【三十五話】 引き裂かれる七人
投稿したやつ見返していたら、29話でグランド王の名前、ジンをジルと書いてしまっていました。
グランド王国をたてたのと、現国王は同一人物です。
本当にすいません。
========================
どんどんと輝きを増していく魔法石。
「まずい、魔法が発動します!石から離れてください!」
ヨルトがそういいながら、石から離れる。
その様子を見てドラグとルディウスもその場を離れ始める。
しかし、石はどんどんとその輝きを増し、そしてついに、魔法石を中心として不思議な、幾何学模様が描かれた円が地面に広がり始めた。
その円はドラグたちの足元まで達し、
「魔法陣が!?」
ヨルトがそう言い放ったと思ったら、その魔法陣が強く発光し、ドラグたちはその光に包まれていった。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ドラグたちが魔法にかかったことを確認すると、木の上にいた何者かはすぐに誰かに報告をし始めた。
「魔法石の発動を確認。標的のうちの三人が確実に魔法にかかりました」
『そうか。報告ご苦労。では、この先も予定通り進めてくれ』
「はい、失礼します」
その何者かは、その通信を切ると再び残りの四人の標的に目を向ける。
「では、取り掛かりましょうか」
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ドラグが目を覚ますと、そこは知らない場所であった。
「どこだここ?」
ドラグがそういうと、それに反応するように声が返ってきた。
「どうやら僕たち、飛ばされてきてしまったみたいだよ」
声の主はルディウスだ。
「どうやらさっきの魔法石とやらに込められていた魔法は『転移魔法』だったみたいだ」
『転移魔法』
ドラグの剣の我力が使う『空間魔法』に分類される魔法のなかの一つで、闇属性魔法である。
闇属性魔法は、そう簡単に誰もが使えるものではない。それはつまり、このイミテイトモンキーをけしかけた誰かが闇属性魔法の使い手であることを示すため、ルディウスは、その表情に暗い影を落としていた。
ドラグもそのことについて深刻な表情をしていた、というわけではなく、ドラグはドラグであることに驚いていた。
「ルディウス、女の子だったの?」
「ん?」
ルディウスのフードが取れ、その顔があらわになっていたのだ。
その容姿はというと、髪は白銀色をしていて、およそ肩ほどまで伸びたものを、前髪を残して後ろの方で止めてある。目は髪の毛に反して黒。その瞳は髪の毛の色によく似た純白の肌によく生えていた。目鼻立ちはしっかりしていて、その様子から、まだ若いことがわかる。この若さで調査部隊長なのだから、すごいものだ。
「そうか。君の前ではずっとフードを被っていたものな。いかにも僕は女だ」
「いやぁ、驚いたよ!こんなにかわいいなんて!」
「またいつものように口説こうというならやめておいた方がいいぞ?お前のやり方じゃ女は落ちやしない」
「んなっ!?」
ドラグがいつものようにかわいい女の子に対して口説こうとしたところで、未然にルディウスはその行為を止めた。
「私は調査部隊長だぞ?それくらいの素性や性格は把握済みだ」
恐ろしい女である。
またしても負けてしまったドラグはというと、
「お前のやり方じゃ、女は、落ちない・・・」
ルディウスの言葉にショックを受けているようだった。
「さて、くだらない話はここまでにして、我々は早急に対策をしなければならない。そのためにも、早くヨルトを起こさなければ」
ルディウスは真面目な顔を口調でそう言い、そしてフードを被りながら、少し離れたところに横たわっているヨルトに視線を送った。
どうやら先ほどの術式にはドラグとルディウス、ヨルトの三人がかかってしまったようだ。
(あれ、っていうことは、男一人女二人のハーレムデートだったりする!?これ)
相変わらずのあほらしさを発揮するドラグ。ここまで行くともはや尊敬に値する。
ルディウスはヨルトのそばまで行くとほっぺたを軽く平手でたたき、目を覚まさせようと試みる。
「ヨルト君、ヨルト君起きてくれないか?」
「んっ・・・」
ゆっくりと目を開けるヨルト。その様子は、まるで眠れる姫が目を覚ますようである。
「・・・ん?隊長殿?あれ、ここは一体・・・」
目が覚めたばかりで状況を把握できていないヨルトに一連の流れを説明するルディウス。
「そうでしたか。転移魔法・・・そんな魔法が使えるなんて」
「あぁ、かなり高位のモンスターがこの先に潜んでいる可能性が高い。かなり用心をした方がよさそうだ。
まぁ、何がどうあれ、僕たちはモンスターたちの罠にかかってしまったわけだが、少し状況を整理してみたいと思う。
とりあえずここは相手のテリトリーであることは間違いない。そしてここが洞窟であることから、抜け出すのは非常に困難。脱出は洞窟を進むことでしか不可能と思われる。そして洞窟は・・・」
「あのその向こうに続いている、と?」
現在、ドラグたちがいる空間は巨大なドーム状になっていた。そして周りを見渡すと、一か所だけ壁に穴が、というか洞窟の続きがあったのだ。まるで、こちらへ来なさい、とでも言っているかのように。
「僕たちはあの先へと進むしかない」
「話を聞く限り、そうみたいですね」
冷静にそういうルディウスとヨルト。
「目的の達成のためにも、早急に他のみんなと合流しなければならない。準備はいいですか?」
そういって三人は洞窟の先へと足を進め始めた。これがドラグたちに相対する敵の用意した実験所だとも知らずに。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
「な、なんだ!?」
突然輝きだした石。その輝きに思わず目を瞑ってしまうヴィスタ。
そんなヴィスタの耳に突如聞こえてくる声。
「七人中三人ノ転送ニ成功」
『よくやった。戻ってこい』
「了解」
今ヴィスタがともにミッションをこなしているメンバーのうちの、誰のものでもない声。
「誰だてめぇ!?」
強烈な閃光のなか、辛うじて瞼を少し開け、限られた視界と自分の聴覚を頼りにその声の主へ襲い掛かろうとするヴィスタであったが、
「いたっ!?」
どうやら外してしまったようで、頭から森の木にぶつかってしまう。
そうしているうちに、ヴィスタたちをおそった光は収まっていき、気づいたらルディウス、ヨルト、ドラグの姿が消えていた。
「いってぇ何が起きたんだ!?あいつらは!?」
視界が回復したヴィスタは、周りを見渡し、ルディウスたちの姿を探しながらそう叫ぶ。
「今の魔法・・・どうやら三人は転移魔法にかかってしまったみたいだ」
いまここに残っている中で最年長で、戦いの知識も豊富なドワーフ、ゴウは顎に手をやりながらそうつぶやく。
「転移魔法かぁ~確かにそうかもねぇ」
「転移魔法なんざ使えるやつそうそういないぞ!?」
常にマイペースなパルミと、転移魔法という単語に驚きを隠せないヴィスタ。
一級冒険者の中でもトップクラスの実力を持つヴィスタがこれほどまでに驚くのだから、転移魔法という魔法がどれほど高位なものなのかわかるだろう。
「転移魔法には距離という概念はない。どれほど遠くの地にでも、一瞬で移動できてしまうのが転移魔法だ。つまり、今現在、我々にはルディウスたちの位置を知る術がない。
よってこれから、我々は目的の達成に向かう。ルディウスたちの無事を祈ろう。彼らなら自力でこちらに戻ってくるはずだ」
ゴウたちは、ルディウスたちの無事を信じ、足を進めることにした。
「師匠・・・」
半泣き状態で呆然としているシャル。
「シャルちゃん。ドラグちゃんは大丈夫だよ~。だってここにいる誰よりも強いもの」
そんなシャルを慰めるパルミ。
「・・・そうですよね。師匠は強いです!心配するのもおこがましいですね!僕は弟子の名に恥じないよう、自分ができることを全力でやるしかないですよね!」
「そうそう、頑張って~」
「足でまといになるなよ?」
「また~ヴィスたんはそういう余計なこと言う~」
「その呼び方をやめろと何度も・・・!」
「ハイ!頑張ります!」
こうしてゴウ率いる四人は、森の奥へと行くのだった。
ほんとに遅くなってすみません。
設定とかまとめていたらこんな時期に・・・




