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呪い姫を抱きしめたら月詠の導師に覚醒したので、王子を〆て姫を救う旅に出ます  作者: 輪三


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盗賊のアジト侵入

「おぉリョーこっちだ」


そう言いながら、マグが砦のちかけている門の前に立つ見張りに

手を上げた。


「マグ他の奴はどうした?ガキを追っていただろう?」


「ああみんな死んだよ。こいつらが助けてくれたんだよ」


「ああん、何だこいつらは?オっいい女じゃねいか!どうするんだ、

金払うからおれに譲れよ」


「ダメだ、この2人がお頭に献上して仲間に入りたいんだと」


「強いのかこいつら?」


「あぁ、他の奴らがやられたのをこいつらが助けてくれた」


「そうか、まあいい入んな」


マグに続き門をくぐった。オレの後に縛られたふりをしているフェリ様と

マリアとダルアがうつむいて続く。最後は縄を持つルバだ。

フェリ様の頭には透明化したルルが乗って守っている。


コレットは街道の脇のやぶに隠れていて、もし救援の兵が来たら案内するよう

待機している。


50人以上いる盗賊達がいくつかの焚火たきびを囲み、酒を飲み肉をかじっていた。


「オっあそこに縛られている女達は何だ?」


先程のアヤメの偵察で知っているがオレはわざと知らないフリをして、広場

中央の台に下着姿で縛られている女達を指さして言った。

盗賊達もその周りで酒を飲みながら、舐めるように女達を眺め、下卑た言葉をかけている。


絶望して身を寄せ合い泣いている3人、1人だけ気丈に男を睨み、縛られているのに

他の子を守る様に胸をはっている者もいた。

それを見て男達が余計に興奮している。

胸くそが悪い光景だ。


「あれか、お前達が捕まえたその小僧の仲間だ。あの睨んでいる狐獣人の巫女がな、

ヘヘ・・おっぱいがたまんねえイイ女だ!」


「そ、そうか、他にもいるな?」


「ああ、他の3人も犬獣人2人に護衛の女剣士は猫獣人だな。ベッピンぞろいだ!

この女達もいるし、今夜は楽しい宴になりそうだぜ」


「そうだな、だがオレ達に回ってくるのか?」


「ああ、まわってはくる。まぁお頭や幹部連中に散々いたぶられた後だ、

ヤルころには、気が狂っているか、半死半生だろうけどな」


オレは内心の怒りとおぞましさに吐き気を覚えながら平静に尋ねた。


「そう言えば男達はどうしたんだ?」


「みんな殺したよ。ウチは人質になりそうな貴族以外は男はすぐに殺す。

女も散々楽しんだら同じ目にあうんだがな」


こいつらを殺すのに何の躊躇ちゅうちょもいらないことがよくわかった。


「だがこれだけ派手にやって、追手は大丈夫か?」


「ああ、ここではこれが最後で移動だな。獣神国は軍がすぐ動くからな、

今回金の他に、神具や女王への献上品もあって結構イイ値がつくと言って

いた。分け前ははずむっていっていたぜ!お前達良い時にきたな」


「待ちなマグ、そいつらは何だ?この女は?ん、イイ男がいるじゃないか!

こいつは捕虜じゃないねぇ。あんた仲間になるのかい?」


「姐さん、そうでさあ。リョーとルバって言います。腕はめっぽう立つ

んでさ!」


「そうかい、あたしゃ『飛び針のピーニャ』だ。リョーあんた可愛い顔し

てるねぇ。フフ、後であたしのところで飲もうや、悪いようにはしないよ」


ビキニアーマーを着たいかにも女盗賊という感じの者が、なれなれしく首筋

を撫でてくる。


「おや赤くなったねえ!アハハ今夜は楽しい宴になるよ!

リョー後でタップリ・・・・・ね」


ウインクして去って行った。

何か最近この手の年上の女性に・・・・・。

やめよう、今は人質の救出を優先せねば。

あと少し近付けば・・・・。


「待て、マグ何だそいつらは?他のやつらはどうした?」


「お頭、じつは・・・・・・・・・」


マグがオレ達のことを説明している。


「何だと、お前以外は全滅だと・・・・・ほお、それでこいつら

が仲間になると言うのか・・・」


こいつが頭のロンバーか。でかいし、スゴイ筋肉だが狡猾こうかつ

残忍そうな顔をしている。


「まあイイだろう、腕が立つなら入れてやる。だが・・・・」


そう言って黙ると凄みのある笑みを浮かべた。


「先頭の女、やけにゴテゴテした服を着ているな。魔導士か?

何か隠しもっているかもしれねえ・・・だが気品があってイイ女

だな。おい誰かこの女を裸にけ、俺が直々に調べてやる」


下卑げびた笑いを浮かべた。


「へへへ、お頭、ズルイぜ自分だけ!おれ達にも早くやらせてくれよ」


「そうだぜ、お頭!あっちの巫女達もたまんねよ!」


皆が下卑た笑いと共に集まり囲んできた。

1人がフェリ様に手を伸ばす。

マズいこれじゃあフェリ様が閃光の魔術の詠唱ができない。


それに囲まれては前面に放つだけでは。

こうなれば予定を変更して斬る・・・・・。

だが口を開いたのはフェリ様だった。


「私を裸に剥く?イイでしょうそんなに見たいなら見るがイイ」


フェリ様とは思えない、冷たく、厳然とした声を上げると緩んでいる

ロープを振り払い、半面の仮面を取り素顔をさらした。


「う、何だその顔は・・・・」


ただれている・・・」


盗賊どもがギョっとしている。


「私はダークカーズヒュドラの呪いを受けた呪い姫。この聖衣を脱げば

辺りにこの呪いは拡散するでしょう。お前たちの腰からぶら下げる醜い

一物いちもつも腐りただれるでしょう」


「ヒぃー」


「寄るな!」


クソっ、ツライだろうに素顔をさらして隙を作ってくれた、オレの作戦のミスだ。

フェリ様は口元を手で覆い辺りをにらんでいる。

ハっ! 切り替えろ。

小声で詠唱をしている。


オレは『月瞬』でフェリ様に近づき、耳元へ


「上に」


とだけつぶやき、魔導を放つ。


「月瑛五芒」


球場に変化させて展開する。

それにフェリ様が魔術を唱えた。


「・・・・フラッシュ!」


その瞬間辺りに光が爆発するかのように溢れた。

盗賊達が 「目が・・・」と叫び、辺りを転げ回っている。


「行くぞ」とオレは叫び、フェリ様の手を引き、人質のいる方へ走る。

マリアとダルアも目を瞑ったままフェリ様と手を繋いで付いてきた。

アヤメが濃い色の黒い眼鏡をして人質の近くの盗賊を斬っている。


ルバは鍛冶で使う黒いゴーグルを付けていて、こちらも盗賊を斬り捨てている。


「ここです、皆集って」


皆をひとまとめに集めた。

辺りにはまだ光があふれ輝き続けている。


オレは下着姿で縛られている人質の方へ近づき声をかける。


「助けにきました。縄を切ります、動かないで」


それだけ言うと縄を切っていく。


「本当に・・・」


「目が痛い・・・」


「お願いします・・・」


「皆、手を繋いで。仲間の所に案内します」


「待って、私は脚を斬られています。先にその娘達を連れていって」


確かに脚から血を流している。


「ラヴィニア様、そんな・・・」


「後ですぐ来ます。さあ3人はこちらに!」


議論している時間はおしい、手をそれぞれつながせ、彼女達を

フェリ様達と一緒にした。


オレは急いで戻り、狐耳の気丈な巫女を抱き上げた。


「キャア」


「ごめん、急ぐから失礼するよ」


「アっ・・・・はい・・・」


上目使いで恥ずかしそうに見上げてくる。

下着姿だから直視はしないように気を付けた。

そのままお姫様抱っこで皆の前に連れていく。


「フェリ様この者達に癒しをお願いします。ルル守りの結界を」


徐々に光が小さくなっていく。

だが直視した者はまだ目を押さえて悲鳴を上げたり、闇雲に武器を振り回し

同士打ちを始めている。


アヤメとルバが作業のように止めを刺していて、その悲鳴が余計に盗賊達の

同士打ちを加速させていた。


「待ってリョーマ」


マリアだ。


「私も戦う。ルルちゃんの守りがあれば大丈夫でしょ?」


「しかし・・・・」


「結界の前にも守りは必要でしょ。それに私も守られているだけ

じゃダメなの。私が姉様を守るのだから」


「分かった、ルル」


「ルル!」


マリアが外れた状態で結界が張られた。


「マリア・・・・・」


フェリ様が結界の中から心配そうに名を呼んだ。

マリアは笑顔で頷いてみせた。


光が完全に収まった。

殺気!

激しい斬撃がオレを襲ってきた。

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