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第21話(第2章第8話):休日の極秘防衛線―『ワンオペ交代制(シフト制)』の確立

作戦開始時刻、金曜日2200(フタフタマルマル)。


 意識改革を経て、名実ともに我が『朝倉家共同司令部』の

「共同経営者」となった参謀(夫・ケンタ)。

今夜、我が国において新たな休日運用プロトコル(新制度)

が提案されようとしていた。


「参謀。これまでの我が国の休日の過ごし方について、

構造的な欠陥(課題)を提示するわ」


私はリビングのホワイトボードに、ペンで大きく

「休日」と書きつけた。


「これまでは、休日になると家族全員で行動し、

二人で子どもたちを追い回して一日を終えていたわ。

その結果どうなるかしら?」


「うぐ……二人とも疲労困憊して、

自分の自由時間ソロタイムがゼロのまま

月曜日を迎える……」


参謀が痛いところを突かれたように顔をしかめる。


「その通りよ!

二人が常に稼働(フル稼働)している状態は、

一見効率的に見えて、実は『リフレッシュの機会』を

奪い合う消耗戦なのよ。

そこで提案するのが、この新制度――

『ワンオペ交代制(シフト制)』よ!」


「シフト制……!?」


「ええ!土曜日の午前は私が単独防衛ワンオペを担当し、

あなたは完全自由な

『ノーコンタクト・タイム(カフェ、趣味、休息)』

を取得する。

そして午後はシフトを交代し、

今度はあなたが子ども二人を引き連れて

ワンオペ遠征に出撃!

私は自宅で完全一人時間を確保する!」


「おおお……!つまり、互いに

『気兼ねなく一人になれる時間』

を制度として保障し合うということか!」


「理解が早くて助かるわ。

これより、明日の土曜日から

『第1回シフト制防衛作戦』を決行するわよ!」


「了解だ!午後のワンオペ公園遠征、

俺の成長の証として完璧に完遂してみせる!」



 そして迎えた土曜日――。

午前のシフトを私が引き受け、

参謀はルンルンで近所のカフェへと

リフレッシュに出かけて行った。

一人でカフェで読書を楽しんだ参謀は、

心身ともに完全回復した状態で帰還!


「よし!バトンタッチだ、

司令官!午後シフトは俺が引き継ぐ!」


1300(ヒトサンマルマル)。

いよいよ参謀による

『単独ワンオペ公園出撃ミッション』

がスタートした!


要人二人(リク5歳長男 & メイ歳長女)を連れ、

近所の大型公園へと進撃する参謀。


「よし、二人とも!

今日はパパと公園で思いっきり遊ぶぞー!」


以前の参謀であれば、二人が別々の遊具へとダッシュした瞬間に

パニックを起こしていたことだろう。

しかし、今の参謀は一味違う!


(……司令官からの事前レクチャーを思い出せ!

5歳のリクには

『パパが見てるからカッコいいところ見せて!』

と声をかけて足止めし、

視界の届く範囲で3歳のメイのすぐ後ろに配置する……!)


「リク!

すべり台の上からカッコいいポーズ見せてくれ!

パパ見てるぞ!」


「見ててー!パパ、行くよー!」


「メイちゃん、ブランコゆらゆらね〜。

パパが後ろから押してあげるよ〜」


完璧な視線コントロールと配置調整ポジショニング

子どもたちの安全を確保しつつ、

水筒の水分補給(補給線)も

完璧なタイミングで実施!

さらに、要人同士の

「おもちゃの奪い合い(領土問題)」が発生した際も――。


「メイ、貸してあげる時は『順番ね』って言うんだぞ。

リクも『ありがとう』って言おうな」


慌てることなく冷静に仲裁し、見事に対立を収束させた。


一方その頃――自宅。

 静まり返ったリビングのソファで、

私は一人、静かに紅茶を飲んでいた。


(……静かだわ……。

誰にも邪魔されず、静かに本を読める時間が

こんなに愛おしいなんて……)


これまで休日は「家族全員でいなければならない」

という固定観念に縛られていた。

だが、互いに交代で完全なフリータイムを作ることで、

心に圧倒的な「ゆとり」が生まれていくのを実感していた。



1700(ヒトナナマルマル)。


「ただいまーーー!!」


夕方、泥だらけになった要人二人と、

誇らしげな顔をした参謀が帰還した!


「ママ!パパとブランコ乗ったよ!」

「公園すっごく楽しかった!」


子どもたちは大満足の笑顔。

そして参謀は、私に向かってビシッと親指を立てた。


「任務完了だ、司令官!

事故・ケガゼロ、全員無事に生還したぞ!」


「……見事な戦果ね、参謀。お疲れ様」


私が微笑んで出迎えると、参謀はどこか照れくさそうに笑った。


「一人で二人を見るのは大変だったけど……

葵が一人時間を満喫してリフレッシュできたなら、

最高の成果だよ」


 互いに「自分の時間」を得ることで、

心からの優しさと笑顔で家族に向き合うことができる。


『ワンオペ交代制』という新たな防衛線の確立により、

朝倉家共同司令部はまた一つ、

理想的な家庭の運用スタイルを手に入れたのだった――。



(第2章第8話 終わり)

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