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治せます。ただし、あなたは一年以内に殺されます。――脳外科医・久世朔の診察室  作者: 竜太郎


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娘の休暇

春菜は職場の上司へ、母の通院に合わせた休暇について相談した。上司は業務の引き継ぎを確認し、急な連絡に備えて担当を分けることを提案した。春菜は迷惑をかけたくないと繰り返したが、同僚もそれぞれ家族の事情を抱えている。誰か一人が無理をする前提で仕事を組まないことが大切だった。


昼休み、春菜は同僚と社員食堂で食事を取った。母の病気の話は短く済ませ、週末に園芸会へ行ったことを話した。同僚は花の写真を見せてほしいと言い、春菜は携帯電話の画面を開いた。写っている母は、以前よりずっと穏やかな顔をしている。春菜は写真を閉じる前に、少しだけ見つめ直した。


午後、仕事中に知らない番号から着信があった。春菜は対応せず記録を残し、必要な相談先へ伝えた。事件の犯人と関係があるかは分からない。証拠のない恐怖を抱きながらも、家族の住所や予定を不用意に公表しないよう気をつけている。対策が確実な安全をもたらすわけではないが、何もしないより落ち着けた。


職場の予定表には春菜の休暇の代わりを務める同僚の名前も記された。春菜は一人ずつ礼を伝え、必要な仕事の資料を揃えた。頼ることにも準備が必要だった。


帰り道、春菜は花屋へ寄った。母が育てている花の土について尋ねると、店員が鉢の大きさに合うものを勧めてくれた。春菜は袋を一つ買い、重さを確かめて持ち帰った。母が笑う理由を増やしたいと思う気持ちと、外へ出さず守りたい気持ちは、今日も心の中でぶつかっていた。


家へ帰ると澄江が夕飯を作っていた。春菜は買った土を見せ、週末に鉢替えを手伝うと約束した。母は嬉しそうに頷き、今夜の献立を告げた。春菜は鞄を置いて手を洗い、食卓へ座った。今日は仕事も母の予定も、何とか一日分を終えられた。

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