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ふるさと納税で気ままな異世界生活?  作者: 瀬良・B・月季
1章 龍の巣編

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12話 調査依頼に出発

龍の巣は火山地帯でなうえ、往復20日程の旅程ということなので、事前に色々準備を済ませてきた。


まずは【ふるさと納税】でペットボトル入りの大量の水。


そしてひんやりリュック!


・ひんやりリュック 1万5千円


防御力+15


保冷機能付きリュック。


【耐熱】【保冷】機能付き。





保冷剤を事前に冷やす必要があるかと思っていたけど、保冷剤自体が保冷機能持ちらしい。

うーん。相変わらず物品には、とんでも機能が付与されてる。

これは暑さに弱そうなライアを熱から守るためと、ライアのおやつ兼食事である果物を、保冷したまま持ち運ぶために購入。


そして熱中症対策に経口補水液!これは鑑定不要だろう。

現地に着いて皆の様子を見て、必要であれば渡す予定。



ライアはついでに出した冷感シャツをとても気に入ったらしく、宿の部屋にいる間は心地よさそうな顔でシャツの姿で部屋をうろうろしている。




・冷感シャツ 1万2千円


防御力+10


汗をかくたびにひんやりとした気持ちいい冷涼感が持続します。


【熱耐性】





まぁフリフリのメイド服みたいな服よりは動きやすいし涼しいんだろうな。

そういえば、ライアは植物だけど汗とかかくんだろうか?


冷感シャツは俺とライアの分だけでなく、龍の牙の分も含め計6着購入した。


全部で金貨30枚ほど消費してしまったが、これから向かう場所を考えると必要経費だろう。

予算をケチってひどい目にあうのだけは絶対にごめんだ。

備えあれば患いなし!



事前の打ち合わせ通り、ライアには先に龍の巣付近の森の中に待機してもらうことに。

数日別行動となるのでマジックバッグをもう一つ購入し、中に数日分の果物を入れてライアに渡してある。

合流地点は決めてないけど、リンゴの匂いさえあれば合流できるとのこと。

すごいな。


「んじゃ俺は龍の牙と合流してから向かうから、ライアは先に向かっててね。一人で無理しないようにね」


「わかった」


見た目が10代前半の少女に見えるから若干不安だが、これでも龍の牙すら恐れるドライアド。

そこらの魔物など相手じゃないと頭では理解してるが、どうしても保護者としては心配してしまう。

子供はおろか、結婚すらしたことないのに親ばかになりつつあるかもしれない。



傭兵ギルドの会議室に向かうと、既に龍の牙は到着して荷物のチェックを済ませ振り分けていた。

龍の牙もマジックバッグを所持していることは秘匿しているので途中までは運んでいくふりをするためだ。


「おはようみんな」


「おう!こっちはもう準備できてるぜ」


「今日からまたスズヤさんのご飯が食べられると思うと俄然やる気が出る!」


「ふふっ♪そうですね♪」


「うむ」


荷物の振り分けをしていると「ゴゴゴゴゴ」と震度3程の地震が。

すると先ほどまでウキウキしていた龍の牙の4人の顔が若干引きつった顔になっていた。


「皆さん。大丈夫です?」


「あ、ああ。スズヤさんは平気なのか?」


地震大国日本ではこの程度の地震は日常茶飯事だったからなぁ。


「んー。これくらいならなんてことないですね」


「うう。大地の怒り怖い……」


「スズヤさんの胆力はとてもただの商人とは思えませんね……」


「うむ……」


会議室のドアが開き、ギルマスが入ってきた。


「おう!お前ら揃ったか。今の揺れもそうだが、この数か月頻繁に大きな揺れが起きてる。無理のない程度で原因究明を頼んだぞ」


「ああ、任せてくれ」


そういいながらも、まだ若干青い顔をしたアレクを見て俺は不安を覚えた。

うーん。未知の物に恐怖を感じるのは仕方ない。

地震について説明してあげたいけど、プレート運動とか火山活動とか説明しても理解してもらえないよなぁ。

俺も専門家じゃないから詳しい説明はできないしな。

そもそも地震の原因って火山に行ってわかるものって感じがしないんだよね。

獄炎龍だっけ?1匹の龍のせいで地震が起こるとは思えないし。



荷物を整え準備も完了したので一同はギルドを出て、いざ龍の巣がある火山へ向かう。


王都を出て北東へ、一応木々の無い道のようなものはあるが、ほとんど人が通らないようで鬱蒼としており、そんな雑木林の中の道を進んでゆく。


流石に体力のない俺は数時間歩いただけで限界を迎える。

もう荷物全部アイテムバッグに入れちゃダメ?

え?この辺りは採取や狩猟に来る人もいるし、まだ人目がある可能性があるからダメって?

マジか。


荷物が無くても辛いのに、ポーターとして参加しているから体裁として荷物を持つ必要があり、軽い荷物を優先して詰めたリュックを担当してるけど流石にしんどい……。


こんなときは……。

みんなに見えないように木陰で【ふるさと納税】のリストを開いて、元気溌剌な栄養ドリンクをポチリ。

残業ラッシュの年末や年度末はよくこれのお世話になってたなぁ。

念のために鑑定。



・栄養ドリンク 20本 1万2千円



仕事勉強で集中したいときに。

激しい運動の後に。

身体に疲労を感じるときに。

そんなときにこれ一本で元気ハツラツ。


【体力即時回復】

【体力回復速度上昇・中】8時間

【疲労軽減効果・大】  8時間


む?

効果時間があるタイプのバフ?

永続じゃないならアレクたちにあげてもよさそう?


とりあえず一本グビッと一気に飲み干した。

すると瞬く間に体の疲れが吹き飛んだ。

そしてやる気がみなぎってくる。


「ファイトいっぱああああつ!」


「おわっ!?スズヤさん?どうしたんだ急に?」


「ごめん。なんかちょっと叫びたい気分で。皆さんもよかったらこれを1本どうぞ」


栄養ドリンクの瓶を1本ずつ手渡していく。


「見たことない容器のポーションだな?」


「ええ。でもかなりの力を感じますね。とても高価な薬なのではないでしょうか?」


「うむ」


「スズヤさんが出すものならなんでも美味しいって!いただきます!」


瓶を空けてエレナが一気飲みをした。


「エレナ。どうだった?」


アレクが効果のほどをエレナに確認する。


「うーん?甘くておいしい気がするけど不思議な味?」


まぁそうだよね。

強烈に甘いし、いろんな成分入ってて不思議な味だよね。


「でもね!一気に体力回復してめっちゃ元気になる!ハイポーションよりすごいかも!!」


「ほお!!どれ、俺も!」


「私もいただきます」


「うむ」


栄養ドリンクを飲んだ3人は目を輝かせた。



「うおおおおお!こいつは叫びたくなる気持ちわかるぜ!!」


「ええ!このポーションは素晴らしいですね!!」


「おおおおお!」


普段寡黙なガイさんまで叫んでる!?


「スズヤさん!」


「は、はい!?」


「一気に距離を稼ぐぞ!!薬の効果が残ってるうちに!!」


「うむ!!」


「いっくよー!!」


「え」


エレナに手を引かれ、ガイに背中を押され、強制的に走らさせることに。

いやあああ!俺は疲れた体を回復したかっただけなのに!

なんで更に肉体を酷使することに!?

みんな元気になりすぎいいいいい!!

勘弁してえええ!!



結局そのあと、バフ効果が切れるまで8時間延々と地獄のダッシュに付き合うこととなり、体力が果てるたびに栄養ドリンクに頼る羽目になって、とんでもない地獄を見た。


徒歩3日かかると聞いていた禁足地の岩石地帯に、たった一日で到達してしまった。


うぅ……。

もう緊急時以外、二度と龍の牙に栄養ドリンクは渡さない……。

ってか俺と違って龍の牙のみんな元気になりすぎ……。



お腹は栄養ドリンクでちゃぽちゃぽだし、体力回復効果で体の疲労感は改善されたけど、精神的にもう限界……。

うぅ。今日はもう料理する気力がない。


「スズヤさん。今夜の料理はなにー?」


「俺は何でもいいぞ!」


エレナさん?あんな強制ダッシュを俺に強いておいて料理を所望ですか?

ほう?アレクさん。その発言は料理を作る人に対して喧嘩売ってますね?

その喧嘩は買ってあげましょう。


「へぇー。龍の牙は通常は旅程3日もかかる道のりを、傭兵でもない商人に無理させて僅か半日で踏破させたうえで、料理までさせるんだ。へぇ~」


「「「「うっ」」」」


「今日は精魂尽き果てたから料理は無理!代わりにこちらで我慢してください」


そういって【ふるさと納税】で事前にポチっておいた。各種パン詰め合わせの箱を差し出す。

菓子パンに調理パン。

様々なパンの詰め合わせを二箱。


「これはパンなのか?」


「えっ?どのパンも見たことない!」


「すごい!ふわっふわ!しかも真っ白ですね!」


「うむ!」


当て付けのような感じでパンを出した感じもあったが、意外と満足度が高そうで4人とも嬉々としてパンを食していた。

そうか。この世界では基本日持ちする堅いパンが主食。

白小麦を使ったパンというだけで高級品なんだっけか。

ほんと、かなりお金はかかるけど【ふるさと納税】のスキルがなかったら俺も食事で苦労したんだろうな。

ってかこの4人は俺とずっと食事を共にしてるけど、この世界の食生活に戻れるんだろうか……?

一度贅沢を覚えたら後戻りできないというけど。


まぁ、そのときは誰かが料理を必死になって覚えることだろう。


あぁ。クリームパンの甘さが疲れた体に染み渡るぅ。





所持金 金貨181枚 銀貨7枚 黄銅貨4枚 青銅貨2枚



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