↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふるさと納税で気ままな異世界生活?  作者: 瀬良・B・月季
2章 新都市開発編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/71

64話 押し付けられた祝福? 王宮からの召喚

「どうしたのだ?スズヤ殿?顔色が悪いようだが?二日酔いか?」


エン爺は朝から疲れ果てた顔をしている俺の様子を見て声をかけてきた。


「いや、まぁちょっとね……」


俺は神の加護とかいう得体の知れない上に、身に余るものを娯楽品の対価として強制的に押し付けられて不安に駆られていた。


どうしよう。

もし鑑定されてバレることがあれば大騒ぎになる気がする。

ってか加護があったらどんな恩恵があるんだろう。

エン爺なら長生きだから知ってるかな?


「ねぇ、エン爺。神の加護って知ってる?」


「む?知っておるが?急にどうしたのだ?」


おお。流石長生きしているだけのことはある!


「いや、ちょっとね……。神って存在がこの世界には居るって依然聞いたことがあるから、気になってね」


「ふむ。加護は確かに存在するぞ。加護持ちの存在は稀だがな」


「神の加護って得ることが出来たらどんな効果があるの?」


「火の神の加護なら火に強くなり、火を操るのにより長けた存在に。鍛冶の神の加護ならより性能が高い作品を仕上げられるようになる。といったように、元々持っていた適性を伸ばすものが加護だな。神以外にもそれに近しい存在であれば加護を与えることが出来るぞ」


へぇ。適性を伸ばす……か。

娯楽の神の加護ならどうなるんだ?

娯楽の適正……?

遊び人として成長するイメージしか沸かないぞ?


……いや、まったく良いイメージが想像できないんだけど……。


「ん?神に近しい存在?そんな凄いのがこの世界には存在するの?」


「スズヤ殿に最も近しい存在で言うと長年生きた龍とか、な?」


ん……?

長く生きた龍?


俺は目の前に座るエン爺へ目を向ける。

すると、エン爺がいつもよりちょっと胸を張り、自慢げな様子を浮かべていた。


「えっ!?エン爺も人に加護とか与えられるってこと!?」


「うむ。我は過去に加護を与えたのは1度限りだが。スズヤ殿が我の加護を求めるのなら――」


まってエン爺!それ以上言わないで!!

これ以上加護とか要らない!!


「いらない!いらない!絶対に要らない!!」


俺が全力で加護を断ると、ちょっと寂しそうな様子をエン爺は見せた。


「そ、そうか?まぁ我の加護は火の扱いに作用するもの。スズヤ殿には不要やもしれぬな。あとはライア先輩も近いうちに加護を与えられる存在になりえるやもしれぬな」


「えっ?ライアも?」


「うむ。先輩は生きた年数こそまだ短いだろうが、スズヤ殿と共に行動する中で存在の核が急速に高まりつつある。近いうちにエルダードライアドになれるのではないか?」


エルダー?

なんかすごそう。

それって、絶対俺の出すご飯の影響ってことだよね。

大丈夫なのか?


「急速に成長して副作用とかない?大丈夫?」


「問題あるまいよ」


うーん。

エン爺に加護の話を聞いて不安を解消するつもりが、なんかさらに不安が増えたぞ……。

エン爺も加護を与えられるような存在で、ライアも近いうちにエン爺並みになる?

あー、聞きたくなかった……。

結局、神の加護自体の性質はわかったけど、【娯楽の神の加護】って何に作用するのか謎過ぎてわからないし。


娯楽の才能を伸ばすってなんだよ!!

プロゲーマーになれるってか!?


その後、遅れて起きてきたライア、シア、エルの3人を含めて朝食を取りつつも、俺は加護について悩まされていた。

しかし、いくら考えても娯楽に関する加護の効果は予想すらつかなかった。


朝から色々と不安を抱え悩んでいると、トレーラーハウスの玄関をコンコンッとノックする音が聞こえてきた。


扉を開けるとそこには龍の牙の姿があった。



「よっ。おはよう。スズヤさん」


「アレクさん。おはようございます。どうしたんですか?朝ごはんでも?」


「いや違――スズヤさんの朝食は正直食べたい。けど要件はそれじゃなくてだな」


取り合えず中に入ってもらって、朝食を振舞いつつ話を聞いた。


すると、今朝早くにエクレール公爵様とディル様は王宮へ向かい。

屋敷を立つ前に俺に伝言を残していったのだそう。

スズヤ殿が起きてきたら伝えてくれるかいと。

だが俺がなかなか起きて来ないのでアレクさん達が訪ねて来たということらしい。


うん。疲れてたのもあるし、神の加護の件もあってエン爺と色々話をしてたからな。

それにしても王宮へ向かう前に俺にわざわざ伝言?


「伝言を聞いてもいいです?」


「ああ、『スズヤ殿。近いうちに王宮に招待されると思うから、準備をしておいてね。トルネ会頭にもディルに伝えに行ってもらうけど、声をかけておいてね』とのことだ」


「はい?どうして俺とトルネさんが王宮に!?」


「いや、俺に聞かれても……」


エクレール公爵様絡みで王宮に呼び出されそうなこと?

あー、いちおう温泉都市の開発を手伝ったのは公爵家からの依頼だっけか。

それに温泉都市の開発費用の半分は王家が出してたんだっけか?

エクレール公爵様は王弟って話だし、報酬は公爵家だけでなく王家からも出るってこと?

俺としては大した仕事もしてないし、理想の温泉を作ってくれただけで十分すぎるんだけど。


というかほとんどトルネさんとクラリス嬢の手柄なのになんで俺が王宮に!?



俺が当たりを付けて悩んでいると、アレクが察して声をかけてきた。


「その雰囲気からすると心当たりはありそうだな」


「温泉都市の開発で案を出してほしいってのが、公爵様からの依頼って形だったから、その報酬の話かなぁって」


「まぁあんな都市と施設を作ってしまったんだからな。それもひと月足らずで。歴史に残る偉業だろ。上手くいけば叙爵、そうでなくともたんまり報奨金が出るんじゃないか?」


いやいや、その偉業、ほとんどトルネさんとクラリス嬢!!

まぁ?俺の不注意が切っ掛けで、工期を大幅に短縮することになったってのはあるけど、あれはフランゼ商会秘蔵の特製ドリンクってことにしてもらってるし。出所が俺だとはバレてないはず!


叙爵?って貴族になることだっけ?

俺は根っからの一般市民だから貴族になるのは流石に嫌だなぁ。

テーブルマナーを気にして食事とか、無駄に肩が凝りそうなパーティとか、ちょっと無理。


「とりあえずトルネさんの店に礼服を用意しに行くついでに声をかけに行くか」





フランゼ商会の店に入ると、トルネが慌ただしく従業員たちに指示を出しまくっていた。


「あっ!みなさん、おはようございます!!待ってましたよ!!早速採寸を始めましょう!!」


トルネがそう言って両手を合わせてパンッと音を鳴らすと、裁縫職人と思われる人たちが俺ら5人を取り囲み、一斉に体中の採寸を始めた。


「えっ!?ちょ!どういうこと!?」


「早朝、ディル様が顔を出され『近々、早ければ今日明日にでも温泉都市の件で王宮から声がかかると思うから準備しておくように』と聞きました!私に声がかかってスズヤさん達が呼ばれないはずがありませんからね!礼服がご入用だと思いまして、朝から裁縫職人を集めて準備を進めておきました!!」


うん。

ありがたいよ。

でもトルネさん、ほんとに仕事しすぎだから少しは休もうよ。


その後、俺、エン爺、ライア、シア、エルの5人は全身の採寸を終え、フランゼ商会お抱えの裁縫職人たちは直ぐに作業に取り掛かるために散っていった。


トルネがこんな感じだからなのか、フランゼ商会の従業員はほんとに行動力が凄まじいな……。


「ありがたいけどオーダーメイドってお金も時間もかかるんじゃない?俺らは出来合いの礼服で済ませようかと思って――」


俺がそこまで言いかけたところで、トルネがズイッと身を乗り出して俺に顔を近づけながら指摘をしてきた。


「スズヤさん!!王宮に招待が掛かるんですよ!!そこらの既製品で済ませるなんて論外です!!それに資金ならこういう時の為のプール金がありますよね?時間も半日もあれば問題ありません!!というか商人であれば、会食やパーティに参加する機会もあるでしょうし、オーダーメイドの礼服の1着や2着持つべきです!!」


うっ。

商人であればって攻撃は俺に刺さるのでもう勘弁してください……。

エセ商人ですみません!



その後、礼服が仕上がるまでの間、謁見のマナーや作法などをトルネから叩き込まれた俺ら5人はいつも以上に疲れ切ってしまった。


シアとエル、ライアは俺とエン爺以上に疲れ切っていた。


「貴族のマナー難しいね。エル……」


「頑張って覚えよう。シア……」


「ん……。しんどい」


昼も食べずにぶっ続けでトルネのマナー講習会を受けていると、礼服が仕上がってきた。


「早速来てみてください!」


トルネにそう言われたので2階の試着室へ向かい、皆で試着をしてみることに。


うん。流石オーダーメイド。

それにこの生地はシルクか?

肌ざわりが最高だな!


エン爺はシックなスーツ姿も様になってるな。


ライアは元々メイド服っぽい服装だったから、イメチェンが凄い。

どこかの貴族の子女みたいだ。


シアとエルもとても綺麗で似合っているね。


「うん!皆さんお似合いです!問題もなさそうですし、これでいつ王宮から召喚されても大丈夫ですね!」


はは。

そもそも王宮から召喚されること自体、俺はお呼びじゃないです。

特に、この世界の王のイメージがあれだからなぁ……。


俺はフリーゲル王国の王を思い出し、苦虫を噛みつぶしたような顔を浮かべた。


そうこうしていると、もうすでにひか落ちかけ、窓から外を見ると空が薄っすら赤く染まりつつあった。


「はぁ~。流石にお腹空いたからちょっと早めの夕飯にするか。トルネさんも一緒にどう?」


「そうですね。これといって急ぎの業務もないのでご一緒しま――」


「会頭!王宮から伝令と馬車が!!」


トルネの返事を聞き終わる前に、慌てて階段を駆け上ってきた従業員がそう告げた。






所持金 金貨42枚 銀貨2枚 黄銅貨7枚 青銅貨3枚



ここまでお読みいただきありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

誤字脱字等ありましたら、お気軽にご報告いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。