃ、じゃあ、この前に冒険者の持ってきた呪い槍の解呪の金が・・・」
「あれは生活費と師匠の書物代でとっくにありません!」
「じゃあじゃあ・・・・・」
何だろうこの残念感、賢者と聞いていたのに・・・・。
「あの私が立て替えますよ」
「オっすまねえなぁ。ん、釣りか」
そっと金貨2枚を亭主に渡しそっと亭主にささやく
「釣りは良いです。今後のツケに回して下さい」
「そうか、スマンな・・・・。あんたまだこの街に滞在するなら
飲みにきてくれ。ウチは料理も自慢だ!」
「はい、必ず!」
亭主が厨房に下がっていった。
「すまぬリョーマ・・・・・」
「ごめんなさい、リョーマ導師・・・・もう恥ずかしいです師匠」
オレは苦笑いして店を後にした。
これが生きるお金の使い方なのかな?




