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呪い姫を抱きしめたら月詠の導師に覚醒したので、王子を〆て姫を救う旅に出ます  作者: 輪三


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掃討と救援

太刀で受け、弾き返す。


「受けるか小僧・・・・お前も刀を遣うのだな」


こいつがマグの言っていた先生と呼ばれている男だろう。


「ああそうだ。お前は侍か?」


正眼に構え、今度はこちらから斬りつける。なるばく結界から

離さねば。

大きく振り少しづつ遠くに追いやった。


「左様、櫻倭国浪人『押切おしきり佐内さない』だ」


八双の構えからの上段斬り突きが三連、逆袈裟と連撃が続く。


「どうした、防戦一方ではないか!ほらほら」


連撃が続くが・・・・・。

正直・・・・・。


オレは袈裟切りをギリギリで見切り、踏み込むとすれ違うように

胴を斬った。


「ナっ!・・・」


そのまま振り返り頸動脈を斬り、とどめとした。

櫻倭国の侍と言っていたが、それほど強く無かった。

辺りを見まわす。


ルバと盗賊の頭ロンバーが、斧で激しく打ち合っている。

見た感じ、ルバの方が断然腕は上であろう。

すでにロンバーは身体中から血を流していた。


アヤメは土魔術師の『モグラのバウラ』に止めを刺していた。

こちらも大丈夫だ。

残敵を掃討しよう。2人だけ手を汚させる訳にはいかない。


隙を見てルバを斬ろうと伺っている盗賊に『月瞬』で近づくと

頸動脈を斬っていく。

突然仲間が血を吹き出し、倒れたのを見て2人の盗賊がギョっとした

顔をした。


構わず斬り捨てた。

こいつらに情けは無用だ、己にそう言い聞かせる。


「クソっ!何なんだお前ら・・・ギャア!」


ルバの斧がロンバーの腕を斬り落とし、跳躍すると斧をロンバー

の頭に叩きこんだ。

悲鳴1つ上げずにドオと倒れた。


それを見て盗賊達が逃げ出した。

飛び針のピーニャの後ろ姿も見える

アヤメが後を追い、追いついた者を斬り捨てていく。


「アヤメ、程ほどで戻れ」


「承知」


その時だ、遠くから馬蹄の響きが聞こえた。


「リョーマ、味方かのう?」


「恐らくはそうだと・・・・」


ルバが斧をかついでやって来る。

程なく騎兵が100騎程駆けてきた。

さらにオオイヌにまたがったいたち族の少年も来た。


「キトル!」


ダルアの叫びにキトルがダルアに駆け寄る。


「無事だったか!」


「うん」


2人が再会を喜び合う。


「リョーマ様!」


「コレット!誘導してくれたんだね」


「はい!」


1人の騎士の馬上にコレットが乗っていた。


「馬上から失礼する。貴公達が、盗賊共を討伐したのか?」


隊長らしき兜に房飾ふさかざりの着いたの男に声を掛けられた。


「はい。ほぼ処理しましたが、数人は逃亡したかと思います」


「御助力感謝する。失礼」


「お前達、残敵がいる。掃討せよ、このお方の仲間と間違えるなよ。

行け」


そう言うと馬から降りた。


「失礼した。私は西部第4駐屯地、第一部隊隊長のギリアーノと申します。

貴公のお名前を頂戴したい?」


「私は聖月山より参りました、月詠の導師リョーマ・マークスと

申します」


「何と!これは・・・・」


慌てて膝を付こうとするので止めた」


「このような場所なれば礼は無用に願います。ギリアーノ殿」


「では、そのように。お尋ねしたい、助かった者はいますか?」


「あちらにいる聖雷山の巫女3名護衛と思われるの女性1名と少年が1名。

まだ未確認ですが、盗賊(いわ)く男は皆殺したとのことです」


「そうですか・・・・。巫女方が救われたことだけは良かった。

お会いしたいのですが」


少し考え口を開く。


「ギリアーノ殿、4枚程、外套かマントなどをお持ちですか?その・・・

彼女達の名誉の為に申しますが、下着に剥かれただけでその・・・・」


「 ! なるほど承知しました。すぐに用意します。おい誰か・・・・」


すぐに用意された。

コレットに持たせて彼女達に渡されるようにした。

しばらくして彼女達を連れてフェリ様達が来る。


「ああ!巫女様、姉ちゃん達」


ダルアが歓喜の声を上げ、キトルも泣いていた。


「ダルア!キトル!あなた達が助けを呼んでくれたのですね?

ありがとう」


先程気丈(きじょう)に振る舞っていた狐耳巫女が、二人に礼を述べた。

そしてこちらを見る。


「この度は我らの危急を御救いいただき感謝の言葉もございません。

仲間達を代表してお礼申し上げます。申し遅れました私、聖雷山

儀礼局所属、巫女ラヴィニア・テトルド・フォクシリアと申します」



毛布を体に巻いたままだが丁寧に頭を下げてきた。


ギリアーノ殿が小さく「フォクシリア家の」とつぶやき、目線を

かわし頷いた。こちらに譲るようだ。


「私は聖月山より参りました、月詠の導師リョーマ・マークスと申します。

ダルアに救援を要請されました。何とか間に合って良かったです」


「まあ!月詠の導師様!」


驚いて慌てて膝を折ろうとしたので止めた。


「無用ですラヴィニア様、それより脚のお怪我はいかがですか?」


「大丈夫です。お連れ様に治癒魔術をかけていだきました」


そう言ったラヴィニア様と目が合うと、急に赤くなって目を逸らされた。

やばい可愛い。

一瞬見とれていると、フェリ様がやけに低い声で


「リョーマ・・・・他の方々も」


一瞬ビクっとしてから声を上げた。


「ギリアーノ殿こちらが保護した方達です。以後はお願いしても?」


「承知しました、以後はこちらで。遅れてくる後続の部隊には馬車を何台か用意

があります。良ければリョーマ殿達も巫女達も今夜はこの近くに村がございます。そこで一夜お過ごし下さい。この後兵に案内させます。


今夜我々で遺体の確認を致します。

巫女達には可哀そうですが、明日こちらにお戻りいただき、お仲間の遺体をあらためていただかなければなりません」


そう言うと気の毒そうにラヴィニア様達に視線を向けた。


「はい承知致しました」


ラヴィニア様が静かに首肯した。


「聖雷山には救援要請が入った時点でこちらから一報いれてあります。そちらからも

人は来ると思います。それとリョーマ導師は明日はいかが致しますか?

もし先に行かれるなら、馬車をそのままお使いいただいてもかまいませんが?」」


オレはフェリ様と目線を交わし、頷かれたので返事をした。


「我らも明日の遺体確認に同道致します」


「よろしいのですか?お急ぎでは?」


「いいえ、これも何かの縁です。それに我らも聖雷山でお世話になるつもりです。

彼女達とご一緒いただければこちらも心強いです」


そう言って微笑むと「ありがとう存じます」と頭を下げられた。


「ギリアーノ隊長、村に宿泊の件お言葉に甘えます。こちらの仲間は私を含めて6名になります」


「承知しました。ここは掃討の跡で血生臭い、少し下った所を野営場所とします。

火を焚くので、馬車が来るまでそちらでお休みください」


アヤメも戻ってきたのでお言葉に甘えることにした。

その頃には雨がポツポツ降り出してきた。

まさに涙雨のようだった。

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