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黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 ~終わりを選び、未来を奪い返せ~  作者:
観測深層 ― 忘れられた可能性

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第6話:消された可能性

空気が止まる。


クロエは、

言葉を失った。


「……消された?」


“クロエ”は静かに頷く。


深層の水面が、

微かに揺れた。


『私は、

選ばれなかった』


『だから、

記録から消された』


クロエの胸がざわつく。


目の前にいる存在は、

ただの偽物じゃない。


本当に、

“存在していた”。


セレナが低く問う。


「何に消された」


沈黙。


その瞬間。


扉の奥から、

巨大なノイズが響く。


深層全体が震えた。


エルの瞳が揺れる。


「来る……!」


次の瞬間。


扉の奥から、

黒い粒子が溢れ出す。


無数。


まるで雨みたいに、

深層へ降り注ぐ。


クロエが顔をしかめる。


「なんだアレ……」


黒粒子が、

水面へ落ちる。


すると。


水面の下から、

人影が浮かび上がった。


一人。


二人。


十。


百。


全部、

“誰か”。


崩れた人型。


ノイズの身体。


目だけが光っている。


ノクスの顔色が変わる。


「……おいおい」


「深層残骸まで出てきやがった」


クロエ。


「だから何なんだよそれ!」


ノクス。


「消された世界の残りカスだよ」


その瞬間。


無数の人影が、

一斉にこちらを見る。


ゾッとするほど、

静かだった。


そして。


全員が同時に口を開く。


『――返せ』


深層が揺れる。


『返せ』


『返せ』


『返せ』


声が重なる。


クロエの頭が割れそうになる。


“クロエ”が、

静かに呟いた。


『始まった』


クロエ。


「何が!」


すると。


深層主の背後。


巨大な扉が、

さらに開く。


その奥から。


“指”が、

ゆっくり現れた。

読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

引き続き「レイヴンクロニクル」をよろしくお願いします!

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