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呪い姫を抱きしめたら月詠の導師に覚醒したので、王子を〆て姫を救う旅に出ます  作者: 輪三


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異端懲罰隊

「長い・・・・・」


階段を上がっている。降りる時は期待と緊張で考えなかったが、こうして上ると永遠に感じる。


「ルル!」


先を飛ぶように上る、銀狐は嬉しそうに先を行っている。

この子に名前を付けないとな、やっぱりルルかな?

などと考えていると、何やら喧噪が聞こえてきた。


叫び声?爆発音!


「戦闘をしている!」


オレは走って階段を上る。銀狐も後ろから走って付いてくる。

ようやく出口まできて走り抜けると、蓋のようなものを突き抜けた。

後ろを振り返ると、蓋のような物で入口が覆われていた。


銀狐は・・・・・?大丈夫だ突き抜けてきて、オレを見ると脚に頭をこすりつけてきた。可愛いすぎる!

先程より喧噪の音がよく聞こえる。


オレは抱き上げると扉に向かった。

ノブに手を伸ばすが開かない。


「リョーマです!誰かいますか?」


「御主人様!戻られたのですね!今お開けします」


アヤメの声だ!ガチャと鍵を開ける音と共に中に飛び込んできた。


「何があった?敵か?」


「それが勇星教団が・・・キャっ!何ですかこの可愛い生き物は!」


ルルを見て相好を崩している。


「この子が因果らしい?名はルルだ」


「ちょっと、アヤメちゃん!私一人じゃ運べないって、竜槍より重い物は持ったことは無いんだから・・・・エっ!やだ、チョー可愛い!」


俺の刀を持ってルーネリアさんが入ってくる。


「ありがとうございます」


オレは慌てて受け取った。


「そうだ、扉の外に鎧もあるわ!ちょっとモフってないで手伝ってよアヤメちゃん!」


「・・・・・ハっ!そうでした」


アヤメが我に返り慌てて鎧を抱えてきた。


「御主人様、お着換えを!」


オレはルルを足元に下ろすと儀式衣装を脱ぎ、鎧を付けていく。


「早くね、リョーマちゃん。私は扉の前を守っているから!アヤメちゃんも扉の外を守るの!コラっ、モフらない!」


ルーネリアさんに引きづられてアヤメも扉の外にいく。


「待って状況を教えて?」


「勇星教団が飛空艇を使って強襲をかけてきました!数は不明です。

先程ここ本堂にも敵が来たのですが撃退しました」


そこまでやるのか勇星教団は・・・・・。


着替え終わり腰に二刀を下げた。


「お待たせ、行こう」


するとルルがオレの肩に飛び乗った。


扉をくぐる、本堂には倒れた敵らしい者達とフェリ様を守るように囲む一団が見えた。


「リョーマ、無事因果は受けられたようだな!」


「はい、父上。敵はまだ来ますか?」


「来るな。ここに来たのは50名位だったが下にはもっと大勢来たようだ。

奴ら飛空艇を2台で襲ってきた。竜騎士達が何とか迎撃して離れていったが、

200近く上陸されたようだ」


苦々しく父上が言う。


「リョーマやはりお前とフェリ様達はアレを使って飛んだ方が良いかも・・・・・」


その時だ、辺りに閃光がほとばしり、轟音が響いた。

その光と音は凄まじく、視界は塞がれ鼓膜が破れんばかりだ。


「う、目が・・・・・」


「耳が耳が!」


オレは幸い状態異常防御のおかげで、すぐに回復した。

だから気付いた、フェリ様に伸びる手が!

後ろから抱きかかえるようにして連れ去ろうとしている。


それは何も無い空間から両腕が生えてそこへ引きずり込もうとしていた。


「いや・・・誰か・・・・」


「させるか!」


オレは『月俊』でフェリ様の前まで飛ぶと、その手を抜き打ちで斬り飛ばし、

フェリ様を片手抱きよせた。


「ギャア!」


悲鳴が上がる。同時に5人の敵が浮かび上がった。

高度なハイドスキルか隠蔽の魔術か?

腕を斬られた男が、空間から転げ出てのたうち回っている。


「チっ、隠形おんぎょうが解けたか!ならば斬り捨てるまで・・・・・」


「リョーマーっ死ね!」


「やれやれだわ」


前衛職であろう3人が襲いかかってきた。

剣士風な壮年の男が長剣を突き出し、ジェイク兄上が上段から騎士剣を振り下ろし、踊り子風な恰好の女が半月刀で斬りかかってきた。


フェリ様をかばいながらじゃ3人の攻撃は防ぎきれない!

それでも・・・・・。

その時だ


「ルルーー!!」


ルルがフェリ様の頭の上に乗り、三本の尻尾を突き上げた。

雷鳴と轟音、三人が吹き飛んだ。


三人の絶叫、だが防具か魔道具のおかげか、すぐに立ち上がる。


「何をしている、情けないのぉ。祈りが足らぬのだ、お前達は」


ローブを着た男が手にした錫杖しゃくじょうの石突で床を突いた。

鈴と輪冠りんかんがシャランと音を立てる。

すると三人が回復していった。


もう1人の腕を斬った男がいない?

そして錫杖を胸の前に掲げると短く呪文を唱えた。


「ブリザード・ブロー」


短縮詠唱か!

ダメだ銀月も間に合わない。


「ルルー・・・・・!」


銀色の光がフェリ様を中心に発生する。凍える冷気を防いだ。


「『銀月』!」


今度は展開できた。


「お前は勇星教団の司祭か?」


「フン、ただの司祭では無い。我は中原小国群担当、異端懲罰いたんちょうばつ隊隊長、

イグナーツ・バロル・セデン。聞いておるぞ、その術!だが・・・・」


また錫杖で床を突いた。『銀月』が霧散する。


「なっ!・・・ならば・・・・・」


オレは浅く踏み込み袈裟切りをする。だが錫杖で防がれる。でもそれでイイ。

左手で『黒霧』を抜き、魔力を込め刀身を伸ばして錫杖の上部を斬った。

輪冠と鈴が付いた部分が柄から吹き飛んだ。


「貴様!『後光の錫杖』をよくも!!」


ローブの男が吠える。だが入れ替わる様に先程の3人がオレとフェリ様を

取り囲んだ。


だがすぐに振り返りオレ達に背を見せ、向けられた攻撃を防いだ。


「待たせましたなぁ若!」


爺が剣士に


「私の相手はあなたね」


ルーネリアさんが踊り子風女に


「ジェイク・・・・・貴様は・・・・・」


父上がジェイク兄上に


「オヤジ・・・・・」


それぞれが向かい合い、斬り掛かっていった。

それは示し合わせたかのように、牽制の大振りな攻撃で、オレ達から敵を遠ざけようと動いている。


入れ替わるようにアヤメ、ラナー姉様、マリア、大きな荷物を背負ったコレットそして北条殿が来た。

秋山殿はローブの男に斬り掛かっている。


「リョーマ様、転移のご準備を」


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