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第22話(第2章第9話):要塞化計画!『時短家電』導入の議会承認

作戦開始時刻、日曜日2100(フタヒトマルマル)。


ワンオペ交代制(シフト制)を確立し、

着々と家庭内インフラの整備を進める我が『朝倉家共同司令部』。

だが、子どもたちの成長とともに増大する家事タスクは、

人間の労働力(手作業)だけでは限界を迎えつつあった。


 この日、我が国の最高意思決定機関――

『朝倉家夫婦議会』(国会)が開会された。


「参謀、ならびに議員諸君。

我が国の長期防衛力を底上げするため、

本日、ある重要な法案(国家事業)を提出するわ」


私は重々しく立ち上がり、

ホワイトボードに巨大な文字で掲げた。


『朝倉家要塞化計画――「三種の神器(時短家電)」導入法案』


「な……時短家電だと!?」


参謀(夫・ケンタ)が目を見開く。

私が提示した配備兵器リストは以下の三機。

一、『据え置き型・自動食器洗い乾燥機(食洗機)』

二、『全自動床拭きロボット掃除機ルンバ

三、『大容量ドラム式洗濯乾燥機』


「司令官!気持ちはわかるが、

この三機を同時に導入するとなれば、

総額で30万円以上の巨額な国家予算(特別国債)を

発行することになるぞ!

我が国の財務省(家計)が耐えられると思っているのか!?」


「反対意見は想定内よ、財務担当参謀!」


私は冷徹な手つきで、一気に弾き出した

『費用対効果(ROI)試算レポート』

を叩きつけた!


「ご覧なさい!

手洗い、掃除機かけ、洗濯物を干す・畳む作業――

これらに現在、夫婦で1日平均2.5時間を費やしているわ。

これを三種の神器によって自動化(外注)した場合、

1日あたり約1.5時間の自由時間(労働削減)が創出されるのよ!」


「1.5時間……!?」


「そうよ!1年間に換算すれば、

なんと約547時間!

時給1,000円で計算しても年間約55万円相当の価値が

生まれるの!

30万円の投資など、わずか半年で回収できる計算よ!」


「ぐ……っ!数字で提示されると、ぐうの音も出ない……!」


圧倒的なロジック砲に押される参謀。

だが、彼は最後の抵抗を試みた。


「しかし……『手で洗う』『天日で干す』

という従来の職人的な家事の美徳はどうなるんだ!?

機械に頼り切って、我が国の主婦・主夫としての誇りは

失われないのか!?」


 私は静かに参謀の目を見つめ、優しく言葉を投げかけた。


「参謀。機械に頼るのは楽をするためではないわ。

『家族と笑顔で過ごす時間』

を創り出すためよ。

あなたが疲れてイライラしながら食器を洗う15分と、

食洗機に任せて子どもと絵本を読む15分――

我が国にとってどちらが本当に価値のある時間かしら?」


「あ……」


参謀の胸に、その言葉が深く突き刺さる。


「……負けたよ、司令官。

俺たちの『誇り』は、家事を手作業で苦労することじゃなく、

家族を笑顔にすることだったな」


参謀は力強く頷き、自らの議員票(挙手)を高く掲げた。


「法案採択!『朝倉家要塞化計画』、満場一致で可決承認とする!!」



数日後――。

 我が国へ次々と配備される最新鋭の自動化兵器たち!

分岐水栓を接続した食洗機が、油汚れの皿を激流でピカピカに

洗い上げる。

ボタン一つでドックから出撃したロボット掃除機が、

リビングのホコリを一掃する。

そしてドラム式洗濯機が、

ふんわりと乾いた服を夜のうちに仕上げてくれる!


「す……すごい……!

洗濯物を干さなくていい世界がこんなに快適だったなんて……!」


「食器洗いから解放されるだけで、

夜の時間がこんなに静かで温かいなんてね……」



2130(フタヒトサンマル)。

ピカピカになったリビングで、

温かい紅茶を飲みながらソファで寛ぐ二人。

機械によって自動化(要塞化)されたことで生まれた、

贅沢な余白の時間。


「技術の進歩と、英断を下した我が議会に感謝ね、パートナー」


「ああ!未来への投資は大成功だ!」


 自動防衛システムの完成により、朝倉家共同司令部はかつてない

『強固な要塞』へと進化を遂げたのだった――。



(第2章第9話 終わり)

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