【十四話】 少年、チンピラに目をつけられる②
十三話の内容を少し変更しました。お手数ですが、ご確認ください。
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「僕ね、今あることを依頼されてるんだ」
「あ?お前の仕事事情なんざ聞いてねぇよ」
「まぁまぁ、落ち着いて聞きなって。ただの前置きさ」
自分の求めているドラグの情報とは関係のないことを情報屋が話始めたと勘違いして、情報屋に文句を言うピラルフ。情報屋はそんなピラルフを落ち着かせて、話を続けた。
「その依頼内容はね、「最近オークの森のモンスターが激減したから、その原因を調査してくれ」っていうものだったんだよ。
それでね、ここ二十日位森のモンスターを観察してたんだけど、数日に一度、モンスターが同じ方向に向かう現象が起きたんだよ」
「なんだ?それはどういうことだ?」
情報屋の話に疑問を抱くビンキ。
このオークの森にいる魔物達は皆一様に低級モンスターである。そして低級モンスターというのは知能が低く、統率された行動など取らない。 つまり、同じ方向に向かうなんて行動、普通は起きるはずがないのだ
「まさか、上位モンスターがこの森にいるのか!?」
ピラルフはある可能性にたどり着いた。
低級モンスターは、個々では自由気ままに行動しては、冒険者を襲うといったことを繰り返すのが常だ。
しかし、自分より一定以上力が上、つまり、階級が上のモンスターがいると、行動を一つにする現象が起きるのだ。
上位モンスターとは、低級モンスターよりも階級が上、つまりは中級モンスター以上の力を持つ魔物のことを指す。
その上位モンスターというのは、通常オークの森には生息していないはずなのだ。
だが、情報屋はその可能性を否定した。
「いい線いってるけど残念。その可能性は今のところはないよ。お二人さんは、モンスターたちが行動を一つにしているところを、ここ最近見たかい?」
「いや、見てないな・・・」
「でしょ?」
ひらめいた可能性を否定され、じゃあ何が原因なんだ?という顔をするピラルフとビンキ。情報屋は話を続けた。
「とりあえず僕ね、そのモンスターたちについて行ったんだ。そしたらね、この森の食糧庫にたどり着いたんだ」
「食糧庫?どうしてまたそんな奥地に?」
「そこにね、異様な気配を放つ、片手剣を持った駆けだしの冒険者みたいな格好をした少年がいたんだよ」
「「!?」」
一斉に目を見開く2人。
「おい!そいつって」
思わず声を出すピラルフ。
「うん。あんたの話してた小僧の特徴によく似てるなって思ってね」
「そいつは魔物を集めて何をしていたんだ!?」
今度はビンキが問う。
「わからない。何せその少年、ただならない雰囲気をまとってたんだもの。すぐ逃げ帰ったよ」
「っんだよ、肝心なところで!」
声を荒げるピラルフ。
「僕が持ってる情報は、あんたが対峙した少年が、数日置きに魔物を集めてなにかしているってことだね。
で、ここからが、なんでわざわざあんたたちに話を持ちかけたのかっていう話になるんだけど・・・」
情報屋は右手をローブの内側に潜り込ませると、先ほどピラルフから受け取った銀貨を取り出し、ピラルフに投げ返した。
「・・・どういうことだ?」
情報屋に疑いの目を向けるピラルフ。そんなピラルフに情報屋は淡々と話を進める。
「今の情報料タダにするから、僕と一緒に少年の調査をしてくれ」
「「・・・は?」」
情報屋の提案に首をかしげる2人。
「僕はいま、オークの森のモンスターが減っている原因を追っているわけなんだけど、原因が少年にあると分かっただけで、まだどういった経緯でモンスターの数が減っているのかわかっていない。でも、それを調べようにも、僕は弱いから、少年のことが怖くて調査できない。
そこで、あんた達に僕の護衛をしてほしいんだ」
「なんで護衛なんか・・・」
「あんたは、気に食わない相手を何とかぶちのめしたい、そうは思っていないかい?」
情報屋はピラルフの方を向いてそう言う。
するとピラルフは図星なのか押し黙る。
「なら、小僧の事を調べておいた方がいいんじゃないかな?
それにあんたは、この「ドン」ピラルフを黙らせた小僧のことが気になっている、違うかい?」
「ま、まぁ、気にならなくはないな・・・」
情報屋は、今度はビンキの方に問いかける。それもまた図星のようだ。
「僕たちは同じ目的を持つ同志なんだ。どうだい、僕の話に乗らないかい?」
大仰に両手を広げて演説でもするように、情報屋はそう言った。
その情報屋の言葉に少しの間考える2人。
そして、同時に口を開いた。
「「のった」」
「いいね、嬉しいよ!集合は明日の朝、オークの森の入り口で」
ドラグを付け狙う三人衆が、ここに結束した。
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「僕たちついてるよ・・・!」
声のボリュームに気を付けながら、情報屋はそう言った。
なぜなら、自分たちが求めていたターゲットが、三人が調査を始めた初日にひょっこりとやってきたのだ。
「あの小僧、あんときと同じ奴だ!」
「じゃああの冴えない奴が本当にピラルフを・・・」
「あんた達うるさいよ、気づかれたらどうするのさ?」
今三人は、ドラグとシャルを追いかけていた。ドラグたちは今からシャルの修業をしようと、森の中の広場に向かっている最中の二人だ。
「あの二人、いつもと違うところに行っているな」
情報屋は二人の行動に疑問を持ちながらも二人に気付かれないように尾行を続けた。
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シャルに実演を見せようとしていたドラグは、実はもう既にピラルフたちの存在に気が付いていた。
(ん~、つけられてるな?どうしよう、今ここで襲ってくることはなさそうだし、ちょっと牽制するくらいでいいかな?)
そう思って、ドラグは片手剣を抜いた。
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「紫色の魔力・・・本当に闇属性魔法を使う魔剣なのか!?」
木の影からドラグの様子を盗み見している三人のうち、ビンキが思わず声をあげた。
「どうやら・・・・・・・・「ドン」の言っていたことは本当のようだね」
情報屋がフードの中で額に汗を浮かべながらそう言った。
目の前の信じられない光景を眺める3人。
すると、急にドラグの持っている剣から溢れ出てくる魔力の量が格段に上がる。
「「「!?」」」
突然の事に、瞬時にドラグたちから距離をとる3人。後方に5メドルほど跳ぶ。この跳躍力はレベルによる恩恵のものだ。
「一体なんだ!?」
ピラルフが叫ぶ。
「わからないけど・・・・ヤバイよ」
その声が震えている情報屋。
もしかしたら気づかれたのか!?
三人の頭に最悪の可能性がよぎる。
しかし、その予想は外れた。
魔力がピタリと止んだのだ。
てっきり闇魔法を打ってくるのかと身構えた三人は、その胸を撫で下ろす。
「気づかれて、ない、のか?」
「わかんねぇな、とりあえず様子を見よう」
攻撃をされる様子ではないことを感じた三人は、再びドラグの様子を見に行った。
その時に三人の目に写ったものは、棒切れでオークを倒したドラグの姿だった。
「なにもわかんなかったじゃねぇか!?」
ピラルフが声のボリュームを押さえながら叫ぶ。
「仕方ないだろ?あんなに魔力を見せつけられたら、何かされると思うじゃないか。身を引いたのは正解なはずだよ。
それにしても、少年は魔剣を引き抜いたのに、何故木の棒でオークに止めを指したんだ?わからない・・・・・・・」
ピラルフの言葉を軽くあしらい、冷静に解析を始める情報屋。
「まだ分からないことが多い。調査を続けよう」
情報屋は、覚悟を決めたようにそう言った。
その後、ピラルフたちはドラグたちの動きをとことん待った。
なにもせずにただ座って時間を過ごすドラグたちを見て「早く動けよ!」とピラルフが業を煮やして言ったりしたが、ただ、二人の動きを待った。
すると、オークが再び木々の間から出てきた。
3人はキタッ!と思った。
しかし次の瞬間。オークはドラグではなく、シャルの手によって粉砕された。
「なんつー馬鹿力だよ・・・・・・・」
思わず呟くビンキ。
「あのチビ、あんなに力強かったのか!?」
衝撃を受けるピラルフ。
ピラルフたちの前で楽しそうに笑うドラグとシャルは、今、ピラルフたちの目にどう写っているだろうか?
「おい、さすがに不味いんじゃねぇか?」
ついにそう言い出したのはビンキだった。
「今のからして、あいつら、俺らより断然強ぇよ。今からでも遅くねぇ。逃げよう」
少し体を震わせながらそういうビンキ。ドラグとシャルは、彼の目には相当な脅威に見えたのだろう。
そのビンキに言葉を返したのは情報屋だった。
「確かに今までの少年たちの様子を見ると、僕たちより強い可能性がある。「ドン」を返り討ちにした少年に、オークを木端微塵にする馬鹿力をもつ子供。僕たちの方が一人多いとしても、戦力的には負けているかもしれない。
でも、今までの少年たちを見る限り、二人はとても温厚な性格の持ち主みたいだし、僕たちが手を出さない限り何もしてこないみたい。もう少し調査を続けたいと僕は思うよ」
「でもよ!?」
「ほら、少年たち、動くみたいだよ?」
ドラグたちは広場からドラグのいつもの狩場に移動を始めていた。
「この方向は・・・いつも魔物を集めている場所だよ!
行こう!何かわかるかもしれない!」
「あっ、おい!?」
ピラルフとビンキを無理やり連れていく情報屋。
このすぐあと、彼らは信じられない光景を目の当たりにする。
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本当に、本当にすいません!
閑話のくせにものすごく長くなってしまいました。
今更ながらこの閑話の内容を説明すると、チンピラのピラルフがいかにしてドラグを強者と認め、仕返しをあきらめるのか、という簡単な内容、のはずなんですが・・・
次でこの閑話をすぐに切り上げて、メインに戻るつもりなので、もう少しお付き合いください!
あ、最近文章の書き方がぐちゃぐちゃになってきたんですけど、どういうところを直した方がいいのかわからないので、もしよろしければ感想の方で指摘していただけたら嬉しいです。




