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黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 ~終わりを選び、未来を奪い返せ~  作者:
観測深層 ― 忘れられた可能性

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開章:観測深層

観測されすぎた世界は、

揺らぎ始めた。

選ばれなかった可能性は、

深層へ沈む。

そこは、

忘れられた記録の海。

そして今。

“深層”が、

こちらを見ている。


第四章の開幕

静かだった。


波の音すら、ない。


世界が、深く沈んでいる。


クロエは目を開く。


青。


どこまでも深い、蒼い空間。


海のようにも見える。


宇宙にも見える。


だが。


違う。


ここは――


“深い”。


足元。


水面が揺れる。


自分が立っている場所だけ、静かに波紋が広がっていた。


クロエが周囲を見る。


セレナ。


エル。


少し離れた位置に、二人も立っている。


誰も喋らない。


声を出せば、何かが壊れる気がした。


空の奥。


無数の線が走っている。


星座。


観測線。


記録情報。


世界を繋ぐ“何か”。


そして。


その全てが、ゆっくり沈んでいる。


クロエが呟く。


「……どこだよ、ここ」


返事はない。


代わりに。


水面の下。


“影”が動く。


巨大。


深い。


形が認識できない。


クロエの瞳が揺れる。


その瞬間。


エルが、静かに口を開いた。


「観測深層」


ノイズ混じりの声。


だが以前より、確かに“感情”がある。


「世界記録層の最下部」


「観測されなかった可能性が、沈殿する領域」


セレナが目を細める。


「……そんな場所が存在するのか」


エル。


「本来、到達不可能」


「ここは“外側”に近すぎる」


外側。


その単語だけで、空気が重くなる。


クロエは水面を見る。


自分の顔が映っている。


だが。


微妙に違う。


映っている“クロエ”が、ほんの少しだけ笑っていた。


クロエの呼吸が止まる。


次の瞬間。


水面の中から。


“手”が伸びた。

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引き続き「レイヴンクロニクル」をよろしくお願いします!

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