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ふるさと納税で気ままな異世界生活?  作者: 瀬良・B・月季
1章 龍の巣編

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17話 火山

龍の巣の中心にある火山に近づくにつれ、溶岩の流れる川の数も増え、周囲は熱気を増していた。

既に辺りには岩を主食とするロックイーターの姿も無く。

草木も生えぬ岩石地帯故に、生物の気配はほとんど感じられなくなっていた。


「ふぅ。スズヤさんから貰ったシャツがなかったらやばかったぜ」


「ほんとほんと!このシャツを中に着ててもまだ熱さを感じるってことは、スズヤさんが同行してくれてなかったら私たち今頃干上がってるよ!!」


「食事の美味しさと冷たい飲み物にも助けられていますしね。昨晩食べた冷製パスタ?という食事はひんやりしていながらもとても美味しかったです♪そのうえ食後で8時間の耐熱耐性を得られたのでこの暑さの中でも快適な睡眠を確保できたのもありがたいですね♪」


「うむ」


パスタは俺が作ったわけじゃなくて既製品だけどね。

冷製パスタを作ってくれている方ありがとう!

おかげで快適な夜を過ごすことが出来ました!



・冷静パスタ(カルボナーラ)6食入り 1万円


和えるだけで美味しくいただけます。


【熱耐性強化】  8時間

【身体冷却効果】 8時間



食事バフについては無数にある食事を全て試食して検討するのは厳しいけど、有用な食事はできるだけチェックしておいて状況にあった食事をとれるようにしておきたいなぁ。


「冷凍果物。冷たくて、美味しい」


ライアは基本果物しか食べないからなぁ。

料理だけでバフを考えるとライアだけバフを得られなくなるから、そこも考える必要があるか。

今も冷凍イチゴの袋を抱えて口に放り込みながら歩いてるけど。

ん?そういえば冷凍イチゴって料理に入るのかな?それとも素材扱い?

鑑定してみるか。




・冷凍イチゴ 5千円


冷凍だからこそできる完熟の甘さ、まずはそのまま半解凍してお召し上がりいただくのもおすすめです。


【熱耐性】8時間

【高温耐性永続】+1




んんんん?


「これだ!!」


「おわっ!?急に大声上げてどうした!?」


「冷凍イチゴだよ!!」


「うん?昨日食べた凍らせた果物か?美味しかったけどそれがどうした?」


「冷凍イチゴが料理に入るのか素材に分類されるのか気になって、今鑑定してみたんだけど、8時間の【熱耐性】と永続+1の【高温耐性】を得られるらしい」


「ってことは!?」


「冷凍イチゴを食いまくれば!この暑さをかなり緩和できる!!ってなわけで今日から毎食デザートに冷凍イチゴね」


「確かに耐性を得られるのがありがたいですし、とっても美味しいですけれど、流石にお腹を壊しそうで……」


「ふっふっふ。そんな時はこちらをどうぞ」



・整腸剤(270錠)


効能

整腸(便通を整える)・便秘・軟便・腹部膨満感


【即時整腸作用】

【整腸作用強化】8時間



元々お腹が弱い俺は異世界のご飯や水に当たるのが怖くて【ふるさと納税】の存在を知った翌日から実はこの薬を愛用している。

おかげでこの世界に来てからまだ一度も腹痛になったことが無い!



「これは薬ですか……?」


「ああ、即時性腸作用と8時間の整腸作用強化が得られる。これさえあれば便秘や腹痛に悩まされる生活とはおさらばさ!」


「スズヤさん。ひと瓶おいくらですか」


あれ?マリアさんの食いつきがやたらいいな?

もしかして俺と一緒で胃腸が弱い系かな?


「金貨4枚だな。それで270錠入ってる」


「買います」


「お、おう。今回はお金はいいよ。冷凍イチゴ対策だしね。戻った後も使うようなら人目に付かないようにだけは気を付けて」


そういえば昨日の夜から冷凍フルーツをパクパク食べてるけど、ライアは腹痛とは無縁なのかな?


ライアは我関せずといった感じで、また一つ冷凍イチゴを手に取ると口に含み、冷たい果物の感触を楽しみながら微かに笑みを浮かべていた。





それから2日。

冷製の既製品と冷凍イチゴで食事を済ませることで熱さをほとんど気にすることなく、ついに俺たちは龍の巣の中心である火山の前まで到達した。


「やっとここまで来たか……」


アレクが岩場の出っ張りに立ち、魔王城を目前とした勇者のような雰囲気で決めポーズを取っていた。

そんなアレクの後ろからジト目でアレクを見つめるエレナ。


「何かっこつけてるの?スズヤさんのシャツと食事のおかげで熱さも対して気にならなかったし、ここら辺は魔物も居ないから私たちただ歩いてきただけじゃん?」


確信をつかれて照れるアレク。


「う、うるさいな!いいんだよ!こういうのは雰囲気が大事なんだ!」


ギャーギャー言い合う二人を見て、いつものごとくマリアが二人を宥めに入り、本来の目的である調査を促そうとする。


「ほらほら二人とも。遊んでないで火山窟の入り口を探しに行きますよー」


「はい!お母さん!」


エレナは元気よく右手を上げてマリアに返事を返した。


「だれがお母さんですか!!まったく!スズヤさんがあんなこと言うから!!」


マリアはエレナのお母さん呼びに対し、頬を膨らませて怒り、そんな二人の様子を暖かな表情でガイは静かに見守っていた。


うん。マリアのお母さんは半分ネタだけど。

ガイはまさに、寡黙だけどみんなを陰から見守るお父さんって貫禄があるな……。

ほんとに26歳か……?

俺より老成してない?





6人で手分けして周囲を探索すると、火山窟の入り口は意外とすぐに見つかった。


「主様ー。入り口あったー」


「おっ!ありがとうライア!」


ライアをほめて頭を撫でると「ふふふー」と嬉しそうに微かにほほ笑んだ。

だめだ。ライアがめっちゃ可愛い。

完全にライアを見る目が親目線になってきてる。


「ふふっ♪スズヤさんはライアちゃんのお父さんみたいですね~♪」


「なっ!?これはちがくて!」


「ふふっ♪先日の仕返しです♪」


くそう!今度マリアがガイといちゃついたら盛大にからかってやろうではないか。



「ここが火山窟か……」


「またやるの?そのくだり?」


「違うっての。この奥に伝説の獄炎龍がいて、もうすぐこの目で見れると思うとワクワクしてこないか?」


「そうですね。パーティ名を決めた時のことを思い出しますね。あとアレクさんの幼少期の夢も。ふふっ」


「うむ」


「あっ!?もういいってそれは!!さっさと中に行くぞ!!」


恥ずかしさを隠しながらズンズン進んでいくアレクを追って龍の牙が火山窟に入っていく。

その後ろから俺もついて歩いていくが、横を歩いていたライアは見当たらないのに気が付き後ろを振り返った。

するとライアはどこか遠くを見るようにして立ち止まっていた。


「ライア?どうしたんだ?」


「ん。音、聞こえる」


「音?」


「ん。何かぶつかる音」


耳を澄ましてみるが溶岩の流れる音と風の音しか聞こえなかった。


「すまん。俺には聞こえないみたいだ」


「人に聞こえる音じゃない。大地の揺れ感じた」


「なるほど。植物ならではの感覚で感じ取ったってことか」


「ん」


大地の揺れか……。

地震と関係があるのかな?




所持金 金貨79枚 銀貨7枚 黄銅貨4枚 青銅貨2枚

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