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黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 ~終わりを選び、未来を奪い返せ~  作者:
第三章:観測外領域 ― 選択の代償

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第35話:観測されない答え

白い世界に、ヒビが走る。


巨大な瞳。


その視線が、初めて揺らいでいた。


クロエが前へ出る。


黒い羽が、ノイズ混じりに広がる。


世界が軋む。


だが。


止まらない。


声が響く。


「理解不能」


「選択行動、非合理」


巨大な瞳の周囲に、無数の記録が浮かぶ。


崩壊。


死。


失敗。


壊れた未来。


選択の先にある、無数の破滅。


声。


「なぜ進む」


クロエが笑う。


「うるせぇな」


一歩。


踏み込む。


「壊れるのが怖いから、選ばない?」


空間が揺れる。


クロエ。


「そんなの、最初から死んでんのと一緒だろ」


その瞬間。


白い空間に、黒いノイズが走る。


巨大な瞳が、僅かに後退する。


世界の外側。


観測そのものが、揺らいでいた。


すると。


遠くから、声が聞こえる。


「……クロエ!」


セレナ。


続いて。


「戻ってこい!!」


ノクス。


クロエが目を見開く。


現実側。


繋がっている。


だが。


その瞬間。


白い世界が、急激に閉じ始める。


巨大な瞳。


「観測終了」


「記録固定開始」


クロエ。


「チッ……!」


空間が崩れる。


身体が沈む。


意識が引き裂かれる。


その時。


誰かが、腕を掴んだ。


クロエの瞳が揺れる。


白いノイズの中。


銀髪。


不安定な輪郭。


エル。


まだ、完全には戻っていない。


ノイズだらけだ。


それでも。


エルが、クロエの腕を掴んでいる。


クロエ。


「……お前」


エルの声は、途切れ途切れだった。


「帰還……座標……固定」


ノイズ。


「急げ」


巨大な瞳が、二人を見る。


初めて。


明確な敵意。


世界が、閉じる。


クロエが歯を食いしばる。


「上等だよ……!」


黒い羽が、大きく広がる。


その瞬間。


エルのノイズが、クロエの羽へ流れ込む。


黒と銀。


二つの揺らぎが、重なる。


巨大な瞳が、初めて大きく揺れた。


「――未確認」


「観測不能」


次の瞬間。


白い世界が、砕け散った。

読んでいただきありがとうございます!


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引き続き「レイヴンクロニクル」をよろしくお願いします!

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