第18話(第2章第5話):財政赤字を回避せよ! 『物価高(インフレ)との講和条約』
作戦開始時刻、日曜日2000(フタマルマルマル)。
家事能力を身につけ、子どもたちからの支持率も回復させた参謀
(夫・ケンタ)。
だが、平穏が訪れたかに見えた我が『朝倉家共同司令部』に、
世界規模の金融危機――『歴史的物価高』
という巨大な外圧が襲いかかった。
ダイニングテーブルの上。
電卓と家計簿(決算書)を前に、私と参謀は険しい表情で突き合わされていた。
「……参謀。今月の我が国の財政状況(食費・日用品費)のレポートよ」
私が提示した数値を前に、参謀は青ざめた。
「な……なんだこの数字は!?キャベツ1玉が過去最高値!?
卵も牛乳も、おむつまでじわじわ値上がりしてる……!
今まで通りの買い出しをしていたら、我が国は確実に
『赤字国債(家計崩壊)』を発行することになるぞ……!」
「ええ。世界的な原材料高騰と円安による『インフレの侵略』よ。
給料(国家予算)が変わらない以上、従来の調達ルート
(買い出しパターン)をそのまま維持することは不可能よ」
「うぐぐ……かといって、子どもたちの食べる量を減らしたり、
栄養バランスを崩すわけにはいかない……!一体どうすればいいんだ!?」
頭を抱える参謀。
「落ち着きなさい、参謀。
生活水準やクオリティを落とさずにこの金融危機を乗り越える―
―これより、第1回・朝倉家財政戦略会議(防衛策定)を執り行うわ!」
私はホワイトボードに、3つの新戦略を叩きつけた!
【朝倉家・インフレ講和条約(3大財政改革)】
一、『ノーブランド品の全面解禁』
ナショナルブランドの調味料や日用品から、品質が変わらない
高品質なプライベートブランド品へ一斉切り替えを断行!
二、『ポイント還元(ポイ活)という名の暗黒資金回収』
買い出し日を特定ポイント5倍デーに集中させ、
溜まったポイントを次月の固定費へ還元・補填!
三、『新貿易ルート・業務スーパー&大量買いの開拓』
肉類や冷凍野菜は、大容量を誇る「業務スーパー(新拠点)」で調達し、
小分け冷凍ストック(兵糧保管)で単価を極限まで引き下げる!
「おおお……!単に『節約してひもじい思いをする』のではなく、
調達構造そのものを変革する戦略か……!」
参謀の目がギラリと輝いた。
「よし!新貿易ルートの開拓は、この俺に任せてくれ!
業務スーパーでの大量調達&小分けミッション、完遂してみせる!」
翌日――作戦実行!
参謀は我が軍の大型車両を駆り、
噂の業務スーパーへ出撃!
2キロの国産鶏ムネ肉、大容量の冷凍ブロッコリー、
業務用のお徳用カットわかめ――。
「司令官!圧倒的コスパの食材(物資)を大量確保したぞ!」
帰還した参謀とともに、キッチンで
『小分けストック作業(解体&冷凍作戦)』
が開始された!
鶏肉をラップで1回分ずつ丁寧に包み、
ジッパー付き保存袋に小分けしていく参謀。
その手つきは、もはや熟練の兵站
担当官そのものだ。
「よし!これで肉類・野菜の平均調達単価を30%削減に成功したぞ!」
さらに週末の買い出しでは、特定の「ポイント倍増日」を狙い撃ちにし、
溜まったポイントで日用品を購入。
◇
1ヶ月後――。
再び開かれた財政会議。
電卓を弾いた参謀が、歓喜の叫びを上げた!
「す、すごいぞ葵!
今月の食費・日用品費……物価高の前より安くなってる!!
赤字回避どころか、黒字(黒字化)達成だーーーっ!!」
「ふふっ……見事な戦果ね、参謀。
生活のクオリティを何ひとつ落とさずに、インフレという巨大な敵と
『講和条約』を結ぶことができたわ」
電卓の数値を指さし、満足そうに頷く私。
単に我慢するだけの節約ではなく、夫婦で知恵を絞り、
情報戦と工夫で我が家の財政を守り抜いた達成感。
「葵と二人で知恵を出し合えば、どんな不景気も乗り越えられるな!」
「ええ。我が国の『夫婦同盟』に、破れぬ財政難など存在しないわ!」
外圧による金融危機をも跳ね返し、朝倉家共同司令部はまた一つ、
強固で豊かな家庭(国)へと進化を遂げたのだった――。
(第2章第5話終わり)
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